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「幸せと思えば幸せになる」とは簡単に人には言えない‐アドバイスする前に思い出したいこと
こんにちは、自分らしい幸せなキャリア実現パートナー、佐藤千鶴です。
NOTEでは、30年以上にわたって日本企業や外資系企業で働いてきた私の経験から、「先にこれ知ってたら、もっと楽しく仕事やれてたかも」という、自分らしい幸せなキャリアづくりのヒントを紹介しています。
第13回目のテーマは「『幸せと思えば幸せになる』とは簡単に人には言えない‐アドバイスしたくなったら思い出したいこと」です。
私を後押しする言葉「物事、考え方次第」
「物事は考え方次第」という言葉。ピンチに陥っても、それをチャンスと捉えれば、良いアイデアが浮かんだり、前に進む行動ができたりします。私も、仕事で大変なことがあったときや人生の岐路に立たされたとき、「もうひと踏ん張り、頑張ってみよう」とこの言葉が背中を押してくれました。
励まそうと思っていたのに
しかし、私が自分を奮い立たせるために使うこの言葉、他の人を元気づけようとして言った時、そう受け取れないこともあるのだと気づいたことがありました。
ある日、後輩が上司とチームメンバーの板挟みになって悩んでいる様子でした。彼女の話を聞いた私は、「今は辛いかもしれないけど、今の状況、考え方次第で成長のチャンスに変えられるよ」と励ましました。その時は「そうですね、頑張ってみます」と言った彼女が、その後すぐに休職したと聞き、私は初めて自分がした「愚かなアドバイス」に気づきました。
もしかしたら、私は困っている彼女をその状態に置いてきぼりにしてしまったのかもしれません。私の言葉は彼女には「状況を受け入れてそこで生きよ」と聞こえたのかもしれません、彼女にとっては、もう無理だったのに。さらに最悪なのは、その時の自分は、「正しいことをした」と自己満足し、何もできない自分を正当化していたのかもしれません。
危険!独りよがりのアドバイス
この経験から学んだのは、自分にとって意味のある言葉が、必ずしも他の人にとって同じ意味を持つわけではないということです。誰かを励まそうとして、その人の気持ちや状況を無視して、独りよがりなアドバイスをしてしまうことの危なさです。
アドラーは、「ほとんどの対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは踏み込まれることから起こる」と言います。
私がその時に言った言葉も、彼女を知ろうとせず、無遠慮に踏み込んでしまった一例だったのかもしれません。
私がすべきだったことは何だったのだろう
悩んでいる人を目の前にすると、「具体的な解決策を出してあげなければ」とつい腕まくりしちゃいがちな私は、相手は「ただ聞いてほしいかもしれない」と考えることを忘れないよう心に誓いました。
100%わかった気にはなってはならぬと自戒しつつ「自分がその立場だったら」と想像してみる
100%わかれないことを自分に許しつつ、「自分はその立場にはいないけど」あなたに共感してますよ、最大限尊重しますよ」を態度で示す
この2つの姿勢で彼女に向き合うことが最初にすべきことだったのだと今は思います。
完全にはわかれない私ができること
ある時チームメンバーが「会社を辞めたい」と相談してきたとき、私はこの2つを実践しました。まずはじっくり話を聞くことに徹しました。
「どうして辞めたいと思ったのか、これまでそして今どんな気持ちなのか」と問いかけ、彼女が話すのを待ちました。彼女が自分の思いを語る中で、「あなたの立場にはいないから完全にわかるわけじゃないけど、昔の私にも同じように思ったことありました、そう考えるあなたの気持ちはそのまま受け止めるから、思ってることどんどん話してみて」と伝えました。何回か話をして、彼女は自分の中にあった思いを整理できたようで「もう少しやってみます」と言って、結果働き続けることを選択してくれました。
相手の世界に静かに耳を傾ける
いいアドバイスしようと腕まくりするのではなく、まず相手の世界にそっと触れ、相手の話に耳を傾けることで、お互いに信頼が芽生え、そこから何か新しいものが生まれると実感しています。それを深め、広げていくことが、周り自分も幸せになることかもしれない。そこから自分らしい幸せなキャリアにつながるんだと思っています。
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