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指先が固くなるのは何かがおかしいです
ヴァイオリンの弦を押さえる指先の皮が固くなっているケースがあります。昔は「指の皮が固くなってからが練習の始まりだ」なんて言われたこともありましたが、これは押さえ方・力加減・ヴァイオリンの整備具合など、何かがおかしいことを意味します。体質にもよりますが、指先はほとんど固くなるものではありません。
昔の指導でよく言われた「指先で押さえなさい」は、西洋人の手の大きい人向けの指導をそのまま持ち込んだのか、それとも三味線のフィンガリングの発想だったのかもしれません。けれども、かなり昔の映像を見ても指を完全に立てて押さえる名演奏家はほとんどいないように思えます(むしろ寝ています)。
左指を立てて爪に近い指先で弦を押さえると、固くソリッドな音が出ます。逆に指の肉厚な箇所で押さえると柔らかくソフトな音が出ます。
どちらも使いますが、大きな手の方でなければ、立てて押さえると音はノイズの多いザラついた印象になりますし、4の指の音程は下がりがちになります。特に手の小さい方の場合は指の腹で押さえるつもりの方が音色・音程ともに有利に働きます。
力加減も左指で強く固くガチガチに押さえるのは望ましくなく、大半のシーンでは左手全体を柔軟にした方が音色・音程ともに有利です。ふくよかに広がる豊かな音色を求めるなら左指の圧力は最小限が理想的。逆に突き刺さるような音(こういう音も使う)を求めるのなら左指は強く押さえます。
ヴァイオリンのナット(上駒)の調整が悪く、ナット側の弦高が高過ぎると必要以上の力で押さえて弾かなければいけなくなります。適切な整備をしてあれば、左指は「押さえる」程の力ではなく「落とす」「乗せる」程度で充分です。
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↓以下宣伝で恐縮です。
大人向けのヴァイオリン教室を東京都と愛知県で行なっています。
2005年より20年間「ヴァイオリンがわかる!」というインターネットサイトにてヴァイオリンにまつわる記事を書き続けています。
だいぶ前ですが、出版社さまからご依頼頂き「まるごとヴァイオリン」青弓社という書籍を出版させて頂きました。