揺れる兵庫県を、誇れる兵庫県に
兵庫県の知事選が終わった。
これほどまでに全国的に注目されたのは初めてではないだろうか。
パワハラ、文書問題で知事が不信任決議を受けて失職した兵庫県——
そんなニュースがNHKの全国版で取り上げられて驚いた。
結果は各紙が伝えるとおり、失職した前知事が返り咲いた。
結果について納得するしないは、各人の主義主張によって分かれるだろう。
ただ、他府県の人にはやや不可解かもしれない。
実際、僕も選挙期間中に東京の人から「もし前知事が再選されるようなことがあれば、兵庫県民の見識が疑われるね」と言われた。
あぁ、そういうふうに見られているのだ…と思わざるを得なかった。
とある県の知事選が全国的に注目されるというのはそういうことなのかと。
前知事にパワハラがあったかどうかは僕には分からない。
県職員の自殺の理由が知事にあったかどうかも僕には分からない。
僕だけではなく、多くの兵庫県民にとってそこの真偽は分からないままだ。
調査によると、実際その問題を重視して投票した県民は少数だった。
僕は先日の衆議院議員選挙で出口調査の仕事を引き受けた。
誰に投票しましたか?と投票所の出口で訊ねるあれだ。
兵庫県の投票所だけ、もう一問つけ加えられていた。
「前知事のこれまでを評価しますか?」
出口調査は何を選ぶか見てはならないことになっているが、結構多くの人が声に出しながら回答する。
「〇〇党に入れたで」とか「あの人イケメンやから入れちゃった」とか。
知事に関する設問にも多くの人の心の声が漏れる。
それを聞いて僕は、前知事の返り咲きを確信した。
声の多くが「利権にまみれた県庁に立ち向かった知事が足元をすくわれた」というものだったのだ。
今回の選挙は序盤劣勢だった前知事が終盤挽回したと報道されているが、僕が出口調査をしたのは県知事選が始まるずっと前のことだ。
県民の中に、以前から県庁への不満が根強かったことが浮き彫りになった。
県庁というか、利権や県税の上にあぐらをかいた県職の重鎮への不満。
そこに審判が下ったのか、別の要因だったのか。
とにかく勝敗は決した。
僕自身の賛否はここでは述べない。
ただ決まったからには、新知事たる前知事には全身全霊で兵庫県政のために尽くしてもらいたい。
ただそれだけだ。
揺れる兵庫県を、誇れる兵庫県にどうかしていただきたい。
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かみさんの不調がずっと続いているので、久しぶりに息子の弁当係。
うぉぉ、何詰めたらえぇんやー
(2024/11/18記)