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外国人にはリアル異世界ファンタジー!?「SHOGUN 将軍」が最高に面白い

2月末からスタートしたアメリカのFX制作ドラマ「SHŌGUN」
(現在エピソード4が放送されたところ)

日本のテレビ局はネトフリの「Firstlove初恋」の時も殆ど話題にしなかったのと同様に今回も殆どニュースにしていませんが、今、世界中で話題を集めていて絶賛の声で溢れています。
(FXはディズニー傘下の有料テレビ局。なのでディズニー+で配信中。元はFOX系列の会社なんですね、FOX→FXということなのかな?昔はメディア王ルパート・マードックの傘下だったのが、2019年にディズニー傘下になったようです。全米で9000万人の契約者がいるそうで、大人向けの良質なコンテンツ(エロじゃないよ)が売りらしい)

まずは日本の予告動画。現在で約170万回再生。コメント数は200弱。

一方で英語版。コチラは約1300万回再生5000以上のコメント数。
どれほど海外が熱狂しているかわかります。予告動画で1300万回なんてあんまり聞いたことないですもん。


私も観始めたのですが…いや、本当に面白いです。もう毎度観る度に海外掲示板を覗きに行ったり、動画コメント漁り読んだり、「SHŌGUN」のこと考えてるだけで時間があっという間に過ぎてしまうほど。
(噂に聴いていた段階では、どうせよくあるハリウッドのクセが抜けきらないドラマなんだろうな…と思っていたけど、全然そんなことはない!!逆にアリガトウと握手求めたくなる内容)

ということで、私なりに面白いと思う点や、海外のSNSなんかを見てウケている理由として思うところを上げてみたいと思います。


原作が素晴らしい…らしい!!

このドラマは James Clavellジェームズ・クラベル原作、1975年出版の「SHŌGUN」が基になっています。

当時海外でベストセラーになり、多くの親の本棚やベッド横のナイトスタンドに置かれていたと言われるほどの作品だそうです。(動画のコメント欄でも、彼らの親や祖父母が持っていた本を子供の時に読んだという話をよく見かける)

私もホームステイ先で見たような記憶があるような…。

とにかく当時のアメリカをはじめとする西洋世界に、日本文化、サムライ文化=武士道、日本人の恥の概念や(西洋とは全く違う)考え方を教えることに寄与した作品。大学教授が書いた本数冊よりも日本文化への理解度を高めたと言われるほど。
EAST MEETS WEST 東洋と西洋が出会うという慣用句。まさにこれを体現している。(奇しくも真田さん主演で「EAST MEETS WEST」という日本映画も作られてたりする)

実際には西洋人の船乗りブラックソーンが日本にやってくるのでWest meets East ではあるんですけども、これなんでEastが主語なんですかね?

彼らにとれば、まさに異世界冒険譚
文化も考え方も全く違う世界に入り込んで、読者はその主人公視点で異世界人である日本人を観察しつつ、一緒に彼らを理解していく体験をしていく。そして主人公であるジョン・ブラックソーン(ある意味西欧読者のアバター)が上手く危機を乗り越え、日本人と交流できていくと達成感も味わえたり、ページをめくる手が止まらなくなる系の作品になってるそうです(すみません、私は読んでいないので(;^_^A)。
昔のガリバー旅行記に出てくるような国、現代ならハリーポッターの魔法世界とか、映画「アバター」の惑星パンドラのような世界が、実際この地球上で昔存在したんだという驚きと好奇心を刺激する内容なわけです。それほど昔の西洋と日本はかけ離れていた。

とにかくこの原作の出来がそもそも素晴らしいということ。
(ドラマより原作の方が素晴らしいという意見も原作ファンからは多く語られている)

それもそのはず、この原作者、ジェームズ・クラベルは作家でもあるけど映画の脚本や映画監督、映画製作もしていた人物なんです。物語を映画的に(ビジュアルが想像しやすいように)ドラマチックに描くテクニックを熟知している人物なわけです。
最初の脚本担当作品が「The Fly」。私はジェフ・ゴールドブラムのリメイクで知ってる「ハエ男の恐怖」です。その後はスティーブ・マックイーンの「大脱走」なんかも担当してる。

