見出し画像

【議会モニター】「本庁舎を県八頭事務所と共同設置」に関する八頭町議会公共施設等調査特別委員会レポート

最近は公共交通問題公共施設マネジメントについて最優先で取り組んでいるかきもと@隼です。一部では「庁舎建設を止めた男」と呼ばれています。この話についてはまだnoteで公開できていないので近いうちに公開したいと思います。

先日の地元新聞にいきなり出て来たこの記事について先日解説させていただきました。その記事の中に今日1月30日(月)の特別委員会で議論すると書かれていましたので、議員モニターとしても過去2回の庁舎建設等検討委員会のメンバーとしても、公共施設マネジメントを学ぶ人間としても非常に関心があったので、特別委員会の傍聴に行ってきました。

1月21日(土)の日本海新聞

記事に書かれていた町長の発言

改めて1月20日(金)の全員協議会での𠮷田町長の発言を振り返っておきます。

同日開かれた全員協議会で吉田町長は「2020年度の庁舎建設等検討委員会の報告に沿い、方向性を考える必要がある」と説明。
県と共同設置するメリットについて、
1.類似業務の連携による町民サービス向上と業務の効率化
2.国道29号に面し郡家駅も近い利便性
3.用地を町単独で取得する必要がない
4.複合施設によるイニシャル・ランニングコスト削減
-などを上げた。
財源については合併特例債のほか、まちづくり基金の活用案も示した。

1月21日(土)の日本海新聞より(メリット1〜4の番号はかきもとによる)

2020年度の庁舎建設等検討委員会の報告内容についても私の最終確認した報告書最終案の内容で再度掲載しておきます。

庁舎方式については、新庁舎建設による本庁舎方式が業務の効率化及び町民にとっての利便性向上につながると思われます。しかしながら、将来の行政・財政運営を考えれば、将来を見据えた必要な庁舎建設に努めるべきであり、耐用年数が比較的長い船岡庁舎を最大限有効利用しながら、郡家地域に本庁機能を有するコンパクトな新庁舎を建設することが望ましいと考えます。また、八東庁舎については、建替え等を行わず既存施設の有効活用により、庁舎機能を維持するべきではないかと考えます。
郡家地域での庁舎建設における課題は、まとまった用地確保であると考えられ、郡家駅周辺の利便性や既存公共施設の集約化・複合化といった今後の公共施設の在り方も視野に入れ、かつ、人口減少・少子高齢化や働き方などの社会情勢の変化や防災などの行政面、財政面も考慮しながら、規模や場所を速やかに判断する必要があります。

R2~3年の庁舎建設等検討委員会の報告書最終案の一部

上記報告書最終案の後半には郡家地域での庁舎建設について規模や場所を速やかに判断する必要があると書かれていて、今回の町長の提案はそれに対するものと思われます。
ただその前段には前提として「船岡庁舎の有効活用」が書かれています。今まで町長から船岡庁舎の有効活用について言及されたことはなく、有効活用された様子も見えないため、まずは「船岡庁舎の有効活用」を考えていただきたいという想いが強いと先日は書かせていただきました。

今日の委員会は三本立て

八頭町議会のHPでスケジュールを確認して1月30日(月)のスケジュールを確認して、事前に議会事務局の担当者さんに傍聴可能なことを確認しました。

議会改革推進調査特別委員会(9:00~)
予算・決算に関する調査特別委員会(議会改革推進調査特別委員会終了後~ )
八頭町公共施設等調査特別委員会(予算・決算に関する調査特別委員会終了後〜)

2023年1月議会カレンダーより

本庁舎の方での用事を済ませてから船岡庁舎に向かいました。
※本庁舎には最近よく出向いていますのでよい環境ではないことはよくわかっています。だからこそ船岡庁舎の有効活用を検討いただきたい。

八頭町本庁舎

船岡庁舎に着いたのが9時前で議会事務局に寄ってから委員会の会場に向かいました。日本海新聞の記者さんも来られていたので一緒に向かいながら、いつも来られているか聞いたら、今回のような重要な内容の時には来ているとのことでした。

議会のある船岡庁舎

ひとつめは議会改革推進調査特別委員会

最初に議会改革推進調査特別委員会が開かれていました。議会報告会で出された意見の扱いについてかなりしっかりとした議論をされていました。今年の報告会があったことを知らなかったので行けばよかったなと思っていたら、今年度は各種団体向けのみ実施されていたとのこと。来年度は一般向けもお願いします。

議会中継のYouTube配信のことについても話が聞けました。今はケーブルテレビでの放送のみですが、今後はYouTubeでの配信も始まるようです。これによっていつでも見ることができるし、町外の方でも見ることができるようになります。町民の議会への関心度のアップと議会のレベルアップにつながればと思います。

議員報酬や定数についての議論も来年度から本格的に始まると聞きました。選挙も2年度に近づいているので遅いくらいですが、自分たちのことと言うよりは未来のこのまちをどのようにしていきたいかという観点での議論を期待します。個人的には積極的な学びにつなげるためにある程度の政務調査費は必要と考えています。

議会改革推進調査特別委員会が終わったのが10時30分でした。次の予算・決算に関する調査特別委員会が10時45分からと言うことで、午前中のみの休みでは公共施設等調査特別委員会まで聞けない可能性があると思い始めていました。

