絶対音感は便利?それとも・・・?
「今日の救急車の音は高いなぁ。」
救急車のサイレンの音はピーポーピーポーと表現されますが、
私の場合はいつも音名で聞こえます。
そのときによってサイレンの音の高さの違いがあるんです。
シ♭ーソ♭ーシ♭ーソ♭ー
シーソーシーソー
ドーラードーラー
だいたいこのような音の範囲。
シとドの間の音だ!という場合もあります。
私には絶対音感があります。
絶対音感とは、他の音と比べなくても聴いた音の音名を即座に言える能力。
絶対音感を身につける臨界期は、一般的に3歳から6歳までとされています。
絶対音感は音楽をやっていく上ではとても便利な能力です。
音を聴いて即座に楽譜を作ったり、チューナーがなくてもピッチが合わせられたり。
でも、日常においては辛いことのほうが多いかもしれません。
カラオケでは原曲のキーでしか歌えない。
(キーが違うと全く別の曲に聴こえるため)
癒しのピアノ曲が癒しにならない。
(全部ドレミで聴こえるので疲れてしまう)
音に溢れた日常は、絶対音感保持者の頭の中をあっという間に音符だらけにしてしまいます。「音楽を聴きながら何かをする」がとても困難になるのです。音楽を聴きながらだと勉強も料理も進まない!
入ってくる情報が多すぎて疲れたり、具合が悪くなることもあります。
仕事や勉強のため以外の音楽はほとんど聴きません。
一人でいるときはテレビも見ません。
ラジオも聞きません。
私にとって無音の世界が一番の癒しかもしれません。
でも音楽の仕事をしている。
仕事中は耳をフル活用します。
自分がだしているピアノの音。きれいな音がでているのか、タッチがしっかりしているのか、和音の響きは濁っていないか、演奏しながらなるべく客観的に聴けるよう常に意識しています。
一緒に演奏するヴァイオリンやフルートのピッチにも注意を払います。
440Hzに合わせるのか442Hzで目立たせるのか…。
勉強のために音楽を聴くときには、コードの解析、ドラムのリズム、フィルイン、ベースやギターのメロディ、演奏方法、ストリングスの音や入るタイミング、どんなパーカッションを使っているのかなど、パート別に聴き分けて分析しています。
絶対音感は便利なのか不便なのか、特殊能力ととらえるのか障害ととらえるのか、判断は難しいところです。
いいところもあれば困ってしまうこともある。
絶対音感を持っているほかの方はどのように感じているのか意見を聞いてみたいなぁ。