その異世界冒険譚に、日本の歴史の中で一番面白いと言われる(私は「光る君へ」の平安も好きですがw)戦国時代の大名たちの謀略あふれるパワーゲームが同時に展開される。面白くないわけがない。
そもそも歴史物というだけでも多くの人にアピールする興味深いジャンル。それが戦国時代、家康を元にしたキャラが主人公の一人となれば、もういわずもがなという感じ。
SNS見ていると、海外の人がこんなに日本の歴史に興味を持っていて、造詣が深いのかと本当にビックリすることが多い。(アニメやゲームの影響もあるみたいです。「Ghost of Tsushima」という元寇を元にしたゲーム(?)を真田さんで映画化して欲しいというコメントも「SHŌGUN」関連でよく見かけます)
このドラマに黒人が出ていないのか!というコメントに一斉に「出るわけないだろ」とツッコミを入れつつ、信長に仕えた黒人の弥助の話が出て来たり、同性愛に話題が及ぶと、当時の大名たちにおいては衆道が盛んで、秀吉ぐらいが唯一異性愛の大名であり、周りからバカにされていたとまで書かれていたり…そんなことまで知ってるのかと、読んでいて嬉しくなるほど。日本人でも知らない人は多いだろうに…。

そして日本の大河なんかは基本日本人視点しかないわけですが、「SHŌGUN」は基本外国人視点がメインであり、当時の世界情勢もそこに重ねてきます。

ポルトガルとスペインのイエズス会、カトリック勢と、当時スペインからの独立を図るオランダとそれに協力するイギリスのプロテスタント勢との対立。それが日本の大名間での代理戦争に発展していく側面があることを明確に提示してくる。五大老のうち二人がキリシタン大名=カトリック勢で、イギリス人のブラックソーン(按針)=プロテスタント勢が虎永(家康)側に付くことで対抗していく。これが熱い展開で描かれて海外勢にも非常にグッときているようで盛り上がってる。

当時スペインとポルトガルとで世界の領海権を分け合うトルデシリャス条約サラゴサ条約(ブラジルはポルトガル領でその他の南米がスペイン領…とかいうのもこの線引き由来ですよね)が取り決められた。この線引きによって日本は彼らの中では勝手にポルトガル領になっていた。こういう話題でも海外歴史オタクがスゴイ盛り上がってる感じw。私は歴史の授業で習った、私の国では習わなかったの話まで。

歴史好きの人には当然のことかもしれませんが、日本の歴史の授業では日本史と世界史は別々に学ぶので、世界情勢の中での日本という視点ってあまり強調されない(されなかった…私が学んだときは)んですよね。しかしこのドラマでは外国人視点での日本の立ち位置、彼らの”宗教による征服=植民地支配”という思惑が明確に表されていて、関ケ原に向けての戦いが国内の対立だけでなく外国勢が日本を乗っ取ることへ抵抗する戦いだったという意味合いがあったことを教えてくれる。

で、その戦いに勝ったからこそ、その後、日本の植民地化を狙ったキリシタン=カトリックが禁止&排除され、それまでの貿易、交流の主がカトリックのポルトガルからプロテスタントのオランダへ、長崎の出島での交流に限定される流れも非常に分かりやすく、なるほどな~となりました。

海外交易がポルトガルからオランダに代わった理由って、私がボ~っと授業受けてたからなんだけど、全然わかってなかった。確かに宣教は植民地化とセットなのは知っていたけど、なんかザビエルって偉人的に扱われてるじゃないですか?そこまで悪い奴だって感覚がなかったです(苦笑)。歴史の授業はキリシタン禁止令とか天草がどうだの、歴史的事実を覚えることに必死で、その裏側にあった勢力争いがそんなに関係していたとか、いままで考えてなかったので凄い腑に落ちました。ザビエル、超悪人じゃん!!www

つまり異世界冒険譚+日本の戦国時代物+対外勢力と戦う英雄譚ということです。さらに恋愛要素、親子、夫婦の家族物語も加えてくる。それらが複雑に絡まり合って、物語にはもちろん、キャラそれぞれにも深みを与えることになる。何度も言うけど、面白くないわけがない!!

