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6-4 終わりなき旅

眠眠スネークの東京サバイバル
2024年6月24日~30日




 24月曜有休。各SNSではフォローもしていないのにショートな動画が次から次へと流れてきてついつい見続けてしまう。テレビ番組の切り抜きや犬猫動画や事故映像や料理やエロやetc...。気付けば30分も1時間も経ってるんやから罠過ぎる。間に広告挟めばそりゃビジネスになるからうまいよな。
 こちとら少しのきっかけで廃人になるのでこれ以上ハメないで欲しいよ。フォローしてる人の投稿以外は非表示にしたいがそういう設定はないみたい。年間何百時間も無駄にしてると思うと勿体ない。

 午後、仕事のヘルプをする。M瀬さんはとことん勘が悪い。どうして皆まで言わせるのか。まるで【はじめてのおつかい】である。想像力や応用力がなくかつ臆病。本当に一人では何にもできない間もなく還暦の幼児なんや。つい数時間一緒に働いてしまった。
 しかし逆をいえば、システムエンジニアという肩書きでありながらおっさんのおりをするというこんな作業だけで給料をもらう僕も真っ当ではないのかもしれない。生産性は皆無である。チームや組織にとって大切な役割とは思うがあまりに手応えが無く、自分がペテン師のように思えてくる。手先口先だけで仕事をし出すと終わりなんやろう。それにあぐらをかき続けたこの十年やったな。大したツケではないがそれが今になって回ってきたということ。

 昨夜仕込んでおいた茄子の南蛮漬けと焼き浸しがとても美味しく出来上がる。全く同じ材料を2つのタッパに分け漬け汁を変えて作ったよ。味付け少々ミスっても一晩冷蔵庫でキンキンに冷やすとちゃんと美味くなるのが不思議。おかげで晩酌が楽しい夜に。ひたすら家で飲み続け4時に就寝した。

鶏と茄子の南蛮漬け




 25火曜午後からテレワーク。この日をもって僕のサラリーマンとしての仕事が全て終了する。家で一人で退勤ボタンを押すだけなので皆にさよならを言うこともなかった。

 コロナのおかげでテレワークという働き方が一般的になり、怪我をしたことで自分もそれを全力で活用するようになった。この流れがなけりゃこんな辞め方は不可能やったはず。(AO木さんみたく)出来れば自分も蒸発するように去りたいと思っていたので理想的な辞め方が出来て大変に満足。

 最終日に配るお菓子やお世話になりましたメールの一斉送信等は僕にはちょっと理解できない慣習である。愛がないならやる意味はない。最後にクズ君をドロップキックして階段から突き落としに行かなかっただけ僕は大人になったよ。あいつは僕がいなくなって嬉しいやろうな。完敗です。

 金曜日にまた皆で大井競馬場へ行くことになったので立会川に飲み屋を探しに行く。下町で十人入れる店を探すのは中々困難やった。
 むかつく程蒸し暑い夜。競馬場前のニトリで卵焼き用の四角いフライパンと木のしゃもじスプーンを購入して帰る。暑さに耐え兼ねて途中長原の【鳥ふじ】に寄った。ホッピーがうま過ぎて珍しく外までおかわりしてしまったよ。つまり4杯飲んだ。セロリも煮込みも安定の美味さで締めて3460円也。

 店を出て今日が火曜ということをふと思い出す。レコードバーRにも顔を出し2杯飲むと深夜になりまたお腹が減ってきたのでチーズ牛丼を食べてから帰宅したよ。3時に就寝する。

鳥ふじに来たらまず鳥ふじサラダを頼むべし
呑兵衛にとっての絶妙過ぎる塩加減




 26水曜有休。僕はこれまでガラケーやった。メールも電話も全く使わなくなっていたが料金だけは払い続けてたよ、月千円。
「スマホになんて誰がするかい」と意地を張っていたら時代に取り残されたのが約十年前。当時たまたま会社で支給されたアイフォンに仕方なくラインを入れ、M瀬さんとズーキーパーやツムツムや通信対戦の麻雀をやるために仕方なくアプリを入れ始めた。そうこうしてる間にガラケーの電源は一切入れなくなったな。連絡手段は間もなく皆ラインになったし、綺麗な写真も撮れるようになり、パソコンがなくても馬券が買えるようになった。ほんと感謝してるよ。

 結局会社のアイフォンしか持ち歩かなくなったので銀行にしてもマイナンバーカードにしても何をするのも電話番号は会社の携帯を登録していた。当時は辞めるとも思ってなかったし。
 しかしもうこのアイフォンとも遂にお別れなので慌てて色々変更作業をしていく。新しく自分のスマホも買ってきたよ。大量の写真をPCにバックアップしたりアプリを入れ直したりと意外と大変。キリがいいのでラインは引き継がずにアカウントごと消した。ラインは僕好きじゃない。特にグループラインはトラブルの温床おんしょうである。出来ることならもう使いたくなかった。

