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余白を残す

私が小学生の時は、今の時代のようにクラブチームやスクールといった選択肢はありませんでした。携帯やインターネットもない時代ですので、情報を得る手段もなかったと思います。
 
それに比べると、今は携帯一つで様々な情報を得ることができますし、素晴らしいクラブチームや良い指導で技術を教えてくれるスクールがたくさん存在する中で、自分に合った環境を選ぶことができます。
 
そんな中、選択肢が増えた分、3つ4つのスクールを掛け持ちしている子どもたちも見かけるようになりました。自分に足りない部分を伸ばすために、あるいは得意な部分をさらに磨くために、目的をもって様々なスクールに通うことは良い部分もあります。
 
一方、その分、身体への負担やメンタル面の消費があることも忘れてはいけません。小学生年代であまりに詰め込みすぎると、中学・高校で燃え尽きてしまう可能性もありますし、実際にそのような子もたくさん見てきました。
 
ですので、私のおすすめは、ジュニア年代では平日2日~3日の練習+土日で十分だと思っています。一週間すべてサッカーで埋めるより、身体をしっかり休める日、他のスポーツに触れる日、学校の友達と遊ぶ日、家族とお出かけする時間。
 
サッカー以外の世界もたくさん経験することで、視野も広がり、心身バランスよく成長していくのではないかと思っています。週末の疲れで学校に行けない、宿題に向き合う体力が残っていない、友達と遊ぶ時間がない。そのような状態が続くと、大好きだったサッカーがいつの間にかやらされているものになってしまう危険性もあります。
 
サッカーから離れる時間をあえてつくることで、早くボールが蹴りたい、練習に行きたい、週末の試合が楽しみ。そんな気持ちがずっと続く状態でサッカーに取り組めることが理想だと思っています。
 
5年後、10年後もサッカーが大好きで、選択肢がある中でも優先順位の一番にサッカーを持ってこれるか。そういった継続できる選手が最終的には生き残っていきます。

この先の中学・高校年代でもずっとサッカーへの情熱を持ち続けるためには、このジュニア年代では少し心身共に余白を残しながらサッカーに取り組んでいくことが大切な要素のような気がしています。
 
子どもがサッカーへの情熱を燃やし続けられるように、私たち大人が上手くサポートしていきたいですね。

VITA FA代表
久保田健太

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