先読み!シリーズ④:第3章まとめより
1・2章は「構想する」ことをメインに書いているのですが、3章は「伝える」という観点で書いています。ここでの鍵は「物語」
◆物語とはそれを聴く人の感情を揺さぶり、心を動かす何かを生み出す。感情を揺さぶられる話は、そこに臨場感を感じ、臨場感は自らのインサイドアウトから生まれる
◆物語の5要素とは、ワールドモデル、キャラクター、シーン、ストーリー、ナレーターのこと
◆相手に響く提案とは「望ましい状態(Vision(未来)・Happy(価値))をつくるために現状を変えていく」ストーリー
物語には、相手の感情を揺さぶり、記憶に残る力があります。『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏はこんな言葉で物語の力について語っています。
~人類を発展させる一つの原動力となったのが、国家やお金、宗教といった「虚構(フィクション)」を信じる力である。このフィクションを信じる力のおかげで、我々はたんに物事を想像するだけでなく、集団でそうできるようになった~
そんな物語の持つ特徴をつかってみようというのが、この章でお伝えしたいことの1つです。
◆「解像度が上がる」とは聴いている相手がその情景を鮮明に思い描いたり、その提案への共感や、それを実現したいという思いをより深くしている状態であり、語る人の中に強いイメージがある時、そこに臨場感が生まれ
◆自分の心が動いていないのに、相手の心が動くことなどありえない
◆体験というものは、あなたが発する言葉に力を与え、提案の説得力や魅力を格段にあげる
イチローさんが引退後Numberのインタビューでこんなことを言っています。
「同じ言葉でも、誰が言っているかによって意味が変わってきます。だから、まず言葉が相手に響くような自分をつくらなければならないと考えています」
言葉を発するその人の、本気度のようなものが、相手に響く大きな要素であること。だからこそインサイドアウト起点であることが大事なんだとあらためて思います。
◆ビジョンが大きすぎて漠然としてしまったら、一度大きく描いたビジョンの中から、より重要でやる意味を強く感じる部分にフォーカスして、再度ビジョンを描いてみる。これを親ビジョン、子ビジョンという
◆「私はわたしの眼鏡」、「相手は相手の眼鏡」で世界を見ていることを理解した上で相手の真意を問う
相手との共振共鳴を考えた時、自分の中にある思いやイメージの、どの部分を前面に出して語るのか? 相手と響きあうにはどんな言葉を用いたらいいのか?
インサイドアウト起点で描いたイメージを、相手に届くよう工夫するための観点もまたここでお伝えしたいことの一つです。
■おまけ
先日、人生ではじめて”講談”を聞きました。講談師は今人気の神田松之丞さん。語り1つでここまで相手を惹きつけるものなのか?と圧倒されました。興味ある方ぜひ一緒にいきましょう!(笑)