 夜、帝王賞を見る。結果はキングズソードの快勝。昨日立会川へ行ったついでに前日発売で馬券を購入していた。勿論本命はキングズソードやったが単複ではつまらなくマークする直前についメイショウハリオとのセット馬券に切り替えてしまっていた。欲をかいたわ。間抜けで一万円散る。意中の馬がいるのだからもっと単複を大切にしないといけないな。

 今週はもう眠眠書く暇がなさそう。退院した後少しずつ現実に追いついてきていたのにまたここで足踏みしてしまうのが悔しかった。退職の準備をあらかじめしておかなかった自分が悪いんやけどね。

 3時に寝たがひと眠りで目が覚めてしまう。ベッドの中で出来ることを探し眠眠堂の公式ラインアカウントを作成した。うちを会員制の古本酒場としてこれから皆に使ってもらいたい。スケジュールと漫画やレコードの仕入れ情報を更新するつもり。準備出来次第また周知するので宜しくね。そして7時になり再度眠りに落ちた。

 ぐっすり眠れないのは無職になるプレッシャーからかと少々焦る。酩酊めいていしないと寝付けない体にはなりたくない。

不的中




 27木曜有休、会社のPCに保管されていたこれまでの全仕事のドキュメントをM瀬さんに託す。ついでに同僚達との思い出の写真や動画等もとにかく全てまとめて渡しておいた。今回の引き継ぎだけでは伝えきれてない部分もあるのできっと役に立つはず。ファイルのコピーをするだけで何時間もかかった。

 夕方会社の食堂へ。人事部の担当と会い社員証とアイフォンを返却した。ついでに社会保険や失業手当についてもアドバイスをもらう。ヤバいな。早く手続き始めないと。

 その後仕事中の星矢がニヤニヤしながら近付いてきたので「ちょっと飲みに行くか」と誘い一緒に会社を出た。たまたま居合わせたKAZ君とたまたまその時連絡を取っていた五下さんも合流しもつ焼き屋【ちゃこーる】へ行く。頻繁に会ういつものメンツやったが珍しく先週は集まっておらずたった一週空くだけで少し新鮮な気持ちになるのには驚いた。
 突発的な飲み会は砂漠の中で巡り合うオアシスの如くで無駄にウキウキする。僕はホッピーで乾杯。この一週間にあったことや、退職準備のわずらわしさ、来月以降自分で支払うことになる税金年金保険の恐ろしさについて語った。
 男どもで盛り上がっていると後輩のA子も聞きつけ駆け付けてくれる。咄嗟にわざわざ餞別せんべつまで用意してきてくれるんやから出来る後輩よ。有難う。

 まだ木曜なのにその後も養老の滝へ移動し結局終電まで飲んだ。なんの話をしたかなんて何一つ記憶なし。我々は刹那せつなを生きている。真実はその瞬間にしかないということ。




 28金曜有休。大雨。朝から晩まで間断なく降り続け大井へ行くのは泣く泣く諦めた。レースと馬券に興奮する五下さんをまた眺めたかったが仕方なし。代わりに皆で池上で飲むことに。
 万が一にも部署全体での送別会など開かれたくなかった僕は早々に六月最終金曜は自分で飲み会を開催すると決めていた。今更照れる会など勘弁やし、好きでもない人間には1秒も会いたくない。相変わらずひねくれてると思うが一応自分なりに計算し尽くした上での行動なので多分問題は起きてないはず。お別れの日なのに何故か競馬場、というのが面白いと思ったんやけどな、残念。

 18時半、大雨の中しょんべん横丁内のおでん屋【善右衛門】へ到着する。皆が仕事終わるまで飲んで待つことに。おでんや焼き鳥は一個一本ずつから頼める所が良いのよね。僕は小食かつお金もないから。

 美味かった。普通に一人飲みを堪能した。そうこうしてるとパラパラと人が集まり出しおでん屋を完全占拠してしまう。華金ではあるが大雨ということもありたまたま他のお客さんおらず助かったよ。貸し切りとなりおでんも食い尽くしたはず。
 そして腹ごしらえ出来た人からすぐ隣にある昭和歌謡のレコードバーへ流れていった。我ながら楽しいコースと思うがここは歯を折った日に来た店でもあり恐怖が蘇る。この日も同じくらい酔ってたし。