その最高な原作があったところに、まずは1980年に一度ドラマ化されている。制作、脚本には原作者のクラベルも参加している。

このドラマも大ヒット!!テレビ界のアカデミー賞であるエミー賞で作品賞を獲っているし、按針を演じたリチャード・チェンバレンはゴールデン・グローブでは主演男優、まり子を演じた島田陽子も主演女優賞を獲っている。虎長を演じた三船敏郎は残念ながらノミネート止まり。

(余談ですがリチャード・チェンバレンはゲイなんですよね。カミングアウトしたのでなくてフランスの女性誌にアウティングされたとか。その後自伝でカミングアウト。彼のことだけでもなんだか興味深い。そして今回按針役の Cosmo Jarvis コズモ・ジャービス。彼の経歴を調べていたら元々は歌手みたいで、なんか最初に出てきたのが「Gay Pirates」という動画。

なんでこんな歌を唄っているのか調査不足でわからないのですが(;^_^A、ゲイの海賊がセバスチャンという仲間のことが好きで、二人共に仲間から責められて海に落とされるみたいな感じの歌?コズモ自身はゲイなのか?でも結婚してるとwikiには書かれてる(相手は書かれてない)。実はゲイ繋がりで起用されたのか?「SHŌGUN」でもゲイ展開があったりするの?(たぶん無い(笑) 鞠子様に「男のお相手の方がお好みか?」と訊かれてたけどw)この辺りももっと深堀りしたいwww😝 でも大航海時代の船乗りは絶対性処理で男性同士の関係はあったと思うし、衆道が盛んだった戦国武将とは親和性高い。私がBL作家なら、ブラックソーンみたいな流れ着いた外国人船乗り=海賊と大名の子息で小姓崩れの美青年が結ばれ世界の海に出ていく一大ピカレスクロマンを書いてみたいかもw)

そんなわけで、原作が広まり、ドラマも広まり、さらには近年の海外でのマンガ&アニメ人気によるオタク層を中心にした日本文化への理解度の高まりも含め、30~40年かけて今回、欧米ではこのドラマ化を享受する土壌が醸成されていた…それが今回の大ヒットの要因のひとつでもある気がします。そう、まさに虎永「覚悟(準備)はできておるか?」鞠子「覚悟(準備)はできておりまする」状態だったわけですねw。

これだけ原作が素晴らしいと力説しましたが、実際に読んでないので(←読めよ!😅)、読んでみたらとんでもない差別や偏見に満ちた小説の可能性もなくはないですが、とりあえず現況評価されてるポイントということで。

脚本のレベルが高い!!

そして、今回の脚本です。
前回のドラマ化ではクラベル自身が担当していた訳ですから、出来る限り原作に忠実に作られたんだと思います。

今回、クラベルはもう他界していますが、娘のミカエラ・クラベル氏がエグゼブティブ・プロデューサーに入っている。
日本でのイベントや外国特派員協会の記者会見にも出席してくれてます。サムネ一番左がミカエラ・クラベル氏↓。

凄くキレイな方なので女優さんなのかと思ったら娘さんでした(クラベル氏の奥さんが女優さんだったようで、その娘さんなので納得)。父ジェームズ氏も昔の来日時、外国特派員協会でインタビューを受けていたらしく、当時の写真のコピーを貰って喜んでくれている。

ということで、遺族の方による監修も受けているお墨付き。彼女も今回のドラマを絶賛。「セクシー田中さん」問題のように発展することは危惧しなくて大丈夫そう。制作陣のリスペクトが伝わっている。

追記:第十話(最終回)のポッドキャストにおける娘ミカエラ・クラベル氏の話で驚いたのは、なんと最終話でブラックソーンと藤様が小舟でこぎ出し遺灰を撒いた海。なんとあそこは彼女が育った場所でもあり、父親のジェームズ・クラベルの遺灰も撒いた場所だったんだとか。家族中が涙なしではあのシーンは見られなかったと。なんかスゴイ原作者へのトリビュートというか敬意の表し方をしたような気もするし、逆にジェームズ・クラベルが天国からこの再ドラマ化を後押ししていたんじゃないかと思うほど。娘にしても感慨深かったでしょうね~。

少し話戻るのですが、ジェームズ・クラベルは第二次大戦時に英国軍人としてジャワ島に行くところを日本軍に捕まり、シンガポール、チャンギ―(空港のある所ですよね)の収容所に捕虜として1942年から終戦まで収容されていたんだそう。もし原爆が落とされてなかったらそのまま死んでいただろうと言及。そして終戦後も十数年は当時のことを話そうとしなかった。

そして当時の捕虜生活の体験を元に書いたのが、最初の小説「King Rat」
「戦場のメリークリスマス」的な話かと思ってプロットを読んでみましたが、日本兵との交流よりも、捕虜キャンプ内での勢力争い的な話しな模様。主人公と、キングと呼ばれるボス格の人物、そしてそれを執拗に取り締まる係の人物(これも捕虜)との関係などを描きつつ、飢えをしのぐためにネズミを増やして生き延びようとするとかなんとか…なかなかこれも面白そうな内容。

