昭和感ただようスイス?(スイスでワイン造ってるの#73)
イス好きが高じて脱サラしてスイスワイン輸入業を始めたほどスイスやスイスワインが大好きなぼく。
なんでスイスが好きになったのかというと、コレ!という理由が思いあたらへんねんけど、今になって振り返ると、初めてスイスを訪れた1990年代末から2000年代初頭のスイスでなんか懐かしい感じ、いわゆる「昭和感」を感じられたからやないかなと思います。
まじめに働く人々、お店や駅で気軽に赤の他人とおしゃべりする老若男女。
日曜日には閉まってしまうお店(今でも駅前スーパーやガソリンスタンド併設のコンビニ以外はお休み)。
行儀の悪い近所の子供たちを叱るカミナリ親父。
など、など、現代の世知辛い日本ではすっかり見かけなくなった昭和の風景がその頃のスイスにはあったのです。
映画『ロール・ザ・ドラム!』
なんで2000年代初頭にスイスに昭和感が残っていたのか?
ずっ〜と不思議に思ててんけど、現在(2024年10月)公開中のスイス映画「ロール・ザ・ドラム!」*を観てそのヒントがつかめたような気がします。
この映画で描かれていたようにスイスで女性に参政権が認められたのが1971年、しかも全州に認められたのは1991年。
このことを日本で女性に参政権が認められた終戦直後に置き換えると、2000年代初頭のスイスは日本の昭和30年代となるやん!
だから昭和感が色濃く残っていたと言えるんちゃうかな(こじつけ過ぎ?)。
スイス最大のワイン産地
映画の話で始まったので、ついでにこの映画にまつわるウンチクをいくつかご紹介しま〜す!
舞台はアルプスの峡谷、ヴァレー州。
ヴァレー州はスイス最大のワイン産地なんやで〜。
ヴァレー州ではスイスを代表する白ぶどう「シャスラ」をはじめ、ヴァレー州だけで栽培されている「プティット・アルヴィン」、「ウマーニュ・ブランシュ」などが栽培されています。この地方の白ワインは酸味と果実味のバランスがよく、ミネラル感があり、アルプスに咲くエーデルワイスを思わせる余韻があります。
うっとこの娘ちゃん(ワインです)の仲間にはまだ入ってませんが、「ピノ・ノワール」と「ガメイ」をブレンドして造られた「ドール」といわれる赤ワインはこの地方の名産品です。
映画中で主人公がワインをブレンド(字幕では「調合」)しているシーンがありました。白ワインのブレンドだったので残念ながら「ドール」ではありませんでした〜
(うっとこの娘ちゃんにはヴァレーのブレンドの白ワインあるで〜 こちら)
女性醸造家
主人公の娘(コリネット)がワイン造りに関わろうとすると、父親にいい顔をされませんでしたが、現代のスイスでは多くの女性醸造家も活躍しています。
ヴァレー州の名醸造家、マリー=テレーズ・シャパもその一人です。
ちなみに主人公の妻の名前もマリー=テレーズ。
この仕込みに気づいた人はおらんやろな〜
直接民主制
女性に参政権を認めるかどうかを住民投票で決めるシーンがありました。
スイスは今でも住民投票で法律の是非を決めたりする、直接民主制をとっている非常に珍しい国なんです。
2024年の現在も村の集会(ランツ・ゲマインデ)で立法を議論・決定する地方も残っているのも驚きやね〜。
しかもその議決は「挙手」!
ビックリ❗️
小学校の学級会やないんやから挙手ってどうよ〜
どない〜?ぼくがスイスを好きになった理由、ちょっとはわかってくれた〜?
ということで、ここからは営業やで〜
映画「ロール・ザ・ドラム!」の舞台になったヴァレー州のワインご案内~
スイスいちばん人気のシャスラ
ヴァレー州だけで栽培されている品種プティット・アルヴィン
ヴァレー州だけで栽培されている品種プティット・アルヴィンとウマーニュ・ブランシュのブレンド