無本番・練習日記2021年5月3日~5月9日
2021年5月3日(月)
ドヴィエンヌ:フルートとヴィオラのための6つの協奏的二重奏曲
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
カイザー:36の練習曲 Op.43
シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ(1楽章)
ここ1ヶ月くらい、D線だけやたらと調弦が落ち着かないので気にはなっていた。空気の乾燥のせいかとも思っていたが、弦の不調も調弦の頻度に一役買っていたようだ。ちょうど弓の毛が当たる部分が解れてそそけ立ってしまい、ガット弦のすね毛とも言える存在は弓の毛を数本確実にキャッチ。この弦を無理に使い続ければ弓にまで影響が及びかねないため、やむなく弦の張り替えを行うことになった。一つ前に使っていた古い弦はそこまで傷んでおらず、再利用することができたのが幸い。とはいえ5月の連休明けの本番まで保つように張り替えた弦だったので、本番も再々延期になってしまった今は若干悔しく、新型コロナが憎らしい。
まだ慣れないガット弦の張り替えを何とか無事に済ませて、ドヴィエンヌの二重奏のVaパート譜を数か月ぶりに取り出す。今日は2番のみ。確かあと一曲は3番だったか。譜読みの段階はとうに済んでいるため「楽譜を見る」練習が中心となる。やはりホフマイスターとは楽譜から受ける印象と、弾き心地が違う。曲全体を一通り練習したところで、ホフマイスターの練習曲1番へ。こちらも楽譜を見て、そこから情報を得る練習。
楽譜を見ることによってそこから情報を得る練習は、自分が何に留意して練習しているのか、ふとした瞬間に分からなくなってしまうのが難しい。「見る」という行為は日常的である分、「敢えて見る」となると集中力を使うのかもしれない。しかもスマホやタブレットで、集中力を持続させる力は落ちている。
ホフマイスターを練習後、弦の張り替えのため5分に1度の調弦を余儀なくされたバロックヴィオラから、モダンヴィオラへ。カイザーの17~19番を弾き、アルペジオーネ・ソナタをさらう。
楽譜の書き込みが多いの見づらいのと、直接吟味して楽譜が買えないこのご時世そんなことは言っていられない。今手元にあるもので、何とかしようと考えの方向転換を行った。譜面の景色は(書き込みも含めて)何とか歯が立ちそうな気がする。ただしフィンガリングは再考の余地あり。
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2021年5月4日(火)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
ドヴィエンヌ:フルートとヴィオラのための6つの協奏的二重奏曲
カイザー:36の練習曲 Op.43
クロイツェル:42の練習曲
昨日弦の再利用を行ったバロックヴィオラが心配だったので、様子見も兼ねてそちらから練習開始。ジェミニアーニの8番を弾いて、ホフマイスターとドヴィエンヌをさらって……と考えていたが、ジェミニアーニの1ページ目1段目でつまずき、時間のほとんどはジェミニアーニに費やすこととなった。基礎をしばらくやっていなかったツケなのかどうかはわからないが、とにかく最初が弾きづらかった(替えた弦のせいでないことは確か)。最終的に色々諦めて、ようやく苦しいところを抜け出したというところ。ホフマイスターまで時間が持てなかったため、ドヴィエンヌの3番を軽く一度通して楽器をモダンへ持ち替え。ドヴィエンヌの3番はまた新たに時間を設けることにしよう。
モダンヴィオラはカイザーの19~22番。昨日うやむやにしていた「弾けるけど何となく弾けない」部分の練習から行った。ただこの練習曲集、使いやすいが一曲が短いため、時折長いものも弾かないと演奏体力が落ちてしまう。それを危惧して、クロイツェルを選んだ。ただしどういう風の吹き回しか、23番。カデンツァのような見た目で、ヴィオラで弾くという意味では一番馴染みのない番号かもしれない。視力検査のように小さく細かく書かれた装飾音をどう入れたものか。ヴァイオリン時代にどう教わったかも覚えていなかったため、ほぼ初見という状態で挑むことになった。音符が小さくて、単純に見えない。本当に視力検査だ。音符を注視するだけでなく、調性や和声感の変化にもアンテナを張ることが肝要と気付く。それでないとどこを弾いたかわからなくなるし、目が疲れてしょうがない。
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2021年5月5日(水)
