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「経営を組織的に動かせる」会計人材がスタートアップの事業開発で活躍できる理由とは|公認会計士 手塚 正彦氏×SoVa山本 対談

SoVaのメンバーには、公認会計士・税理士・社労士といった専門士業の人がいます。
資格を取得したメンバーや、士業を目指すいわゆる「会計人材」が、スタートアップでどんな活躍ができるのか。

元日本公認会計士協会会長で、現在は一般財団法人 会計教育研修機構 理事長、そしてSoVaの株主でもある手塚 正彦さんと、SoVa代表の山本が対談しました!

一般財団法人 会計教育研修機構 理事長 手塚 正彦 氏
公認会計士として、33年間の監査、コンサルティング経験。2つの大手監査法人のトップマネジメント経験。現在一般財団法人会計教育研修機構理事長。


ー まずは近年の公認会計士のキャリアの築き方や動向について、教えてください。

手塚:今も昔も変わらないのは、論文式試験に合格した方の90%超は監査法人に入るということです。実務経験を積むのに一番いい環境ですから。でもその後の進む道は様々ですね。

昔と今で一番違うのは、昔は会計士の転職マーケットが未成熟で、監査法人を退職して一般企業などに勤務する会計士は少なかったという点。
昔は「普通のサラリーマンになりたくない」という理由で受験する人も多かったですね。

現在、ある監査法人は職員の退職率を公表していて、最近は8%から9%程度です。ある年に入社した試験合格者について、毎年9%の退職率が続くと仮定すると、7年経ったら約半数の人材が退職していることになりますね。

傾向としては、監査法人で実務経験を積んで、3年で修了考査に合格して会計士登録し、そこで先のキャリアを考える人が多いようです。パートナーを目指して監査法人にずっと勤める人が減っているように感じます。監査法人にとっては、人材を惹きつけることがとても重要な課題となっています。

一方で、矛盾するかもしれませんが、これは僕にとってはとても嬉しい気持ちもあるんですよ。
なぜなら、JICPA(日本公認会計士協会)会長時代から、何百人もの監査法人を卒業した会計士と会いましたが、みんな別の業界で活躍しているからです。

その人たちが口を揃えていうのは、「監査法人にいてよかった」ということ。もはや監査法人は、どこでも活躍できる人材を育てる "インキュベーションセンター"という面も持っているんじゃないかなと思いますね。

上場会社、スタートアップ、コンサル、VCなど…みんなその次のステップは様々ですよね。
山本くんみたいに起業する人もいるし。会計士が、とても広い分野で通用することを証明してくれています。


山本:CFOとしていろいろな企業を渡り歩く人もいますし、起業して活躍している人が会計士だった、とか、いろんな方に出会いますね。

手塚:一方で、会計士協会の元会長としては、もっと監査法人にいてほしいなという気持ちも、もちろんあります(笑)

現状として、全体的にパートナーになれる比率が下がっているようです。
10人に1人くらいしかなれない。加えて、パートナーになるまでの期間が長いですね。昔より組織の人数が増えたことが一因だと思いますが、若い人が活躍するチャンスを確保することが監査法人の重要な課題であると思います。

そんな背景もあって、今の会計士資格保持者の人材の流動性はとても高まっていて、いろんな業界に拡がっていっているのではないかと思います。

山本:なぜ公認会計士がこんなにも様々な業界で通用するのか、手塚さんはどう考えていますか?

手塚: 会計士がMBA(経営学修士)と似た知識を身に付けているからかもしれません。

日本の会計士は、会計・税務・経済学・経営学・会社法・コーポレートガバナンス・内部統制など、MBA過程で学ぶ基礎知識を網羅的に習得し、監査を通じて実務経験を積んでいるので、MBAホルダーと同じように経営の全般を見られる存在として、様々なフィールドで活躍できるんだと思います。

山本:確かに。公認会計士を取る際に学んだ範囲はものすごく幅広かったですし、まさに今の経営に活きることがたくさんあるなと思います。


ー 長年たくさんの会計士と関わってきたかと思いますが、改めて公認会計士という資格の強みはなんでしょうか?

手塚:カバー範囲が広くて、会社全体の経営に直結する知識と経験がある、というのが明らかな強みですね。

ちなみにもうひとつ、マネージャークラスになって監査を経験すると、もうひとつものすごい強みを得られるんですが、山本くん何かわかりますか?