で、彼の経歴を見て何が気になったかというと、捕虜でひどい扱い受けていただろうに、ジェームズ・クラベルは日本のこと憎んでなかったのかな?ということ。日本嫌いだったような記述は見当たらなかったし、本人もその後、来日している。娘さんも記者会見の様子からは憎悪を植え付けられてる感じでもない。「SHŌGUN」を書くきっかけも、娘さんが読んでいた本に「青い目のサムライ」のことが書かれていて、それに興味を持ってリサーチをし始めたそうな。ということは家庭でも日本関連のものが普通に転がっていたということだし、自著のネタとして、そこは好奇心と創作意欲が上回って、水に流すというか、ある程度割り切れた人なんでしょうかね。「SHŌGUN」の中に出てくる多くの人生哲学。それは日本から学んだものもあったのだろうし、日本に対する憎しみと尊敬が相克しながらもやはり理性でちゃんとコントロールできる人物だったんだと想像します。じゃないとこんな物語は書けないはず。

で、今回のドラマに話しを戻すと、
企画自体は10年ほども前からあったようで、真田さんに声がかかったのが8年前ぐらい。制作総指揮のジャスティン・マークスレイチェル・コンドウ夫妻が加わったのが5年前ぐらいとインタビューで語っていました。途中で最初に関わった脚本家が降りてマークス&コンドウ夫妻に変わったり、ロケ地も日本とイギリスだったのがカナダ、バンクーバーとアイルランドに変更されたり、かなり紆余曲折はあった模様。

そしてジャスティン・マークス氏の経歴が興味深くて、「トップガン・マーヴェリック」の原案を書いた人物なんだとか(脚本は別)。それ以前にも「ジャングル・ブック」の脚本や「ストリート・ファイター:チュン・リーの伝説」なんてのも書いている。黒沢映画も何度も観たとも言及してたので、日本文化への興味や創作欲も強かったんじゃないでしょうか?

その才能あるマークス氏と日系でハワイ出身の妻レイチェル・コンドウ氏が公私ともにタッグを組んで脚本を書き、制作総指揮を担っている。さらには真田さんもプロデューサーに引き入れ、Eriko Miyagawa宮川絵里子氏という方もプロデューサーで、多くの関連動画でプロモーションに参加されているので重要な役割を果たしてくれたのだと思う。日系の方なのか日本生まれの方なのかはちょっとわからなかったですが、経歴を見ると、

米国ジョージタウン大学外交学院学士課程卒。ニューヨークの広告代理店The 7th Art にプロデューサーとして在籍する傍ら、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。語学力と国際感覚を生かし『キル・ビル』、『バベル』、『ロスト・イン・トランスレーション』、『君のためなら千回でも』、「JOHN RABE」などのハリウッド・ヨーロッパ・中国映画の製作・キャスティングなどを担当。

この経歴と関連動画での話からすると、日本人キャストのキャスティングや日本人技術スタッフの手配、橋渡し等々、日本側の関係者との窓口的な役割を果たした人物っぽいですね。

さらには脚本家チームも日系人の方が多かったと語っていましたが、Emily Yoshida氏という方や日本人の監督の福永壮志氏も脚本で参加している。

Emily Yoshida氏が司会して、制作陣の現場での裏話を語ってくれています。

脚本の製作過程も複雑で、まずは脚本家チームが英語で書き、それを京都に住んでいる時代考証担当Frederik CRYNSフレデリック・クレインス氏に確認してもらう。彼は国際日本文化研究センター研究部副所長・教授で
『ウィリアム・アダムス : 家康に愛された男・三浦按針』という著作もあるまさにエキスパート。

次に日本の脚本家チームに日本語パートを見て貰い、さらには時代言葉監修に当時の言葉に修正してもらう。
それが米国の脚本家チームに戻って来て、また調整が加えられ、最終的に役者自身と相談して場面に合ったものに現場で微調整…という流れになるんだとか。

興味深いのが脚本家チームの殆どが日系の女性達で構成されていたと言及していたこと。女性がこんな風に活躍できていることも素晴らしいし、何よりこの日系という属性が最も力を発揮してくれたんだと思う。日本人だけでも駄目だし、欧米人だけでも難しい。両方の文化とマインドセットを理解できる、出来なくても理解しようと思える人物じゃないと成立しない。

