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ローコスト弦アルファユーは安価なヴァイオリンにはお勧め
ヴァイオリン弦の値上がりには驚かされます。自分自身はこれまで多くの種類の弦を試してきましたが、これほど値上がりすると「色々試して良い弦を見つけて」とは言えるものではありません。教わる側に過度な経済的負担を与えないように配慮することも教える側の重要な役割なのです。
うちではドミナントのADG線を標準に考えていますが、さらに安価な弦にトマスティックのローコスト弦にアルファユーというものがあります。出はじめ当初は批判的な意見も見られましたが、これは全然悪くありません。ヴィジョンやペーターインフェルドに近いやや硬質な現代的な音ですが、特に弱点はありません。
アルファユーは安価なヴァイオリンを充分に鳴らす特性があります。安価なヴァイオリンにはむしろドミナントよりも優れた特性です。こもりぎみの音になることの多い安価なヴァイオリンでも華やかな張りのある立派な音が出るのはローコスト弦には必要なことです。ローコスト弦を必要とする人は高価な楽器を使ってはいないためです。
寿命も長い。愛知でのレッスン室に置いてあるヴァイオリンに張ってあり先日改めて確認しましたが、張ってから6年経過しても大きな劣化は感じられませんでした。音は徐々に張りの少ない音になりますが、弦のピッチが不安定にはなっていません(弦は劣化するとピッチが不安定になる)。
弦の値段を気にするのであれば充分選択肢になり得ます。その浮いたお金でレッスンや楽器の調整、それから弓にお金をかけた方がトータルとしてよほど良い音質が得られます。
弦のレビューの記事でも「ヴァイオリンがわかる!」サイトにかつて書きました。よろしければご覧ください。https://www.violinwakaru.com/artcl/50/50_00102.html
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↓以下宣伝で恐縮です。
大人向けのヴァイオリン教室を東京都と愛知県で行なっています。
2005年より20年間「ヴァイオリンがわかる!」というインターネットサイトにてヴァイオリンにまつわる記事を書き続けています。
だいぶ前ですが、出版社さまからご依頼頂き「まるごとヴァイオリン」青弓社という書籍を出版させて頂きました。