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製作知識 ヴァイオリンの音色を生み出す「長さ5の内側3のしなり」

 ヴァイオリンのボディに必要な長さは、どこからくるのか。
これを知るために、ヴァイオリンが1枚の板だった頃にもどり、
まず、シンプルにアウトライン(赤線)を見てみる。
 
このひょうたん型には、ヴァイオリン全体に関わる
基準となる考え方、比率がこめられている。
 
それは、全長を5分割して、両外を土台とし、内側の3つをしならせること。
力を加える力点は中心ではなく、3を2:1に分ける場所になる。
一枚の板だった頃は、これで良かった。


しかし、ヴァイオリンが箱になり、表板側からコーナーを外に押し広げて、
横板を傾かせることで、裏板をしならせる仕組みに変化した。
 
この時、力点である駒が押すのは、表板であり、
「表板土台」の間にかけられたバスバーである。
 
バスバーも、ボディアウトラインの比率と同じく、
全長を5分割して両外に土台、内側の3つをしならせる。
そして、力点(駒)はそれを2:1に分ける位置に配置する。


もう一つ、駒も同じ比率を使っている。
バロックの駒は、駒右足(魂柱側)を支点に、下図の力点を押すことで、
駒左足を押し下げ、バスバーを押し下げている。


そして、駒は回転運動であることと、f字孔のサイズを見ていくと、
この「駒」こそが、ヴァイオリンのボディ長さを決めている
根本要因であることが見えてくる。
 
以降は、次回につづく。




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