それとコンドウ氏が言っていたけど、自分が見てきた母や祖母、日本人女性由来のメンタリティを表現したかったと。たぶん彼女たちは人生の中で欧米文化と日本文化との狭間で生きてきて、日本文化や考え方を不思議に思う部分もあっただろうし、母たちの日本人女性としての強さやたおやかさを尊敬してもきただろうし、そういう自身のルーツと向き合う旅路でもあったんだと思う。

そしてなによりSNSを見ていて興味深いのは、このドラマは物凄くユーモアの面でも面白いと評価が高いこと。ブラックソーンの船乗りの荒くれもの的なノリ、そして下ネタ満載の汚い言葉で繰り出す罵倒言葉。観ている人たちがその表現に大喜びしているし、自分も言ってみたいなんて声もあるほどw。命の危機があるから武士たちには最上級の敬語を強制されて話している…と思ったら汚い罵詈雑言が飛び出す、そのギャップも面白いんだとか。
こういうのは英語を使えるだけでなく、英語話者としての笑いのセンスという才能がないとダメなわけで、日本人スタッフだけではまず成し得ないもの。

さらにはエピソード4でブラックソーンが「doomed lovers, cursed kings」と言う。悲しい結末を迎えるな恋人たち、呪われた王たち。つまりシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」や「マクベス」のこと。
(ロミジュリは1595成立らしいので1600年には存在してるけど、マクベスやリア王は1605~6年成立らしいので、このセリフは時代考証的には疑問もある気がするんだけど…😅)
こんな風に当時の世界の時代背景をサラッとセリフに落とし込んできて視聴者の知性に訴えニヤッとさせる。こういうのも西洋の歴史文化に造詣が深くないとできないし、何よりこの回の副題である「八重垣」。こういう日本人の精神性を表す概念、これを単に日本語を英語に翻訳しただけだと意味が伝わっても彼らには響かない。それを最も英語話者に響く方法、言い回し、言葉選びでセリフにしている。とてもセリフが詩的で、何度も繰り返し言葉にしてみたいと思わせるほどの洗練されたものになっている。

そう、このドラマで今の所唯一弱点があるなら、それは英語セリフと比べると日本語セリフの中にはあまり詩的な表現がないということかもしれません。
鞠子様が地震があった時にブラックソーンに言う。
”Because death is in our air, sea and earth.” この国の空気に、海に、大地に死はいつも身近に存在しているのです…みたいな表現。こういう擬人化っぽい詩的で洗練された表現って鞠子様とブラックソーンの会話では頻繁に出てくるけど、他の日本人キャラからはあまり聞かないですから。

こんな感じで、英語セリフの洗練具合が非常に高いというのがヒットしている大きな要素なんだと思います。

勿論原作にそういうセリフがあって、全て脚本家チームが創作してるわけではないと思いますが、それでもやはりそれをしっかり現代の視聴者に響くように調整しているはずで、その技量は凄いんだと思います。

プロダクション&コスチューム・デザインがトップクラス

とにかく潤沢な予算でセットも凄いし、衣装も凄い!!

船も実際に作ったとか言っていたし、屋敷も実際に建てられたと。障子や襖の制作話(襖の模様の話とか)なんかも関連動画で語られていました。

屋敷の話で面白かったのは、日本の家は外から中を撮ってもあまり絵にならない。逆に中から外に向かって撮影すると絵になるという話。
確かに源氏物語絵巻の絵のように、屋内の画って畳と柱と障子と…どれも似たような感じ。城の大広間の襖とかなら見栄えもするけど、それ以外は質素なものが多い。それを室内から外にレンズを向けると、キレイに手入れされた庭や情緒豊かな借景の自然があって、一気に画面に彩りができ華やかになったり、石庭で侘び寂び幽玄の世界が現れたりする。こういう意見も日本の撮影技術者からのアドバイスで取り入れられたということで、コラボレーションの成果なんだと実感。これを聴いてから意識して観ていると、登場人物達が縁側に座って、それを室内から外に向けて撮影している場面が結構多く出て来ていて、なるほどな~そういう意図があるのか…と思わせてくれます。縁側って大事なんですね。

それと本当に屋外だけじゃなく屋内のシーンも雰囲気が保たれていて良い。ロウソクや火を灯す油みたな光源だけで、その他の部分を闇が包んでいる夜のシーンも演出具合が絶妙。余計なものを映り込まさず、視聴者を登場人物にフォーカスさせる。4話の”あのXXなシーン”でも闇を一つの道具として使っていて監督やカメラマンの技術と美学が感じられました。

