無本番・練習日記2021年2月15日~2021年2月21日

2021年2月15日(月)
音階(C-dur , a-moll)
カイザー:36の練習曲 Op.43
シューマン:『おとぎの絵本』
 公開レッスンを受講する決心がついたので、本格的にシューマン『おとぎの絵本』を練習し直すことにする。うかうかしていたらあっという間に一か月経ってしまう。
 時間の都合で今日の練習はモダンヴィオラのみ。
 音階とカイザーの2番で準備運動。『おとぎの絵本』は3楽章メイン。
“Schnell(速く)”ってどのくらいの速さなのよ?
何でわざわざ6連符じゃなくて、16分音符の3連符×2なのよ?
なんでこんなに弾きにくいのよ?
ヴィオラ譜だけを見てさらっていても解決策は見出せないと判断し、ピアノ譜を開く。そういえば前に弾いた時は自分が弾くのに精一杯過ぎて、ピアノの動きはほとんど把握できていなかった。楽譜が変わると視界が変わる。わざわざ16分音符の3連符×2で書かれれんしゅうている理由は、何となくわかった。同じ「速い」でもニュアンスが違いそうな“Rasch”と“Schnell”の違いは、後でドイツ語辞典に頼ることにしよう。
 残った時間で、やはりピアノ譜を使用して2楽章を見る。“Lebhaft”の意味も調べないと。書き込みが無い辺り、前回弾いた時は意味もろくに調べず演奏していたものと見える。ピアノパートを想定しながら弾いていたら次第に頭が混乱してきたので、途中で切り上げ練習終了。

-------------------------------------------------------------------

2021年2月16日(火)
音階(C-dur)
クロイツェル:42の練習曲
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
カイザー:36の練習曲 Op.43
シューマン:『おとぎの絵本』 Op.113
 バロックヴィオラはカールフレッシュのC-durとクロイツェルの8番のみ。曲は弾かず。近くにある目標が全てモダン楽器なので、一番近い本番が3か月後のバロックの練習がどうしても緩くなってしまう。
 モダンヴィオラは少し多めに時間を取る。音階の後クロイツェルの2番、カイザーの2番・3番と36番。バロックヴィオラの練習が準備運動代わりになり、この辺りはとてもスムーズ。
 『おとぎの絵本』は今日も2・3楽章から。2楽章はどうしても16分音符と3連符の違いがいまいち出ないのと、気が付いたらメリハリのない状態で弾いていることから、特に付点8分音符の後の16分音符の扱いについて再考することにした。メリハリがなくのっぺりしていたら、ピアノが入っても恐らく“Lebhaft”にはならないだろう。3楽章は主に弾き間違いの確認。“Rasch”といったって、ただ水を流すように速く弾くというのではないらしい。そして“Mit springendem Bogen”の表記。弓を実際に跳ばすのか、それとも跳ばしたように聞こえるように弾くのか。「?」マークが後から後から出て来る。1楽章と4楽章も見たいのに、なかなか練習が前に進まない。
(余談)昨日就寝前、そういえばこの曲をちゃんと聴いたことがなかったことに思い至り、いくつか演奏を聴いてみることにした。その結果、演奏は十人十色。これは自分で勉強して演奏するしかないと結論を出した。同時進行で調べられるものは調べておく。今では最初の段階でやるであろう作業をいかに怠っていたかが今更ながらわかる時間。「シューマンの人生で最後の方に書かれた曲」としか認識していなかったのよね。それにしても家に居ながらにして色々調べられる。便利な世の中になった。

------------------------------------------------------------------

2021年2月17日(水)
セヴシック:ヴァイオリン教本 Op.2 Part1
音階(C-dur , a-moll)
シューマン:『おとぎの絵本』 Op.113
音階(G-dur)
仕事の譜読み
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
 モダンヴィオラから練習。セヴシックの3番のロングトーンと音階で準備運動をした後、『おとぎの絵本』4楽章を見る。以前弾いた時かなり苦戦したものと見られ、松葉(<>)をはじめとした書き込みが至るところに見られる。「書き込み」というものには無言の強制力のようなものがあって、よほど意識しないと、自分で考える前に書き込んだ指示に従わされてしまう。年月が経ってから練習し直すときにその書き込みが思考の妨げになるのは言うまでもない。書き込みが懐かしく感じられるのは自分がその曲と完全に仲良くなれた時か、第三者として作品に触れている時だろう。今回も御多分に漏れず。過去の書き込みを懐かしんでいる余裕は、まだない。
 モダンヴィオラの後は、ヴァイオリンを少し練習。音階と、仕事で弾く予定の短い曲を数曲。ひと頃のように「ヴィオラの音がするヴァイオリン」ではなくなったけれど、弓の運びや力加減は全く違うので、慣れるまでに少し時間を要した。E線は細いなぁ。音が高いなぁ。下線がたくさんある音符もすっかりご無沙汰となってしまったため、鉛筆で線を数えながら音高を確認するのはいつものこと。ヴァイオリンの人達はこういう線が多い楽譜をパッと読めてしまうのだから、慣れとはいえすごい。
 最後にバロックヴィオラ。ジェミニアーニの2番・7番・9番で最近サボりがちだった基礎練習を行う。3種類の楽器を連続して弾くのは初めて。音の出し方(主に弓への力の掛け具合)がそれぞれに違っていて、楽器も自分自身もお互いに慣れるまでどのくらいの時間が必要なのか、それを知る良い機会になった。
 練習を終え、ケースに楽器をしまってから気が付いた。
 しまった。ホフマイスターさらってない。