ふたつ目の予算・決算に関する調査特別委員会は短めでよかった

次の予算・決算に関する調査特別委員会は予算が審議される3月議会のいくつかの確認が行われて15分程度で終了しました。公共施設等調査特別委員会は準備でき次第ということで、ある程度しっかりと聞けることがわかって安心しました。

三つ目は公共施設等調査特別委員会

公共施設等調査特別委員会ではすぐに庁舎の話ではなく、まずは特別委員会で進めている公共施設の総合調査票の内容についての議論がされました。

最初に主に八東地域のいくつかの施設について「廃止」や「継続活用」「継続検討」など委員会で決定した見直し方針の確認が行われました。具体的な内容は伏せますが「廃止」のものも多く、それは除却(取り壊し)と言うことになるのかなと思って聞いていました。

ひとつ気になったのは委員会で「廃止」となった施設でも、別途地域の人も含めて検討されている施設についてはその結論を待って「継続検討」にすると言われていましたが、議会としての結論は結論として明確にしておく必要があるのではと個人的には思いました。

また、別途結論が出て、取り壊し後に新たなものを建設して欲しいと言われたとしてもそれを尊重する必要はなく、他に使える施設がないか検討して、そこを使ってくださいということも大事ではと言う意見が出たので、その通りだと思いました。
町も絡んだ議論と言うことで訂正されていましたが、議論に町が絡もうと今後は合った方がいいと言うだけで不要な公共施設を建設してはいけないと考えます。

あとは、特別委員会の判断基準を知りたいと思いました。どういう項目の調査を行った上でどのような基準で判断をしているのかは明らかにして欲しいです。町の方でも施設毎のカルテを作っていると庁舎建設等検討委員会の時に聞きましたので、その中にあると思われる維持管理費などの情報も判断に使っているかも知りたいです。町の方でも何らかの判断をされるのかはわかりませんが、事前に双方の扱いを調整されたのかも気になります。

そして本題の「本庁舎を県八頭事務所と共同設置」について

町長からの申し入れについて特別委員会の委員長から以下の説明がありました。

・町長から県八頭事務所の場所を「優先候補地」として申し入れがあった。
・2月8日(水)に町長に出席してもらって質疑をしたい。
・委員会の方向性が決まっていないのでアンケートを取らせてもらう。

これに対して議員さん側からは以下のような意見が出されていました。

・今まで議会で庁舎建設に対して何度も質問をしてきた。
 なぜこのタイミングで突然申し入れしてくるのか?
・申し入れ書の原文が欲しい(コピーして配布された)
・現在公共施設にしてこの委員会で検討しているところ。
 一度まとまった後でやるべき。
・委員会の方向性が決まっていない中で議論はできないのでは。
・アンケートの意味がわからない。
 メリットデメリットは町から説明されるべき

これに対して委員長からは以下の説明がありました。

・公共施設について議会で話をしているので話をしてきているのだと思う。
・西部事務所が米子と併設の話も合ったので唐突だとは思っていない。
・メリットデメリットは町から4つ出されている。(新聞に書かれていた1〜4?)

さらに議員さん側からは以下のような意見が出されていました。

・優先候補地と言うことは優先じゃない候補地もあるはず。
 選択肢として明らかにして欲しい
・大事なのは町民がどう捉えているか。
 新聞に書かれているようになると思っている人も多いはず
・アンケートは取ることにする
 説明は聞いていないので課題があれば書いてくださいにする

時間切れで委員会を後に

この時点で12時になったので午後からの勤務に間に合わなくなると思って委員会の部屋を出ました。もう同じような話の繰り返しになっていたのでこれ以上の情報はなさそうだとも思って帰りました。

今後について

新聞での県側のコメントも「八頭総合事務所は1963年築で、使用目標年数は80年。すでに2016年8月には耐震補強工事を終えている」から始まっており、すぐに結論ができることはなく長期的な話になることが予想できます。
令和6年までの合併特例債の利用は難しいと思われます。

他県での県の施設と市町村の施設の合築の話を聞いても、県との話はなかなか進まないので時間がかかったり、情報が出てこなかったりとなかなかたいへんだと言われています。もし話がまとまった場合も、立地自体は町になりますので、後で県に抜けられて町側が困らないように考えて、完成後に県が使い続けてくれることも確認しておくことが必要だと思います。
また、県の施設との合築となると簡素な作りにもしにくいためコストが上がらないかも気になります。今後値上げが予想される光熱費を最小限にするためにも、床面積は最小限にする必要があると思います。

県との共同での建設でイニシャルコストやランニングコストを抑えることはアイディアとしては悪くないと思います。

仮に現在の県の八頭総合事務所に空きがあるとすれば間借りするところから始めて、船岡庁舎を有効利用しながら無理に急ぐことなく県との話を進めていくなど、方向性を町民に明確に説明しながら、検討を進めていただくのがいいと思います。

町側と議会側で知恵を出し合って進めていただくことを期待します。

次は2月8日(水)に町長が説明に来られて質疑が行われるらしいので、参加を検討します。
みなさんもいかがでしょうか?

いいなと思ったら応援しよう!