直すのはモノだけじゃない。『Assemble with care』感想
はいコンニチワ、悪霊です。ゲームだいすき。
というわけで、今回は『Assemble with care』というゲームの感想を書いていきます。多少のネタバレを含みますのでご注意を。
ゲーム起動するとまずカセットプレーヤーにテープを入れます。その後再生ボタンを押すと、少しザラっとした音質でBGMが流れてから、
タイトルが表示。この演出でもうやられてしまった。基本操作のチュートリアルを兼ねてるのもクールです。
1.あらすじ
世界を旅してアンティークを修理しているマリア。太陽が降り注ぐ町ベラリーバに到着したとき、壊れているのは物だけではないことを、彼女はまだ知る由もありません。
マリアの願いは、町の人々の大切な物を修理すること。けれど、本当に壊れかけているのはそんな住人たちの人生だと気づいたとき、マリアはひとつひとつ修理しながら、バラバラな心をつなぐ方法も見つけ出すことになります。
(steamページより引用)
2.どんなゲーム?
①開始ストーリーを読む
お祭りを控え、活気あふれるベラリーバという町に降り立ったマリア。彼女は修理屋を生業としながら世界を旅しているようで、この町でも仕事を始めます。
そんなマリアのもとに現れる依頼者。皆それぞれに何かの事情を抱え、壊れてしまった思い入れの強い品物について修理を依頼してきます。今回は少女イジーがカセットプレーヤーを持ってきました。
②修理をする
それを受け取り、マリアは修理を始めます。
一見どこが壊れているのか分からないカセットプレーヤー。よく見てみると裏側にネジ止めされたフタがありましたので、まずは外してみましょう。
フタを外すと電池が切れてたみたい。入れ替えましょう。
新しい電池に入れ替えて再度フタをネジ止め。そうすると次は右側に見えるテープを直す作業が必要ですね。
「どうしてそうするの?」という無垢な一言。じぇ、ジェネレーションギャップ……!
巻き直したテープをプレーヤーに入れ、再生ボタンを押すと、歌声が流れ始めました。直ったみたい。
というわけで、修理完了です。よかったね。
③終了ストーリーを読む
修理が済むと、依頼者がその品物にまつわる話をしてくれます。イジーがプレーヤーを直したかったのは、歌声の主が母親だったからなのですね……。
こうして1話終わるごとに、次のお話がアンロックされていきます。これがゲームの流れですね。
3.ここがよかった
まず印象的なのは温かみのある絵画のようなアートワーク。シンプルでカッコいいインターフェースとの合わせ技で、全編画面がすごいオシャレです。
修理の光景もこれだけで静物画のよう。画像では伝わりませんが、常に自然光の加減で揺らめいているような処理がされており、爽やかな作業中の風景が目に浮かぶような錯覚を覚えます。
パズル部分についても結構凝っており、ステージによっては歯車交換や配線入れ替え等、記憶力と構造理解力が問われるようなものも。とはいえ、"やってる感"の演出の範疇に止まっており、詰まってしまう事はまず無いでしょう。コレは人によっては短所とも言えるかも知れませんね。
4.まとめ
新しい町で出会う様々な人が心の奥に抱える問題を、何かを修理していく事で解決していく、心温まるゲームです。プレイ時間はクリアまで1時間半程度の小品ですが、ハイセンスなアートワークや音楽などの雰囲気にピンと来た人は遊んでみて損は無いと思います。
不満点としては、先述の通り、修理パートが物語のエッセンス程度のゲーム性しか持っていない点でしょうか。
こんなに雑な接着剤使いでもペナルティ無し。
また、(おそらく)シナリオ分岐や修理品の変化も無いため、一度クリアしてしまうと完全にする事が無くなるのも人によってはマイナス点になり得るかなと思います。この辺は匙加減の難しい所ですね……。
とはいえ、予想を裏切らない、少し切なくハートウォーミングな物語を、味のある道具達を修理しながら読み進めていく唯一無二の体験が出来るゲームですので、映画や短編小説を味わうような気分で触ってみるのも良いんじゃないでしょうか。遊んでみてね。
5.関連リンク
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