神戸おでかけコース「神戸おでかけティップス」~鉄道150周年~
昨日、神戸駅と大阪駅が沸いた。
明治7年5月11日に神戸~大阪間で鉄道が開業してから150年の記念すべき日だったのだ。
日本の鉄道の嚆矢・東京(新橋)~横浜(桜木町)に遅れること1年7か月。
政治の中心地〈東京〉⇔外港〈横浜〉を結ぶ路線、経済の中心地〈大阪〉⇔外港〈神戸〉を結ぶ路線が優先的に敷設されたのだ。
当時の日本にとって世界とつながる港がいかに重要だったかが分かる。
福原遊郭(左図)に立ち退きを求め、そこに日本一といわれる広大な初代神戸駅ができた(中央図、赤点線で囲ったエリアを神戸駅と呼んだ)。
その後、西へ延伸することになって神戸駅は付け替えられ(右図)、初代神戸駅は湊川駅と改められて荷役だけを行ったが、時代の流れでそれも廃止され、その広大な跡地は現在ショッピングやアンパンマンミュージアムで賑わうハーバーランドとなったのだ。
日本の鉄道といえばどうも東京が中心に思えるが、明治初期の鉄道はほとんど関西が中心で、国の鉄道局もこの初代神戸駅の敷地内に置かれていた。
東北本線や常磐線など現在のJR東日本の多くの路線は、当時、日本鉄道という私鉄が運営していたが、その技術支援はここ神戸から行っていた。
港と直結して東京に大量の物資を運ぶ必要のあった東海道本線が東京~神戸であるのはこのためだ。
神戸以東は東海道本線、神戸以西は山陽本線となる。
この写真含め、神戸駅については過去のこの記事にも詳しい。
せっかくだから、この過去記事中にもある「貴賓室」について少し触れておこう。
貴賓室とは皇室が利用する特別な部屋のことで、改札を通らずにホームに行くことのできる特殊な構造を持っている。
東海道本線の終着駅である神戸駅にはこの貴賓室があった。
あった——そう、過去の話。
新幹線が開通して貴賓室は新神戸駅に移されたのだ。
ではその旧貴賓室はどうなったか。
しばらく駅長室として使われた後、玉座が撤去され(現在、京都鉄道博物館の倉庫に眠っているらしい)、飲食店の一部となった。
しかしそれもコロナ禍で閉店に追い込まれ、そこからしばらく利用されずに放置されていた。
このまま潰されてしまうのでは…と正直気を揉んでいた。
ところが先日、朗報が転がり込んだ。
スタバが貴賓室を客室として活用するというのだ。
スタバといえば北野異人館をリノベーションして活用していることから分かるように、古きよきものを大切に新しく使うことに長けたカフェ。
きっと神戸駅の旧貴賓室も悪いようにはしないはず。
そんな期待をもって開業を待った。
シャンデリアや暖炉は貴賓室だった頃のまま、椅子やテーブルのみ内装に合わせて新しく導入された。
室内のレトロな雰囲気は神戸新聞が公開しているYouTubeが分かりやすい👇
この動画の34秒あたりから映る2Fの特徴的な窓枠も、神戸駅ができたときからのものらしく、全部いいな。
あぁ、貴賓室行きたい。
空襲を耐えたこの貴賓室に漂う空気を吸い込んでみたい。
次の〈ぐるめぐる神戸〉で行ってみようか。
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ひとまずの〆切は5/31。
その後もしばらく受付は継続するつもりだが、5/31の段階でまずまず人数が集まっていたらそこで打ち切りとなる可能性もある。
あとでキャンセルはできるので、行けそうな人は早めにお申込を!
(2024/5/12記)
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