十八番

 いわゆる「十八番」が減っていく不思議。
 演奏の現場に加わるようになって、学生から数えること早20年あまり。「これが十八番です」「これが得意です」と言えなくなっていることに気付きました。主な活動ジャンルというか、守備範囲というか、そういうものは確かにあるのですが、到底十八番とは言えません。「弾いたことあります」くらいなら訊かれた場合に限って言うかもしれないけど。
 譜読みの手間が徐々に減っていくことは確かなので負担が軽減され、余分な緊張からは解放されるでしょう。
 でもそれだけ。
 ひょっとして十八番は他者評価の一つなのでしょうか。

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