あと衣装は本当にお金かかってそうで素晴らしいです。
衣装デザイナーがカルロス・ロザリオ氏。外国人の方が担当しているとは思えない繊細さ。

模様や素材は時代考証担当の方に確認したりして、当時の様式に従いつつも陣羽織なんかではキャラの個性を上手く表現している。

インタビューで面白かったのは、黒澤明監督の娘さんで衣装デザイナーの黒澤和子氏の意見も訊いたりしたんだそう。(ちなみに黒沢氏、近年では大河の「麒麟が来る」(2020)や北野武作品「首」(2023)の衣装デザインをしている。似たような時代だし、知識も豊富で黒沢監督時代からのノウハウとかもあるんでしょうね)

あと衣装の話とか聞いていると日本人でも勉強になることがいっぱい。
女性の重ねて着る服の数は位が高いほど多くなるのは知っていたけど(鞠子様は2~3枚、落葉の方は5~6枚とか)、袴のプリーツの数も位が高いほど多くなるなんて知りませんでした(苦笑)。

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追記:この記事が衣装についてのより深い内容が書かれていました。

まずロケ地であるバンクーバーで、ロザリオ氏が率いるのが125人。そして日本を含む世界中の衣装協力者を含めると250~300人で、2300着以上の衣装を用意した。

他の気になったファクトを挙げておくと、

1300着の衣装をレンタルし、その他は着物を購入し、当時の”小袖(着物の原型)”になるように手を加えた。(1300着もレンタルできるのも凄い!)
*撮影前にまさか埋まるはずがないと思われた巨大衣装倉庫が、2話の段階で既に埋まってしまった。それでさらに上段を作って対応することになった。

足袋を屋内、大阪城のシーンなど、で履くのは上位に位置する人物のみ。
*足袋の素材にも履く人物のランクが関係し、五大老などは鹿の革の足袋。落葉の方は当時とても貴重だった木綿の足袋になっている。

*重ね着における色合わせ、スタイリングすることにおいて素晴らしい瞬間だったとロザリオ氏。←色合わせは着物の醍醐味のひとつですもんね。それが海外のコスチュームデザイナーに伝わって楽しんで貰えたのは良かった。

*ドラマ内でのキャラクターの変化に合わせて衣装の色合いも変化させている。例えば鞠子様。序盤は生気の無い白っぽい衣装が多い。それが通訳として重要な役割を果たし、ロマンスも生まれ、より鮮やかな色合いの衣装へと変化していく。←これは楽しみ。4話時点ではまだ白っぽい衣装が多いから。
*ブラックソーンも虎永と関わる度に徐々に日本の衣装、アイテムが増えていく=より日本文化に馴染んで行っている様子を表している。しかし色合いはベーシックに留めている。あくまでも外国人という部外者で、この世界では力のない立場だから。
*虎永の衣装は物語が進むにつれての発展はない(既に最高のポジションだから)。場面にあった衣装チェンジが行われるのみ(1話ではほぼ全場面で衣装チェンジをするほど)。ただ富や力を象徴するために、豪華絢爛な布地が使われ、色も金や銅を想起させる色になっている。←なるほど、だから虎永のメインカラーは黄色や黄土色っぽいんですね。てっきり虎っぽい色を意識してるのかと思った(笑)。

*ロザリオ氏曰く、これは今できうる限り最高の仕事だった。私のレガシーになるに違いない。誰がこんなにも素晴らしい衣装デザインをする機会に恵まれることがあるだろうか?

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日本から送られてきた反物にさらに細かく手を加えて色を足したりして微調整してるのも凄い。刺繍や羽も繊細に縫い付けられてたりして、こういう衣装製作観てるだけでも楽しいですよね。

昔の大作時代劇が作られていた頃、80~90年代ぐらいかな?「乱」とか「天と地と」とか宮沢りえの「豪姫」とか?公開前後に絢爛な衣装の紹介とかをする番組とかがあって、人間国宝の作品が使われていたり、和装の美しさを実感させてくれたものです。最近はそういうのトンと見ないですけど(NHK大奥の時ちょっとあったかな?)、久々にああいう和装の美しさを堪能させてくれるドラマで、そこも嬉しい限り。

