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製作知識 駒高さで決まるヴァイオリンボディ長
今回、記事に計算が多く、少し難しいかもしれません。
でも頑張って、理解しやすく書いたつもりです。
だから、頑張って読んでみてください。
駒上の各弦の間隔は、おそらく指で弦を弾く都合から11.5mmとなり、
4本の弦のG-E線間の幅は、約34mmとなっている。
駒は、この4本の弦を頭にかかえて回転運動をしてもらうのだが、
駒が低すぎると安定して、回転がしにくい。
このため、駒の形は円に近いものになり、
弦幅が34mmなら高さも34mmぐらいが都合がよい。
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駒の高さが決まると、次はf字孔の長さについて検討する。
f字孔の切れ込みは、駒の動きを妨げないためにある
と言っても過言ではないと思う。
ここで、駒の見えない小さな動きを想像してみよう。
駒は、弦の張力変化のより、表板の上で上下の動きと
駒の回転によるの横方向の動きに加えて、
弦に引っ張られて、緩められて、前後にも少し動く。
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この上下前後左右の駒の動きを妨げないためには、
f字孔は、駒を中心に上下に駒高さ以上の長さが必要になり、
34×2=68mmとなる。
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f字孔は、「表板土台」間で、バスバー長さの5分の2を使っている。
このことからバスバー長さは、駒高さ34mm×5=170mmとなる。
そして、この170mmは、おおよそではあるが、
ヴァイオリンボディ長さの内側3つ分に相当する。
70+αは、デザインのための余力と考えて欲しい。
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私が設計した新作ヴァイオリンにも、私なりの都合がある。
それは、上達を考慮したボウイング都合で
右腕を体に近づけるために、駒位置を標準サイズの160mmから
20mmぐらい減らして140mmにしたい目標があった。
これを実現できるか見通しを立てていく。
下図はヴァイオリンボディの土台を、例えば61mmとした時、
内側の3つは、61×3=183で、表板バスバー幅の170mm以上になる。
そして、デザイン余力αは13mm確保できる。
この時、Bottomから駒位置までを140mmにするためには、
(34 + 34 + x ) + 61 = 140
の式を成り立たせる必要がある。
この x を求めると x = 11 となり、デザイン余力αの13mm以下なので、
うまく収まることがわかった。
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以上のことから、私が言いたいことは、
駒高さ34mmのヴァイオリンには、ボディ長は305mm程度あれば十分
であること。
大きくなった標準サイズ356mmを否定はしないが、
小さくても性能が劣るのでなければ、考える価値はあると思う。
そして、この事実を新作ヴァイオリンで体験してほしいのです。
性能は劣るどころか、飛躍的に向上しています。
ご連絡をお待ちしております。
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