大学練習室あれこれ

練習室

 音楽大学には、練習室があります。種類としては、以下の3種類に分類される大学が多いのではないでしょうか。
 ・個人練習するための「個人練習室」
 ・室内楽やピアノ合わせなど、小編成の練習を行う「合わせ部屋」
 ・オーケストラの授業やリハーサルを行う「練習ホール」
 広さは学校によってそれぞれだと思いますので、私の記憶にある練習室の話をしようと思います。

個人練習室

 個人練習室は広さ2畳ほど。カプセルホテルのように、大学校舎の廊下にズラリと並んでおります。扉には覗き窓が付いていて、3人入ればギュウギュウ(たまに弦四合わせを行う強者も)。部屋の中にはアップライトピアノと長机、椅子はピアノ椅子も含めてあったり無かったり。話し声こそ聞こえないものの、隣で何の楽器をさらっているのか、何の曲をさらっているのかは割と筒抜け。しかし自宅で練習できない学生にとっては貴重な個人練習の場でした。

合わせ部屋

 ピアノ五重奏なら余裕でできる、主に2人以上の合わせを行うための部屋。グランドピアノを置いている確率が高かったです。空いていれば特に手続きせず使えるけれど、予約必須、使用時間の上限は一人2時間。予約の方法は「廊下に貼ってある使用予定表に、希望時間帯と共に学籍番号と名前を書き込む」。平成18年(2006)の段階ではまだ紙の学生証だった母校、今はスマホか何かで予約するようになっているのでしょうか。

練習ホール

 門下の試演会、実技試験、学生の自主公演、大学祭の演奏会、新歓(新入生歓迎演奏会)、入試、学生オケの授業など、ありとあらゆる場面で使用されるホール。第1~第6ホールまでそれぞれ規模や設備が違い、控え室や録音設備のあるホールや、能舞台が設置されたホールもありました。授業だけでなく演奏会会場としての使用機会も多いため外部の方の出入りがあり、大学施設としてはオフィシャルな場所なのではないかと思います。

練習室の数

 コントラバス専攻を除いて器楽科弦楽器専攻の学生が使えた個人練習室は、部屋のある校舎の2階と3階のみ。1階は声楽科のレッスン室、4階は暗黙のルールで管楽器のみ使用できる場所となっておりました(入学して最初期に教わったのはこのルール)。
 1つの階にある個人練習室は10部屋ほど。途中からホール棟という校舎が完成しましたが練習室の数は数えるほど。弦楽器だけでなく邦楽科も使用することがあります。学生の数に対して足りるはずがなく、練習室はいつも争奪戦でした。

練習室が取れなかったら

 練習したい、しなきゃいけない、いやむしろ切羽詰まっている。
 普段でさえ確保が大変な練習室、実技試験や門下の試演会の前は当然のことながら塞がっていることがほとんどです。授業が行われない放課後に限られますが、寸暇を惜しんで練習したい時は空いている講義室を練習室代わりに使用していました。
 講義室はソルフェージュや楽典、語学など実技以外の学科授業が行われる部屋。和声の授業などで使用するためのグランドピアノが設置されており、譜面台が1、2本置いてあることもありました(音大だからか、どこかしらに必ず譜面台はある)。見つからない場合は練習室から運んだり、ピアノの譜面台か、机を代用します。

講義室すら使えなかったら

 放課後なら空いていると思いきや、使いたいときに限って意外と空いていないのが講義室。そんな時は個人練習室が空く瞬間を狙いながら友人と廊下でたむろしたり、練習を諦めて帰るか人が減る夜を待って学食に行くか、図書館へ行くのでした。

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