No.18 両眼視機能検査 【検査5番】【遠方BIプリズム負荷テスト/遠方外寄せ検査#11/開散テスト】
斜位の測定に際して ” 内寄せ(輻輳力)と 外寄せ (開散力)" は重要な検査になります。フォン・グレーフェテスト(米国式)検査手法は、被検者の持つ輻輳力と開散力を計測し理論的に不足する部分をプリズムレンズで補います。
具体的には、斜位があっても2倍以上の輻輳力や開散力があれば大きな斜位あってもプリズム矯正は不要という理屈です。
これは米国式の矯正手法で、理にかなった方法と考えます。ポラテスト(ドイツ法)には、この考えはありません。そのためプリズム処方が必要な場合は、この” 内寄せ(輻輳力)と 外寄せ (開散力)"の検査をしっかりと行います。
検査の手順として、最初に外寄せ(開散力)を測定し、次に内寄せ(輻輳力)を測定します。それは輻輳よりも開散の方が調節などの視機能に与える負担が少ないと考えられるからです。
【5】遠方外寄せ開散検査・BIプリズム負荷テスト(#11)【期待値 分離7±2/回復 4±1】
遠方外寄せテストは、遠方視での開散力のテストです。開散力とは、眼球を外側に開かせる”外直筋の筋力”測定です。この力の期待値は、「分離点/5プリズム~9プリズムで、回復点/3プリズム~5プリズム」の力が必要です。遠方視での開散力テストでは、ボケ点はなく分離がいきなりきます。
今の時代の傾向としましては、この開散力が弱い人や輻輳と開散のバランスが悪い人が非常に多くなっています。
一つの原因がデジタル機器の影響で長時間画面を見ているため輻輳が続き、パッと遠方を見た時に開散できず、遠方が ”ぼやける” または回復まで数秒かかるという症状の人が多くなっています。
視力の低下と感じるかもしれませんが、実はこの開散力機能の低下が大きな要因となることもあるのでしっかりと被検者の”外寄せテスト”の数値を把握することが大事です。
目的:外寄せテスト
使用チャート:縦一列
補助レンズ:両眼 ロータリープリズム
(1)縦一列視チャートを表示します。
(2)【斜位】を選択し、開散テストウィンドウを表示させます。選択すると自動で "6△BU” の固定プリズムが外れ両眼開放されます。
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