「レモンエンジェル」/偶然の再会で見つけた80sガーリー
サビしか知らない歌謡曲、セリフだけ覚えている映画など、そんな断片的な記憶でも調べるとちゃんと結果が出てくるところが、インターネット時代のありがたさ。
最近、そんなおぼろな記憶しかない漫画を「LINEマンガ」で検索して再び読むのにハマっているのですが、そのなかでふと思い出したのが「レモンエンジェル」でした。
私はこれをいつどこで知ったのか覚えていませんが(病院の待合室にあったのかもしれません)、たぶん幼かった当時はすごくいけないものを見たようでドキドキしたことはよく覚えていたので、いい大人になった今あらためてもう一度……と好奇心で読んでみたら、意外なかわいらしさに悶絶してしまったのです。
まず、80年代後半〜90年代前半の日本の世界観。ゲーセン、ラジカセ、スクーター、ボストンメガネ……Wikipediaを見ると連載は1988年から1990年とあるので、今よくイラストで再現されているレトロポップな時代ドンピシャですね。
そして、自分の記憶ではだいぶ過激かと思っていたけれど、今読むと「ちょっとエッチな学園ラブコメ漫画」くらいの感じで、バカバカしくて微笑ましい……。たとえるなら、おニャン子クラブの歌詞みたいな日常がずっと続いている感じでしょうか。
エロ要素はコンセプト上の「ノルマ」のような感じで、それよりもあの幸福で豊かな時代の空気感と、そこに生きる女の子の心模様のほうが、作者さんにとっては主題だったのかな?とも感じます(車やお部屋のインテリア、流行りの音楽などが本当に細かく描かれているんです)。
なかでも、セリフやト書きのかわいらしさにキュンとして、「ガーリー」を標榜しているこのnoteでご紹介しよう!と決意するに至ったのが第8話です。
ヒロインの小川メダカが修学旅行でスキーに行く話なのですが、当時はディスコブームなので、宿泊先のペンションにもディスコがあって「みんなで行こ〜」「11時までにもどればいいんだし」と、クラスメイトと踊りに行きます。
(ちなみに、踊っている子たちの服はジュリアナのような格好ではなく、セーターにジーパンなど高校生の普通の私服で、足元はスリッパ。こういう場所のディスコというのは、カラオケのような気軽なノリだったのでしょうか)
恋に恋するお年頃のメダカたちは、チークタイムのカップルをうらやましそうに見ています。そこで、ふっとディスコを抜け出し、部屋に戻るメダカ。いつも自分に迫ってくる幼なじみと若いイケメン先生(今だったら絶対に許されないキャラでしょうが)の寝顔を眺めながら、こんな独り言をつぶやきます。
そしてまたディスコに戻り、友だちと学校の屋上で鍛えたステップを披露するメダカ。
なんて乙女チック……! 星いっぱいのラストカットがキュート。
そういえば昔、何かの雑誌で見かけたクラブのファッションスナップに、赤いリボンを手首に巻いた女の子がいて「赤いリボンを巻いているのは、運命の人を探すためなんだって!」といったキャプションが付いていたのを思い出しました。
あの子も、王子様には出会えたのかしら?