お終活とMrノーバディー
ふたつ同日に見て来ました
全く違うジャンルですが
夫婦の形の違いが見えて面白かったです
感想
お終活
昭和な空気感とテンポの作品でした『名古屋嫁入り物語』ってこんな感じだった気がする
(全然記憶にないけど)
よくある昔のお父さんとお母さん
テンポのいい笑いとちょっといい話
気軽にみられる楽しい作品でした
家族っていいなってぼんやり思える
でもね、あくまでぼんやりなんですよ
この夫婦のカタチって、この世代の描写だから成り立つよなと
そんなことを思いました
あの世代にいい家庭とされてきたものって感じ
映画の中だから楽しくて笑える
最初の葬儀屋のイベントのところがすごい『わかる』おもしろさで
あー、ピースするよねとか
よくわかんないけどアンケート書いちゃうよねとか
母親を思い浮かべて見てた
ちゃんと狙ったところで客が笑って
狙ったところで客が泣いていて、すごいなと思った
日本人の感情のポイントをちゃんととらえてる感じ
コミカルな表現に関してはやりすぎだろってくらいゴテゴテの日本の笑いで、もはや伝統芸能感
全世代の笑いってこういうことかと思いました
泣かせるところも王道で、なるほどと思った
個人的には父親と再会するシーンの水野勝の表情がすごくよかった
硬い感じがすごく自然で、絶妙な空気感だった
松下由樹さんは以前、遺留捜査で遺品整理役をされている時にも思ったけど
人の最後に寄り添うという役柄にすごく説得力があるというか
菩薩感あるなと…(伝われ)
命のことを話す時にとって付けた感じのしない俳優さんだと思いました
橋爪さんと高畑さんはもう…ねぇ
すごい
二人が演じてるから成り立つ部分がすごく多い
それと同時に、こういういい俳優さんが演じてしまうから見えないものがあると思った
あの夫は完全なモラハラ夫であり、微笑ましいものなんて本当は何ひとつない
それでもあのふたりが演じたら最高の夫婦に見えてしまう
俳優の力は恐ろしいと思った
菅野の家族関係もそうで、俳優の表情がいいからすべて解決しているように見えるけど
本当は何も解決していない
言葉にしない美学という昭和の古い価値観で進行している作品だった
制作の関係もあるのだろうけど、夫婦の歴史に子供がいない
それは夫が家族として存在していないことを示している
それでもあの映像ですべて解決しているように見える
言葉のない見せかけの解決は日本にありがちなその場しのぎの和解に見える
そう感じるのは多分この前に見た作品の影響
Mrノーバディ
これがね、すごい言葉にしてたんですよ
夫婦間の言葉
言葉があって初めて関係修復に向かう
これがあるべき形だよなと、個人的に思ってしまったんです
気持ちを言語化するのは難しいけど
でも、気持ちは言葉にしないと伝わらないと思うんです
彼は自分の抑えつけていた思いを吐露することで、本来の自分を取り戻し妻もそれを受け入れる
作品の本題ではないけれど、そういう描写があるのが良かったなと
ここまでで書くことを諦めていたので時間差で公開しました
どちらとも面白かったです
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