賢く見られたい!私がはまり込んだ落とし穴
こんにちは、自分らしい幸せなキャリア実現パートナー、佐藤千鶴です。
NOTEでは、30年以上にわたり日本企業や外資系企業で働いてきた私の経験から、「これを先に知っていたら、もっと楽しく仕事ができたかも」という、自分らしい幸せなキャリアづくりのヒントを紹介しています。
今回の14回目のテーマは「賢く見られたい!私がはまり込んだ落とし穴」です。
賢く見られたくてしょうがない
私は、話をする時や聞く時に、相手の話を「でも」で受けて話し始めたり、相手の意見に納得できないと話を最後まで聞かず話の途中で口を出したりしまうこともよくあります。
例えば、会議の場面で、私は他の人が発言している間に、自分が次に何を言うかばかりを考えていました。「こう質問しよう」「こう反論しよう」と、自分の頭の中で次々と考えが巡ってしまい、相手の意見がちゃんと耳に入ってこないことがしばしばありました。
もちろん、「これは良くないな」と思ってはいましたが、なかなかやめられない。なぜ私はこんなことするのだろう?そして、ある言葉に出会った時、ハッとしました。私は「賢く見られたい」と思っていたから、こんな行動を取っていたことに気づいたんです。
ドラッカー先生からのお叱り
ピーター・F・ドラッカーの言葉
「私たちの人生のミッションは、常に進歩することであり、頭の良さを誇示することではない」
「賢い人だと思われたい」と必死になっていた私にとって、この言葉は衝撃でした。頭の良さを証明しようばかりに気をとられると、人の話をしっかり聞かなくなり、自分の話を一方的にする、次第に孤立してしまう。最終的には、周囲の人が私に何も話してくれなくなり、情報も入ってこない、それが自分の成長を止めてしまう、この恐ろしい末路が頭をよぎり、私は自分のふるまいがすごく危険だと気づいたんです。
「とりあえず噛みつく」癖を我慢して、相手の話に集中するよう心がけました。そして「そうなんだ、それについて詳しく教えて!」と尋ねることで、自分の視野が広がっていくことに、ようやく気づいたのです。
シャイン先生、それ私の事です
もう一つ私に刺さった言葉があります。それは、エドガー・シャインの
「自分が相手より一段高い位置にいると証明したい態度が現れた時、信頼関係は崩れる」
という言葉です。
これこそ、私のことだと思いました。特に、チームメンバーとの1on1の時のことです。私は「これ、どう思う?」と問いかけておきながら、相手が答える前に自分で答えを言ってしまいました。彼女がその時どう感じたかは言葉にしませんでしたが、それ以降、彼女はほとんど話さなくなりました。「この人は私の意見を聞きたいわけじゃなく、自分が上だと示したくて質問したんだ」と感じ取られたのかもしれません。あの時、待つことができていれば、彼女との関係は違っていたかもしれません。
謙虚な問いかけが信頼の始まり
このような痛い経験を通して、謙虚に問いかけることの大切さを学びました。謙虚に問いかけるとは、「あなたの意見を本当に聞きたい、ぜひ教えてほしい」という姿勢で問いかけることです。相手が自分の考えを話し出すまで待つ。そうすることで、ようやく信頼の糸口が見えてきます。
相手が本当にアドバイスを求めた時に初めて「私ならこうする」と控えめに伝えるだけで十分です。私の場合、3回ほど求められてからやっと「私の意見はこうだよ」と伝えるくらいがちょうどいいと感じました。
賢さを引き出す「聞く力」
これまでの経験から学んだこと。それは、自分の話をするよりも、相手の声に耳を傾ける方が、時に「賢く見える」し、実際に「賢くなれる」ということです。相手の話を聞くことで「この人は冷静で思慮深い」と思ってもらえるだけでなく、人の本音にグッと触れることで、自分の考えも深まり、豊かになります。
話したいという衝動を一歩抑えて、相手の話に耳を傾けてみると、きっと新しい視点が広がります。信頼される存在となり、結果的に「賢さ」も向上します。
もし「賢く見られたい」誘惑に駆られたら、ドラッカー先生とシャイン先生の言葉を思い出してください。彼らの言葉のおかげで、私は思いもよらなかった自分らしい幸せなキャリアの扉を開くことができました。ぜひ、皆さんも一緒に進んでいきましょう!
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