--------------------------------------------------------------------------

2021年2月18日(木)
セヴシック:ヴァイオリン教本 Op.2 Part1
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
仕事の譜読み
セヴシック:ヴァイオリン教本 Op.2 Part1
シューマン:『おとぎの絵本』Op.113
 諦めていたら、練習時間が確保できた日。まずヴァイオリンから。セヴシックの3番でロングトーン、ジェミニアーニの9番で楽器を鳴らす。ヴィオラが活動のメインになっているので、ヴァイオリンの基礎練習をやるのは本当に久しぶり。ついでにやっとト音記号
を5度下げてヴィオラ用に読み変えるのではなく、記譜通りの読み方でジェミニアーニの教本を弾いている。4番線になると反射的に弦を掘るように音を出していることは、レッスンで弾いているだけでは気付けなかった。完全にヴィオラの、C線仕様の力加減になっている。ヴァイオリンの4番線はG線だ。C線ほど太くない。細いE線にばかり注意が行っていたが、ここも自覚しておこう。
 しばらくヴァイオリンを弾いていたら、ヴィオラに切り替えた時しばらく楽器が鳴らなかった。やはり見た目は似ていても、箱(楽器本体)の鳴らし方は違うらしい。ついでに弾いているうちに音に対する考え方が変わってくるのも興味深いところ。今度はヴィオラでセヴシックの3番と6番を弾き、頭と体の切り替えを促す。ある程度弾いたところで『おとぎの絵本』へ。1楽章と4楽章を主に見る。一晩寝る度に記憶がリセットされているかの如く全体的に苦戦しているこの作品、シューマンは恐らくピアノで曲を考えていたであろうことを想像したら、何となく雰囲気や音の形が飲み込めてきた。少なくとも弦楽器の都合で不便と思っていた部分は、便利になることはなくとも苦痛に感じることはなくなった。前回ピアノと馴染まずに結局終わってしまったのも、きっと「弦楽器を弾いている」意識とこだわりが強かったのだろう。3楽章は相変わらず引っ掛かるけれど、楽譜の黒さから来る妙なプレッシャーもこれなら何とか出来る気がする。

--------------------------------------------------------------------------------

2021年2月19日(金)
演奏収録の仕事のため練習お休み。
(余談)今までオーケストラの一人として収録に参加したことはあっても、まるきりの一人で収録に参加したのは今回が初めて(他パートは録音済み)。演奏した楽器はヴァイオリンとヴィオラ。出してしまった音が弾きっぱなしにならず、記録として残ってしまう緊張感は今までに経験のないものだった。そして弾いたばかりの演奏をすぐ聴く恐怖。普段の録音でさえ、肚を決めて聴くまでに数日要する時があるというのに。
一つ勉強になったのは、他パートが電子楽器であったとしても、それが演奏会の本番でなく収録スタジオであったとしても、アンサンブルすることは必要で基本であるということ。マイクの位置・耳の場所の距離が普段より近いことで、要求される音が違うということはあるけれど。あんなに細かく音が拾われてしまうとは思わなんだ。

----------------------------------------------------------------------------

2021年2月20日(土)
合わせのため個人練習お休み。
 (余談)ホフマイスターの『フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏』初合わせ。直前に違う曲をダウンロードしていたことが発覚し、フルートの人に楽譜データを送ってもらい印刷したのが一昨日。結局練習できず、二人で初見大会となった。初見大会も久し振りだ。ヴィオラ奏者にとってF.A.ホフマイスターといえば『ヴィオラ協奏曲』。ホフマイスターのヴィオラ協奏曲は入学試験にオケの入団オーディション、とにかく「受験」となると避けて通れない作品。そして出くわす頻度の割に、いつまで経っても馴染み切らない作曲家。試験だと数分で切られてしまうからだろうか。曲の頭から終わりまで弾くことがあまりないせいかもしれない。
 私自身も協奏曲と練習曲のイメージしかなかった作曲家。まさかFl.との二重奏があるとは思いもしなかった。今日の印象は、華やかな刺繍の入った民俗衣装をまとった、10歳くらいの女の子のような可愛いらしさ。ホフマイスターの違う一面を見られて、想像力を大いに刺激された。
 新たな目標が出来たのもありテンションが上がる。さて、明日からさらうぞ。

---------------------------------------------------------------

2021年2月21日(日)
音階(C-dur)
クロイツェル:42の練習曲
F.A.ホフマイスター:フルートとヴィオラのための3つの協奏的二重奏曲
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
音階(C-dur , a-moll)
シューマン:『おとぎの絵本』Op.113
 昨日初見大会だったホフマイスターをさらうべく、バロックヴィオラから練習開始。音階を弾き、クロイツェルの2番で準備運動。そして改めて、ホフマイスターのフルートとの二重奏曲(2番)に向かう。ところどころにホフマイスターを感じる。ドヴィエンヌも難しかったが、ホフマイスターも難しい。両者、難しさの方向性が違う。一昨日の収録でも感じたことだが、音数が少なくても、初心者向けでも、演奏が簡単な作品なんてないのかもしれない。
 もう一つのホフマイスターは演奏会で弾く曲選びと時間計測を兼ねて。と思っていたら、過去に大学の年度末試験で演奏曲候補に挙げていたらしい。曲終わりにしっかり演奏時間のメモが残されていた。6分オーバーしていたら別の曲にしようと逃げる気満々でいたのに、ちょうど良い具合の時間。これじゃ逃げられないじゃないか。「練習曲」だけれどホフマイスターのヴィオラ協奏曲によく似た4番。まずはフルートの人に提案か。
 モダンヴィオラは音階と『おとぎの絵本』3楽章。困ったことに途中で猛烈な眠気に襲われ、3楽章の細かい音符をゆるゆると練習しただけで終わってしまった。夢うつつで楽器は弾けるけれども、それが記憶に残らないのは練習として効率の悪さを感じ、中断。明日からまた頑張ろう。

いいなと思ったら応援しよう!