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8-5 警視庁からの入電

眠眠スネークの東京サバイバル
2024年8月26日~9月1日






26月曜

 朝9時から昼営業の手伝いへ。よく起きれた。大量に唐揚げを仕込む。カレー美味しく出来て良かったよ。


 この日は夕方で上がり自転車で川崎競馬場へ行く。馬券を換金したかったが月曜日は川崎閉まっていることすっかり忘れていた。無駄足馬鹿。また明日来くるしかない。

 せっかく川崎まで来たので映画『箱男』を見て帰ることに。しかし眠かったな。早起きしてたんやったわ。チューハイ飲みながら見始めたがオープニングで既に耐えられなくなり冒頭20分の記憶なし。中盤、老けた永瀬正敏がもうおばあちゃんみたいに見えたことと浅野忠信の役作りが妙にハマっていたこと、佐藤浩市の凄い白髪は覚えてる。しかしクライマックスも全く記憶になく結局ほとんど寝ていた。
 そんな僕が映画を語る資格などないが、安部公房ファン以外は見ても多分楽しくないと思う。石井監督や俳優陣なりの箱男表現を楽しむという体験映画でした。

映画館って大人2000円になったのかー泣


 昨日吉野家で【翌日のみ有効の200円割引券】をもらっていたのでまんまと釣られてこの日も寄る。しかし滅多にしない財布の整理をした直後でその紙切れを家に置いたままやった。気付くのが遅かった。悔しくて牛丼が喉を通らなかったよ。200円損した。

 悔し過ぎたので近所の串揚げTで一人飲んで帰る。ホッピー有難う茄子有難う。3杯飲んで1920円也。家戻りギターの練習し深夜に素うどん作って食べ4時に寝た。




27火曜

 13時起床。再度の川崎競馬場へ向かってる途中M瀬さんから「ご無沙汰元気?」と辞めて以来初めての連絡が来た。「超元気です」と答える。ようやく僕の送別会を開いてくれるのかと思いきや仕事の質問やった。つまらん。(以下略①)

 川崎競馬場に着きシリウスコルトとアーテルアストレアの馬券を換金した。9万7000円ゲット也。せっかくなので賭博で切りの良い10万に乗せてから帰ろうよ。

 開催してる船橋の馬場傾向を読み2レース連続で差し馬から購入する。しかしその馬達がことごとく出遅れ馬鹿みたいに2連敗。ぞっとしたよ。9万7000が溶けた時にはもう死しかないのに。
 負けられない3レース目は強い人気2頭を信じ、残りのひと枠に人気薄を入れて流した馬券で勝負。僕にとって今数万円を賭けることとは命を賭けることと同義である。こんなに震えることはない。やめられないよ。
 結果は皆の期待に応えられず残念やが大勝利。負け分取り返しトータルでは1万勝ちになる。勿論当たり馬券はすぐに換金し諭吉と渋沢合わせて十枚を財布に押し込み慌てて逃げ帰った。

 また吉野家に寄る。今日こそ翌日限定200円割引券を使うんや。最も安い豚丼並盛を頼み怒りの完食。265円也。こちらもリベンジ達成や。この三日間で十年分の吉野家を食べたと思う。

 その後ブックオフで共感しかない漫画を見つけ購入。和泉さんは僕大好きやがこれは知らなかった。酒場を愛する作品と出会える喜びは果てしない。僕も仲間に加えてほしいよ。辺境酒場を目利き出来る念能力持ってます。
 帰宅しギターの練習し深夜にハムエッグ作り晩酌してから5時に寝た。



28水曜

 13時に起き前週の眠眠を書き進める。京都から戻った後中々時間が取れなかった。バー勤務があるという日々のリズムがまだ掴めないわ。

 夕方からギターを担ぎ出勤。先月に続き二度目の弾き語りライブをさせてもらった。ようやく半分くらい勘を取り戻したか。約6年間全くライブをしていなかったので仕方ないな。
 弦を押さえる左指の痛さも先月よりマシに。ライブと関係ないが何よりお酒を作るのも慣れたし、接客時のキンチョーも今思うと随分軽減している。先月のMCで「接客中に手が震える」と言っていたことを思い出しひと月での変化を実感したよ。