 飲み会は刹那と言ったもののその日その瞬間が楽しかったかどうかも今思い出せないのはやはり切なくなるね。レコードバーへ移動したのはおそらく21時頃。雨はいつの間にか上がっていた。ブラザーM瀬さんも来てくれたよ。今生の別れではないが愛する僕への一言くらいあったんやろうか。思い出せない。
 五下さんの撮ってくれていた写真や動画によるとその後深夜1時にスナックへ行き熱唱し2時半に皆で松屋で牛丼を食べ3時半に帰宅している。自分のことやが無事で何より。

 集まってくれた楽しい仲間の皆に感謝。先陣を切って酔っぱらっていた僕は何も仕切れておらず記憶もないがここまではしゃぎ続けたんやから皆の記憶には残っていそうで十分である。これ以上ないサラリーマン最終日やったよ、有難う。




 29土曜、昼過ぎに起きる。14時頃外がやけにうるさいと思ったらブルーインパルスという飛行機が飛んでいてそれに群がるテレビ局のヘリがうちの真上で旋回していたからやった。

 毎度のことながら深酒翌日で不安に駆られる。先輩方に失礼がなかったか。後輩達にセクハラパワハラしてなかったか。酔って頭回転せずにしょーもない話を繰り返してなかったか、と落ち込んだ。もうどうせ会うこともないしいっか。と開き直れれば簡単なんやけど。

 こうなれば即座に脳を上書きするしかない、と判断しニコちゃん誘い下丸子で飲む。急遽やのに助かったよ。

多摩川河川敷


 下丸子は【心花】さんへ。この日はなんといっても立ち上がる活稚鮎の天ぷらよ。稚鮎ちあゆを出したいがために天ぷらを始めたという大将の意気込みが伝わる逸品。はらわたの苦味すらどことなく甘くこれは癖になりそうやった。
 あとはジュンサイのお浸しやイワシの南蛮漬け、カツオ刺身、季節野菜の天ぷら、それにお任せで握りもいただいた。お酒は楽器正宗と黒龍を。たった3時間で脳の上書きは完了したね、大満足。4、5杯飲んでひとり6千円なら安いよな。下丸子のとっても良い日本酒海鮮居酒屋です。

熱い油の中で飛び跳ねてた


 21時、ニコちゃんと別れた後ふと思い出す。先日N野さんと行ったスナックにボトル入れたままやった。六月末で閉業なので行かないと、と帰り道に寄ってみる。流石に店仕舞い前日ともあって超満席やった。客は全員僕より20~40個程年上。うちのおとんもこんな感じなんやろうな京都で。

 先日とは違う中華ママやったが「僕ボトル入れてます」と伝えるとなんと「モウ、ゼンブ、ノンジャタヨ!」と言われたのには驚いた。在庫処分したい気持ちは判るがじゃああの日の「ボトル入れた方が安いよ」という店側の提案はなんやったんやろう。まだひと月も経ってないぞ。
 地域密着老人ホーム型スナックに今更とやかく言うつもりはないが、これだから僕はボトルキープ制度が嫌いである。シラフでちゃんと計算すれば一目瞭然やけど一晩につきある程度(ウイスキーで言うと大体4、5杯以上)飲める人を除き正味得することはないと思う。僕のボトルキープ論はくどすぎるし飲み屋を敵に回すのでまた改めるがやはり今回も良いことなかったな。N野さんに早くこの話言いたいよ。

「オッケーオッケー、オニイサン、ウマイコトスルヨ」とママに言われたのに、しっかり飲んだ分だけ請求された。完全なる二重課金じゃないのか。我々のボトルを違う客に出しお金取ってるならそれは犯罪行為でしかない。だっふんだ。

 怒りで『歌うたいのバラッド』を熱唱したがその後隅にいたじいさんがおもむろに近寄ってきて僕にこう告げる。
「斉藤和義いいよね、お兄さん『ずっと好きだった』歌ってよ」と。無茶ぶりされたのでその後十分ほどずっとこそこそYOUTUBEでメロディを確認し気合いで歌ってみたよ。サビしか知らんのよその和義は。
 それがきっかけで彼ともう一軒行くことになったんやからこれがスナックの魔力か。深夜1時。ほいほい行ってしまう僕にも今呆れるがどう見ても60歳前後と思ったじいさんが実は同世代でリアクションに困った。アキラに出てくる子供達か。
「職場でもジジイって呼ばれてるんだ」と吐露する優しそうな彼のことは憎めなかった。


 朝までやってる雪谷の【浜しん】へ移動しホッピーで揚げ茄子をつまむ。色々話してもう一つたまげたが、なんと彼はうちの会社の取引先企業さんやった。我が食堂にも何度も来てるとのこと。共通の知人もいるやろう。やはり早くN野さんに言いたい。