あと甲冑も、真田さん曰く日本では30キロぐらいしていたものが、今回は胴の部分などを革で作ってあるらしく15キロぐらいなので物凄く軽いと喜んでました。鞠子様の薙刀の刃は竹製だそう。
鬘も日本流とハリウッド流の良いとこ取りのハイブリッド式で頭に載せているとか。そう言うのを聞くと、真田さんみたいに俳優がハリウッド俳優と交流することは増えてきたけど、日本の大道具、小道具さんがハリウッドのそういう人たちと交流する機会ってまずないわけで、ココがもっと盛んに交流、技術のコラボレーションがなされたら、なんか一気にお互いレベルアップしそうな感じですよね。

さらにそこまでするっ!!と聞いて驚いたのは、
なんと、鞠子様のモデルは細川ガラシャですけど、劇中で使われる鞠子様の筆跡、現存する細川ガラシャのものを書道担当の方が見て、それに似せて書いているんだとか。日本人で細川ガラシャの筆跡知ってる人なんてどれだけいるのよ(苦笑)。物凄いこだわりに感服!!大河ドラマでもそこまでしてないんじゃない?

その他の役名の変更も、クラベルの小説では戦国時代の武将にしては現代的な名前だったり、名前みたいな名字だったり、それを時代考証でより当時にありそうな名前にアップデートしたらしい。虎永の息子は今回吉井長門(ながかど)ですけど、1980年版はYoshii nagaとなってる。「長」だけの名前は将軍の息子ではちょっと変ですもんね。女性の名前ならありそうだけど。
さらに虎永も前回は「虎長」だったのを今回「虎永」に変更したそうな。Longよりeternalや forever的な意味の方が良いだろうということで、真田さんもTiger Forever!! と御満悦で話してらしたw。

小道具じゃないけど、虎永の鷹狩りのパートナーの鷹(FALCONと言ってたからハヤブサかな?)の名前が「将軍」という名前らしいw。撮影時にまだ生後2週間の赤ちゃん鷹だったそうな。そんな若い鷹があんなに言うこと聞くものなんですね。驚きです。飛んでる所は殆どはCGなのかな?
この鷹をはじめとして伝書鳩とか、鳥と虎永が関わることが多いのもある種のメタファーらしい。鳥瞰して全体を見ている。太陽を背にして獲物に気付かれずに攻撃する。こういうのが虎永というキャラやその戦略と上手く関連付けされてるということのようです。

とにかく日本文化の正確さに対するリサーチと努力、舞台の裏側など、毎エピソード毎に制作陣が出してくれるポッドキャストの解説が非常に興味深くて勉強になります。

見事な配役、絶妙なキャスト!!

ブラックソーン役のコズモ・ジャービスについては前述したとおり。
そこまで有名じゃない俳優というのが余計な先入観を持たずに見れるので、個人的には凄くイイです。物語により没頭させてくれる。
イギリス人とポルトガル人が英語で流暢にやり取りしてる点は海外視聴者からもツッコまれてるけど(笑 あと、鞠子様も馴染みないはずのイギリス語が流暢過ぎるw)、まあさすがに3言語が入り乱れると字幕追うのも大変な上により困難を招きかねないので、そこは苦渋の妥協点かと。

そして真田さん。真田さんありきで企画されたプロジェクトなわけで、演技、存在感、何も言うことないです。まだドラマの中ではそこまで見せ場がないので、これからガツンとカッコイイ所もいっぱい見せてくれるのだろうと期待してます。1600年、家康の年齢が58歳くらい。真田さんが現在63歳。今が演じるのにちょうどドンピシャなタイミングなんじゃないでしょうかね?

子役時代の真田さんは知りませんが、JACで活躍していた頃から見てきた俳優さんでなんだかんだとず~っと観てきた気がする。
青春スター時代の伊賀忍法帖とか伊賀のカバ丸やら、道頓堀川での松坂慶子との濡れ場もあったし、里見八犬伝では薬師丸ひろ子を助けるヒーローを演じ、麻雀放浪記で本格演技派俳優の仲間入りと言われていた記憶。キョンキョンと共演でレミさんの夫・和田誠氏が監督した「怪盗ルビィ」なんかもあった。そしてテレビドラマ野島伸司作品「高校教師」も話題になり、手塚さんと結婚したけど「写楽」で共演したH・Rさんとチョメチョメしてチョメチョメになり(ふてほど風に言ってみたw)、イメージが悪化したからか?「ラストサムライ」の成功を期に海外進出。洋画でも俳優として評価をされコンスタントに出演が続き、海外ドラマだと「LOST」なんかにも出てました。

で、やっと、満を持しての主役として、現在大絶賛されている。
海外コメントでもみんなべた褒め!!欠点をあげてる人なんか皆無。みんな生きるサムライ、サムライの生き残りぐらいに思ってそうw。
確かに真田さん世代、というか真田さんぐらいが時代劇が盛んな時代をギリギリ知っていて、それも脇役じゃなくてちゃんと主役も張ってきた経験もあるし、選ばれた人だけが持つ華もある。彼以外にこの役をここまでキッチリ演じ切れる役者は日本にももういないんじゃないかな?

