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音楽にするには周期性の意識を

音楽は周期的なパターンでできていることが大半です。時に建築に例えられるように、同じような形の周期的な組み合わせで小さな造形ができて、その集合で、大きな造形が生成されます。

こういった大小の周期がリズムとも言えます。ヴァイオリン教育ではリズムについての指導は多くないものですが、リズムこそが音楽を生かしも殺しもする最も重要な要素のひとつです。

リズムというと「1・2・3・4・」と都度立ち止まるようにイメージされがちですが、歩くのと同じような周期的に動き続けるイメージに捉えると音楽的になります。

すなわちリズムを回転する円のような周期に捉え、例えば4拍子なら大きな回転する円の中に4つの小さな回転する円がある、と考えるのはリズムを音楽的にする上で有用です。太陽の周りを回る惑星と惑星の周りを回る衛星のイメージです。

和音の変化も所定のパターンが所定の周期で循環することが多いもの。スラーの付き方などボウイングのパターンも周期的にできていることが多いもの。さらには小節内だけでなく4小節や8小節ごとの周期やさらに大きい単位での周期もあります。

演奏というとその場での感情任せのフィーリングのようですが、それは演奏の一部に過ぎません。曲に埋め込まれている様々な周期に気づくと、曲の構造を認識でき、構造が認識できれば演奏として再構築することがやりやすくなります。感情ではなく構造の再構築が音楽的な演奏とも言えます。

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大人向けのヴァイオリン教室を東京都と愛知県で行なっています。

2005年より20年間「ヴァイオリンがわかる!」というインターネットサイトにてヴァイオリンにまつわる記事を書き続けています。

だいぶ前ですが、出版社さまからご依頼頂き「まるごとヴァイオリン」青弓社という書籍を出版させて頂きました。


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