【01 聴かせるピアノ演奏術】好きがすべて
演奏をする上で一番大切なこと。
音楽が好きという気持ち。
これがなければこのあとは続きません。
何をやってもいい演奏にはなりません。
音楽が好きという気持ちを常に持っていればどんどん上手くなります。
音楽が好き⇒演奏を褒められる⇒もっと上手く弾きたい⇒練習する⇒さらに多くの人から褒められる⇒難しいことにもチャレンジしようとさらに努力する⇒演奏技術が向上する。
こんな流れです。
もちろんいいことだけではありません。時にはミスをして落ち込んでしまったり、会心の演奏と思っても聴衆の反応がよくなかったり、行き詰まることもあります。
ですが音楽が好きというパワーは最強です。
好きだからこの状態を何とかしたい、次こそは頑張ろう!という熱意にかえてくれるんです。
私の周りの演奏家たちはいい演奏を聴かせてくれます。ピアノだけじゃなく、ヴァイオリニスト、フルーティストも。もちろんお客様からの評判もいい。
そんな演奏家に共通していることは音楽が好きということ。
毎回楽しんで演奏しています。そして研究熱心。
「いい音を出すためには」「いいアレンジをするためには」と常に考えています。いい音楽を提供するために練習もしっかりしています。「練習をしなくてはならない」ではなく「もっと上手くなりたいから練習する」という感覚です。
私は幼いころ、ピアノのレッスンのための練習は大嫌いでした。「練習しないと先生に怒られる…。だから練習をしなければならない」と苦痛でした。
でもピアノのレッスンのための曲じゃなく、自分が弾きたい曲を練習するときって何時間弾いていても楽しい。気づくと一日8時間練習をしていた、という日もあるくらい好きなことには集中できるんですよね。
大人になってから「基礎は大事」ということにやっと気づき、再びハノンの練習をし始めました。今度は仕事として人に聴かせる演奏をするための練習です。自分が目指すもののためにする練習は苦になりません。ハノンのスケールをテンポ144~160で右手と左手を一糸乱れずに1時間弾き続けると汗でびっしょりです。あんなに練習嫌いだったのに…。
「音楽が好き」という気持ちは技術以上に必要なこと。
好きという気持ちは聴き手に伝わります。
何があってもこの気持ちだけは持ち続けていきましょう。