 見に来てくれた皆さん、有難う。当然やけどこの6年内に仲良くなった人は多く、元同僚達を含め現在のほとんどの友人が僕のライブを見るのは初めてになってる。散々「ミュージシャンなんです」と言い続けてきたのでようやく披露出来る日が来てほっとしてるよ。間もなく感覚も戻るはず。

 創作活動をするためにサラリーマンを辞めてるので新しい表現には勿論チャレンジしていきたい。もうちょっと待ってて。(以下略②)

 深夜のすき家にて乾杯し小さく打ち上げた。皆の目にはどう映ったのか。また次回に向けて色々考えます。名残惜しい夜が明け7時に就寝。



29木曜

 僕がその昔リリースしたCDが久々にメルカリに出品されているのを発見する。シュリンク付きなので新品や。当時は数人のファンと友人知人しか買ってくれなかったはずで、新品のまま転売されることなど考えにくい。おそらくどこかのショップや倉庫から流れたもの(処分されたもの)と思われる。可哀想なので自分で引き取りたくなるよ。

 昼過ぎに目覚めるも夕方まで全く体動かず。二日酔いではなくライブを終えたという達成感や解放感に浸っていたかっただけ。

 この日も夜に出勤する。しかしまたまた台風の影響で客のキャンセルが相次いだ日。不運としか言いようのない閑散としたイベントになってしまった。客が来ない中で賃金をもらうのも忍びなく23時でさっと切り上げ帰宅。ペペロン作って相席食堂見ながら晩酌し眠眠書き5時に寝た。




30金曜

 昼前に起き前週の眠眠をようやくアップする。結局ライブのような大事なイベントがあると眠眠執筆はどうしても後回しになってしまう。それに東京に戻ってきた先週の土曜からこの日までの七日間中なんと六日間もバー出勤している。最早無職とは言い難いな。

 バー勤務はサラリーマン時と比べると拘束時間が短く、かつ夜型である自分の性にも合っているので非常に楽である。ただそれでも社会の一員として存在しているという責任感は既にしっかり感じてる。大事なこと。
 社会と繋がり、誰かに必要とされるということがまさに【仕事をすること】であるなら、サラリーの高よりその感覚の有無こそが健康的な社会生活であると言えると思う。

 17年前会社に拾ってもらった時も同じことを考えていた。しかし誰にも必要とされていない頭数を揃えるだけの糞みたいなクズ社員がどこの企業にも一定数いて、それが社会の歯車として機能していることもまた事実やった。僕はそういう東京ゾンビ達と一切関わりたくなくて会社を辞めたんや。
 ゾンビ達を見返す準備が早くも整いつつあることは嬉しい限り。後は稼ぎを十倍にすればいいだけ。

残り物で作らさせてもらった茄子と鶏のみぞれ煮(酢を入れ過ぎて変に酸っぱかった、、)

 この日も夜からの出勤やったが台風の影響で客はゼロ。おかげでマスターに色々と習うことが出来た。パスタの作り方も初めて人に教えてもらい興味深く聞く。いつかやりたいと思っていた飲食店での修業があっさりと実現していることには驚くよ。緊張感があり楽しい。

 23時になり早仕舞いしようとしてる矢先に突然の来客。僕の勤務は既に終了していたがつい嬉しくて接客する。そうこうしているとまた一人やってきた。ますます帰れなくなり気付けば時刻は深夜2時に。
 飲み屋の面白さと大変さを改めて思い知る毎日よ。




31土曜

 新潟6Rに出るマンウォルが買いたくて昼前に起き予想を始める。相手を決め買い方を思案していた12時半頃突然携帯が鳴った。

着信時は番号だけでアメリカうんぬんは表示されてなかった

 見慣れぬ番号からの着信。僕は昔脅迫めいた嫌がらせをされたことがあるので知らぬ番号からの着信とインターホンは出ないことに決めていた。ただこの携帯は無職になりつい最近購入したもの。携帯会社等からの連絡かと思いつい出てしまった。

 相手は女性。多分おばさんやった。僕の氏名を確認し「あなたの携帯で間違いないですね、こちら警視庁です」と言うので流石に焦った。心当たりはないが焦る。そして唐突に「今から大阪府警に出頭を願います」と来た、なんじゃそりゃ。東京に住んでいることを告げるとひとまず概要を説明するとのこと。

