No.21 両眼視機能検査 【検査8番】【遠方上下開散力テスト#12B】
前回(No.20)の記事は、上下斜位の検査方法を説明しました。今回の記事は、6本の外眼筋と上下斜位を打ち消す「上直筋・下直筋」の力を計測する方法を説明します。
上下のズレ(斜位)を正位に戻す筋力(上下直筋)は非常に弱く、この力を計測する検査を ”上下開散力テスト" と言います。
上下斜位を持つ人は、あまり多くは居ません。検査をしても「上下斜位 "0プリズム"」の人が大半です。ただ上下斜位がある人の主な症状は身体的(頭痛、極度の眼精疲労、遠近方視でのピンボケ、複視 etc)に現れます。
前回記事 上下斜位検査#12A で「1△~2△(プリズム)」程度あっても上下開散力検査が「3△~4△(プリズム)」強さがあれば身体的に問題ない限りプリズム処方は不要です。(上下斜位の場合は、"2倍以上の余力の原則" はありません)
【8】 遠方 上下開散力テスト(#12B)
*基本的にカバーテストや#12A検査で上下斜位がある場合に行います
目的:上下開散力の確認
使用チャート:横一列
補助レンズ:右眼ロータリープリズム
(1)横一列チャートを表示します。チャートをモニターに表示すると自動でレフラクター本体の左眼に ”10△BI ”プリズムが注入されますが、プリズムレンズを外して左右開放状態にしてください。(上記写真 赤○)
右眼にプリズムをBASE(UP/DOWN)方向に入れるモードになります。(黄○)
(2)最初に「上方開散テスト」を行います。チャートの数字が一つに見えていることを確認後、ロータリープリズムを左に回し「BD/ベースダウン」プリズム度数を加えます。
チャートの数字が下記のように上下二つに分離した点を【分離点】として記入します。
チャートの数字が再び一つに見えるまで「BD/ベースダウン」プリズムを減らします。再び一つに戻った点を【回復点】として記入します。
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