音階(C-dur , a-moll)
クロイツェル:42の練習曲
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
演奏に「教科書的な正解」を求め、それをなぞるように演奏してしまう時がある。そういう時は大体、楽譜のあるなしに関わらず「現在(いま)」と向き合えていない時。練習も悪戦苦闘の四苦八苦、苦しい時間となる。
「音楽に正解はない」とはよく聞く言葉だけれど、正解は多分あるのだ。正解というよりも「ハマる」というニュアンスの方が近いかもしれない。
「誰かの地雷は、誰かの主食」という言葉があるように、カレーや唐揚げが嫌いという人がいるように、万人向けの正解がないだけだ。
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2021年5月6日(木)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
音階(C-dur , a-moll)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番
しばらくぶりにそれぞれの楽器のためのまとまった音出し時間が取れた。今日の練習はとにかく「出した音が音楽にハマっているのか」常に自問自答しながら行うことにした。音がハマれば(特にバロックヴィオラの方は)楽器は音を出してくれるので、その他のことは何も考えない。敢えて何かをしようとすると、音が鳴らない瞬間が多いことが判った。「気は遣うものではなく、配るもの」というところだろうか。
ジェミニアーニは8番、ホフマイスターの練習曲は2番→1番→4番の順にさらう。最近本番での演奏を想定して1番ばかりさらっていたので、他の番号にも目を向けてみることにしよう。4番はヴィオラ協奏曲に似ているだけあって、少しハード。さらい応えがありそうだ。
モダンヴィオラは音階にも少し時間を割き、弾き流さず、音が最適な場所に置けているのかこちらも確認を行う。音階の後はレッスンの予習も兼ねて、無伴奏チェロ組曲4番の3曲目Couranteを中心に練習。この曲はまだ自分の中でも腑に落ちていない曲。練習できる今のうちに、何とか腑に落とそう。とりあえず重音の扱い方と、距離のある音間の扱いについて考えてみようか。
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2021年5月7日(金)
ジェミニアーニ:ヴァイオリン教本 The Art of Playing on the Violin
ドヴィエンヌ:フルートとヴィオラのための6つの協奏的二重奏曲 Op.5
F.A.ホフマイスター:ヴィオラのための12の練習曲
今日は結果的にバロックヴィオラのみの音出しとなった。全体的に「音がハマっているかどうか」を第一に練習を進める。他の楽器がどうかは分からないが、私が使っているバロックヴィオラはその場にそぐうものでなければ、音を出してくれない。妥協はなく、そこを無理に出そうとすれば音がひっくり返るという具合なので、面倒と言えば面倒。楽と言えば楽。
ジェミニアーニの9番を弾き、ドヴィエンヌの二重奏は2番と3番。空気が湿っていることもあり、あえて強弱記号で表現しようとはせず、楽器の響きに任せることにした。3番は今年頭に動画を作成している。次に合わせた時どういう風になるかはその時までの楽しみに取っておいて、合わせの目途が立たない今は柔軟に対応できることを目指して練習を進めることにした。今度こそ、音を出すだけに終始する演奏にはするまい。
ホフマイスターの練習曲は1番を暗譜で弾き、続いて楽譜を見ながら2番と3番。ある程度番号が進んだら、追いかけるようにモダンでも最初の番号から弾いてみよう。
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2021年5月8日(土)
他用のため練習お休み。
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2021年5月9日(日)
他用のため練習お休み。
(雑感)本番当日の予定であった日というのは、やる気が起きないものらしい。前もって中止延期が判明していたとしてもそれに向けて整えていた心身のペースは乱れるわけで、当然といえば当然か。
緊急事態宣言がなければ、コロナがなければ6日7日にリハ、今日が本番当日だった。ついでに言うなら来週も違う場所と団体で本番があるはずだった。3月のヘルツォーゲンベルクの本番以降再び雲行き怪しいことこの上ないコロナ禍。次に本番ができるのはいつなのだろう。