「これまでに財布を紛失されたことはありますか」とまず尋ねてきた。
 あるよ。マー君と琵琶湖に釣りに行った時釣り具も入ったバッグごと数時間放置してしまい気付いた時には盗まれていた。ワーム100本と現金5万円程を失ったショックはでかくよく覚えてる。しかしそれももう15年程前の話。

「無くした場所は?」と聞くので滋賀県と答えたが「千葉県?」と聞き返してくる。何度か答えても中々滋賀県が伝わらなかった。「いや、だから琵琶湖のある滋賀県ですよ」と、そういう問答をしているうちに何かおかしいなと思い始める。
 このババアは馬鹿や。話し方で教養の無さが窺い知れる。警視庁ってパート雇ってテレアポ業務させるのか。まさかね。発声もシャキッとしておらずぬるいし、どことなく変ななまりがあるのが気になった。

 彼女が言うには僕名義の楽天銀行のキャッシュカードが詐欺グループの家から見つかったと。実際僕はその昔イーバンク銀行を使っていたのでそれのことかもしれない。イーバンクって楽天に変わったもんね確か。

「うーん、はあ、」と相槌を打ちながらよくわからん話を聞き続ける。さらにはなんと僕がその詐欺グループの一味であるとして容疑がかけられていると言う。凄い話で笑ってしまった。

 そんなグループには勿論属していないので何も後ろめたいことはないが、それでも何かに巻き込まれているかもしれないという恐怖と面倒臭さがあった。正直このババアは全く信用できないので大阪府警の担当に直接連絡させてくれと連絡先を聞く。
 そういやこいつ名乗ってなかったなと思い「ところでおたくのお名前は?」と聞くと完全に無視され一方的に切られてしまった。この時点で結構ほっとした。

 すぐに教えられた連絡先をグーグルで調べるとどうやら本物の大阪府警の番号ぽい。めんどいけどかけてみる。ここまで来たらとことんやるしかなかった。
 しかしさすがは大阪。ポリスとはいえ電話出てくれた人皆関西弁で堅苦しくなくとても話しやすい。もうわかってはいたが「それ完全に詐欺電話ですわ」とのことでひと安心。
「そのまま話していたらなんやかんや言うて口座への入金を促してくるパターンですわ」やってさ。ほんまかいな。怖いな。

 流石に警視庁から電話かかってきたら誰でも心臓高鳴るんじゃないか。さらに【容疑者】とか【出頭】とかそういう怖い言葉を使うのはセコイ。そうやってビビらせることで数打ちゃ当たる詐欺になるんやろう。皆も知らない番号は出ない方が良いよ。僕ももう絶対出ない。
 ババアの後ろもやたらと騒がしかったので複数人で電話かけまくってた模様。そいつらの時給がいくらなのか気になるがちょっとリスクがありすぎる。それこそ彼らのプライベート電話に「警視庁です」って詐欺電話かかってきたら相当血の気引くやろうな。

 一件落着したのは良かったが、気付けば新潟6Rが終わってた。そしてなんと買いたかったマンウォルが1着優勝。やってくれたな。
 その後悔しくて無理矢理馬券買い続けるも7レース買い全て外れた。6万円も失った。
 ちょっと待ってくれ。詐欺被害にあってた方が安く済んだまであるんじゃないのか。最低や。詐欺、許さない。

 夕方からは幼馴染の西やん達と蒲田で飲む。早速詐欺被害についての啓蒙活動をしておいた。3軒はしごし1時に解散。いつも通りに楽しかった。記憶あんまりないが西やん御馳走様有難う。
 2時に帰宅し傷みそうな鶏肉が大量にあったので火を入れカレーにしてから3時半に寝た。

鳥万は安い
茄子
鶏のから揚げを頼むと丸揚げがきた




1日曜

 正午に起き馬券仕込んでから昼営業のお手伝いへ。夕方まで働いた。この日初めて僕がパスタを作り馴染みのお客さんに食べたもらったよ。美味しいと言ってもらえてほっとした。
 夜はマスターに誘われ近所で飲む。いつも御馳走になり有難いがこの日も馬券は外れ1万失ってる。得るものと失うもののバランスがおかしいのよ。

 昨日の電話にさえ出ていなければ運命は大きく変わっていたはず。ムキになってここまで負けてない。悔し過ぎる。
 家帰りまたカレー食べ3時半に寝た。

沖縄居酒屋で食べたスクガラス







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