「でも僕もう昨日で辞めたんですよ」と言うと彼も驚いていたが「ではうちの会社で是非働いてください、来週社長に掛け合ってみます」と言う。
 突然何を言い出すのか。可笑しかったが今後の僕の進展は飲み屋からしか生まれないと確信していたのでこういうのもアリかもしれなかった。スーツを着た僕とアキラに出てくる老けた子供がまたあの食堂に座ってたら皆ウケるやろう。

「実は明けて今日が誕生日なんです」とも言い出す。なんやねんそれ。酔っていたので勢いで会計全部出したが彼が店に入れたキンミヤのボトルが高く、それは正直意味がわからなかった。どうして可愛い女子でもないおっさんの未来の飲み代までプレゼントしてしまったのか。やはりボトルキープシステムは嫌いだね。何倍にもなって返ってくることを願うのみ。連絡先交換しバイバイした。帰って3時半に就寝する。





 30日曜、昼過ぎに起きる。五下さんにラジオNIKKEI賞はシリウスコルトが来るよと宣言していたので馬券を買いに行く。

 うちから川崎競馬場までは約10キロあるが自転車で向かっている途中、なんと残り2キロほどの地点で急に後輪がプスプスいいだしてパンクしてしまった。時間早めに出ていて良かったよ。早歩きで押していく。
 歯を折った次の日に購入した自転車なのでまだ半年も経っていないのにもう両輪共パンクしたわ。7000円の中古とはいえ早すぎないか。どれだけボロいタイヤを掴まされたのか。

 なんとか出走十分前に到着し馬券は無事購入することできた。今週の勝負はこのレースのみなので厚くいく。
 弥生賞(3/3の日記)で世話になったシリウスコルトであるが、13着だった次走の皐月賞も見所はあり力示せたと思ってる。1800m戦であればなお合うはずとみての勝負である。
 隣の幸楽苑でラーメン食べながらレースを見る。4コーナー過ぎて直線では先頭に立つ。まず勝ったと思ったけどな。あの足で差し切る勝ち馬オフトレイルが強かったか。アタマ差で単勝を逃したのは痛かったが250円付いた複勝を2万円買っていたので週末の飲み代は全て返ってきたかな。僕と相性がいいわシリウスコルト、これからも宜しく。


 ラーメン食べ終わり外へ出ると雨が降り出していてゲンナリする。自転車直しに行かないと。一番近くの自転車屋を探し押していく(道のり2キロ)。
 ずぶ濡れで到着しパンク修理を依頼するも「出来上がりは明日になります」と言われて耳を疑った。「それはどういう意味ですか?」と聞き返してしまったもん。事実パンク修理だけで何十台もたまっていて相当時間がかかるとのこと。そんなことってあるのか。川崎中の自転車がパンクした訳じゃあるまいし。
 諦めて次の町へ向かう。しかし個人店で定休日。次の店も定休日。次の店も定休日やった。雨に濡れながら途方もなく歩き続けたよ。心の支えはシリウスコルト馬券での勝利のみ。あれ外れてたらまさに絶望やったので良かった。

 結局蒲田まで4キロも歩きクタクタに。サイクルスポットで修理してもらってる間少しでも休憩したくて安居酒屋へ入る。189円の生中で乾杯した。生き返った。アツアツの茄子も最高やった。2杯飲みまさにせんべろ也。修理代も1300円で助かったよ。しかし疲れた。

ナス炒め、398円也



「次の仕事を見つけろ」と色んな人に安易に怒られるがそれは僕の人生を本当に思っての助言なんやろうか。僕は自分の人生を楽しみたいだけなんやけどな。どうやら人によっちゃ【仕事をしない=けしからん】と考える人がいるみたいで真面目やなと思う。自分の人生がうまくいってないからって八つ当たりされても困るよ。
 十年以上保留していた決断をようやく実行に移せた2024年の上半期。【歯と鼻と退職編】が終了した。僕を責めるなら相変わらず行動が遅すぎるねと言って欲しい。それには反論できないわ。
 しかしここまで眠眠長々とよく書いたよ。偉業偉業。

 僕の性格上人と関わる方が元気になるし、組織に属する方が健康的に過ごせることはわかってる。ただもうサラリーマンはしたくない。やりたい仕事も特に思いつかないが自分には得意なことがいくつかあるのでそれを活かしたいと今は思ってるよ。

 夜はだらだら動画見てまた夜更かししてしまった。稲葉さんと中田英寿の対談動画で「旅に出ればいい」と中田が言っていたので僕もそれに倣おうと思う。5時に寝た。









半年間ありがとうございましたーーー!!!














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