山本:"チームマネジメントの視点" ですか…?

手塚:それもありますが、マネージャーは監査を通じて、組織を水平的かつ垂直的に会社組織の全体を見られるようになるということです。

監査においては、経理・財務部門だけではなく、財務諸表に表された数字の源となる部署を水平的に幅広く見ます。製造業なら工場も見に行きますし、営業・マーケティング、購買、研究所や人事とかも見るわけです。

そして、現場の方はもちろん、○○長とか、更には経営者と直接話す機会を持つことができる。そんな風に組織全体を水平的にも、垂直的にも、しかも長い時間をかけて見られる仕事って、実は他にはないと思います。

じゃあ次に、経営コンサルタントと呼ばれる人が、最も求めていることは何だと思いますか?仕事を成功させる上で一番大切なもの。

山本:"クライアントの組織内の状況を、定量的・定性的に捉えられる力" でしょうか。

手塚:それも正しいですね。
さらに言えば、最終的な意思決定権限者と会い、その人が何を考えているかを知ることが大切なんです。

監査をやっていると、社長とは少なくとも年に1回は会える。信頼されればもっと会えますね。スタートアップやIPOを目指す会社なら頻繁に会うでしょう。そこで会話したり関係性を築く経験ができることが強みですよね。

日本では特に、専門知識を使う分野は専門家の仕事だと思う人が多いからこそ、会計士の知識と経験を兼ね備えたプレイヤーは、重宝されるし信頼されるかなと思います

ー 近年、まさにスタートアップで公認会計士が重宝されるなと思う場面を目にしますし、実際にネクストキャリアとしてスタートアップを選ぶ方も増えつつあるような気もしています。

山本:SoVaにも、会計士資格を持ったメンバーが多くいます。
知識と資格を持って、いろんな選択肢がある中で、スタートアップという世界に飛び込む。

上場の準備だけではなくて、事業づくり全般、開発段階から携わるという形は、手塚さんから見ていかがですか?

手塚:事業と組織を作り上げる経験をすることは何にも増して貴重ですし、大企業に行っても宝となります。ぜひ頑張ってほしいなと思いますよね。
会計士資格を持った人が行動することこそが、有意義だと思います。

スタートアップの一番の悩みは、経営を組織的に動かし、PDCAを回してくれる人材がいない、ということじゃないかなと思うんです。

資金調達や、投資家へのレポーティング、そのお作法も知っていないといけないですよね。会社全体の数字をチェックして、問題があれば原因究明して解決する、というPDCAを繰り返さないといけませんが、これを社長が全部やろうとしたら限界がありますよね。

このポジションには、公認会計士が適任だと思うし、こういう人材がいないといけないですよね。
僕がもっと若かったらぜひやりたかったですね。(笑)

山本:まさに上場を目指すんだったら、こういう動きをしていないといけないとか、どんな体制が必要かとか、そういう見方もできますもんね。

起業家はゼロイチが好きで、モノを作り上げて売上を立てることは得意だと思うんですけど、その先に必要なバックオフィス周りまで手が回らなかったり、そもそも知識が無いという場合もありますよね。

手塚:それこそリスクへのアンテナもあると思うんです。だからこそ上場を目指すためにいつどんな対策が必要か、どんな順序で進めたらいいのか、そういうのも知識がないとわからないんですよ。

あとは、金融機関からの信頼感も得られると思いますね。
会計士には、かなりハイレベルな倫理観も求められるので、そういった観点でも、公認会計士のメンバーがいることは、上場を目指すスタートアップにとっても大きな強みになると思います。

会計士資格保有者は全員知っていると思うんですけど、会計士には、守らなければならない倫理規則がありますよね。倫理規則は、会計士に、公共の利益のために行動するという責任を引き受け、全うすることを強く求めています。公認会計士に対する信頼感が、公益的な観点でより一層高まるといいなと期待しています。

ー 最近、SoVa社内でよく自問自答している「社会が良くなるか」という問いにもつながりそうですね。

山本:SoVaがよりスタンダードで、さらに多くの人の使っていただけるようなリーディングカンパニーになった時に、もし、仮にSoVaの品質が他の会計事務所より低かったら、社会全体にとってプラスの価値を生み出したとは言えないと思うんですよね。

