ものがたり のはじまり
ある日、突然、体のあちこちに不具合が出始めて、
ああこれは先は長くないというお知らせだな
と感じた。
何をするにもまだ早い、と修行中な見習い感がなくならず、先延ばしにしてきた全てが、もう時間切れで間に合わないんだなぁと、ぼんやり、焦りもなく感じていた。
全てが終わるのに、やり残しもへったくれもないよなぁ。
何もどこにも持って行けやしないのだし、ずっと大切すぎて取っておいたとっておきは、年月がただ過ぎ去って、煤けて古ぼけた何かになってしまうことも、とうの昔に思い知っている。
さて、残りの時間がどれくらいかなんて、もうどうでもいいな。
日々は、瞬間に消えてなくなる。
明日私は居ないのかもしれないし。
そうやって、(キャラの名前)はパソコンに向かい始めた。