手塚:SoVaのHPに載っていた(山本の)代表メッセージがその通りだと思うんですが、SoVaの事業には、社会的意義を感じています。

https://sovagroup.co.jp/about_message/ 画面スクリーンショット抜粋


まずは【中小企業の活性化】という観点。

中小企業の活性化は、長年にわたって重要な国策とされています。中小企業が元気になれば、地域創生にもつながりますからね。しかし、いい経営をして、高い付加価値を生み出して、従業員に高い給与を支払い、顧客も含めて皆が幸せな状況を作り出せる中小企業や中堅企業をたくさん生み出すことはできていません。

この原因のひとつは、専門家の支援が足りないという点です。
人的資源を社内に十分抱えていない中小企業には、経営のPDCAをサポートしてくれる専門家の支援が必要です。また、DXを実現し経営の生産性を高めるプラットフォームも必要です。

SoVaは、プラットフォームと専門家の支援の両方を備えている。SoVaのビジネスには、大きな社会的意義があると思うんです。

山本:企業が行う行為は必ず仕訳という形でアウトプットされます。その意味で、仕訳の集まりである会計情報というのは、その企業を深く理解するための宝の山であり、SoVaがもっとこの情報を分析すれば、より良い事業成長支援ができるようになると考えています。

手塚:次に【SoVaのビジネスの成長性】の観点で言えば、マーケットサイズが大きいことに将来性を感じますよね。ターゲットになる中小企業は、3百万社はある。

ただこの規模の会社は、サービスのマネタイズが難しいという課題はあるんですが、なんせ顧客の母数が多いので、皆がSoVaを選ぶようになったら、ものすごいビジネス規模になりますよね。

SoVaを選ぶことでチャットツールもクラウド会計も導入することになり、顧客のデジタル化を進めることにもなるし、専門家の知識も集約しているので、今後はコンサル的な要素がさらに磨かれていくんじゃないかなと、勝手に予想をしています。

ー ありがとうございます。公認会計士のキャリアについて色々な観点で伺ってきましたが、最後にSoVaの採用についてもお話しさせてください。

山本:SoVaでは、資格保有者に限らず、会計・税務や監査などの経験を積んだ方の募集を現在強化しているんですが、今後大きな挑戦をしたいなと考えている方に、ぜひ関わっていただきたいなと思っているんです。

手塚:今一番必要とされているのは「自分がどれだけ成長できる環境か」ということだと思うんです。会計を学んだ人=基礎知識を持っている人たちなので、SoVaでどれだけ成長できるかを描けるといいですよね。

僕がクライアントと向き合うときに一番大切にしていたのが、「目の前の会社をいい会社にしよう」ということです。
クライアントに対して厳しいフィードバックをすることもありましたけど、「いい会社」にするには必要なことだと思うんです。

そんな使命感を持って働いている方には、ぜひSoVaを検討していただきたいですね。きっと自分が成長できるし、お客さんから「ありがとう」と言っていただけると思います

山本:仰る通りですね。まさに同じことを考えていて、社内で定めている行動原則に「お客さんにとっての本質的な価値を追求する組織である」という基本原則があるんです。

お客さんから「ありがとう」と言って貰えるような、そんな存在になっていく"自己成長を実感できる"環境を、SoVaではこれからも創り続けていきたいと思っています。

SoVaの成長は、メンバー個々の成長と、お客さんの成長にかかっています。
お客さんの事業成長に、そばで伴走していくことがきっと世の中を良くしていくので、同じ気持ちでこのスタートアップの事業開発をさらに推し進めてくれる方にジョインしていただきたいです!


手塚さん、ありがとうございました!

たくさんの会計士と向き合ってきたからこそわかるキャリアづくりの考え方や、会計知識を持っている方の強みについて、とても細やかにお話しいただきました。

まさに今、私たちが仲間になっていただきたいと考えているのは、お持ちの専門知識を最大限に活かし、世の中に新しい仕組みや価値を生み出したいと考えていらっしゃる方です✨

「会計事務所業務の最適化、効率化の仕組みを作りたい!」
「挑戦者を支える土台をつくりたい!」
「お客さんの成長をそばで支え "ありがとう" と言ってもらいたい!」

こんなお考えの方は、ぜひSoVaにジョインしてみませんか?

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◆参考:メンバーインタビュー



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