このドラマの完成があと数年早ければ、千葉さんも観れたのに、残念ですね。(まあ確執があったとかという噂もあるし、本当の仲は知りませんけども(;^_^A)

追記:こちらも最終話の後のポッドキャストの会話から。ここで虎永が将軍というタイトルにこだわっていたのか?と訊かれ、彼は初めの段階では興味は無かったと思うと真田さんは答える。しかしより大きいこと、日ノ本に平安をもたらすためにはそのタイトルを活かす必要を感じるようになったのだろうと。そこで真田さんにとっての将軍とは?とも訊かれる。今回、自身がプロデューサーというタイトルを得て、いままで一俳優ではできなかったことをこのドラマで成し得ることが出来た。20年前にハリウッドに来た時はただ西と東の壁を破るだけが目標だったが、今回のことで、西と東の橋渡しを強化して次の世代が活躍できる世界にしていきたい。そんな風に虎永(家康)と自分の境遇が、「将軍」という役を通して運命的に重なったことを非常に感慨深そうに話されていました。

そして戸田鞠子役の澤井杏奈さん。

彼女のことは、最近やっていた「Monarch: Legacy of Monsters」というハリウッド制作のゴジラドラマで観ていたから記憶が鮮明でした。そのドラマでの彼女の父親役が平岳大さんで、今回はある意味敵対関係に。

私はてっきり日系でアメリカ生まれの方なのかな?と思っていたら、ニュージー生まれで3歳くらいで日本に戻って来て、その後、香港、フィリピンと移り、また日本に戻って来てFAKYというダンス・ボーカルグループの初代リーダーをやっていたとか。

当時から英語の発音が良すぎると言われていたようで…

いや、本当にもう英語が上手いって言うレベルじゃなくて、日本語も英語もこんなにソツなく、日米のエンタメ業界でやり取りできる女優さんっていないんじゃないかと思うほど凄いです。ただのバイリンガルってレベルじゃないのよ。どちらのエンタメ界のノリもちゃんとわかってるんだもん。

この間のアカデミー賞の司会していたジミー・キンメルの番組に出てのインタビューも堂々としていて、完璧。

司会のジミーのリードで話が進んでるのではなく、彼女がリードしてるぐらいのベテランの貫禄があるw。なんなんだろう、この小慣れ感。近い将来、レッドカーペットでインタビューを堂々と受けてる姿も簡単に想像できるし、「SHŌGUN」でエミー賞を受賞したら、壇上で完璧なスピーチをしてくれそう。

モナークの役回りはちょっとウザい感じがあったから、私的には当時そこまで好感度は上がらなかったんだけど、今回の鞠子様役は日本人だからできる目線の動かし方とかも絶妙で、海外勢にも受けるのが納得だし、本当に素晴らしい。彼女が今の所このドラマの中心にいると言ってもいいほどで、そこまで演技経験がある訳ではないのに本当に凄いことだと思う。(とはいえ経歴見てるとミュージカル「アニー」の主役なんかもやってるので芸歴は20年もある)

容姿も、海外のコレぞオリエンタル日本人美女顔を絵にしたような感じだし、これからオファーが止まらないんじゃないかな。スター誕生ですね。

樫木藪重役の浅野忠信さんも適役ですね。昔なら北野武がやってそうな役を最近は浅野さんが全部担ってる感じ。味のある輩タイプ。そして残虐性と特殊な性癖というオマケもついて海外ファンにも非常にウケがイイ様子。
道化というかトリックスターというか、そこまでじゃないけど、でも彼の周りで変なことが色々起こってしまって巻き込まれていくタイプ。どこか憎めないけど…こういうタイプは悲劇が待ってるような気がするけど、果たして!?ネタ元キャラの本多正信は生き延びてますけどね。

石堂和成役の平岳大さん。平幹二朗&佐久間良子の御子息。アメリカの大学で医師を目指していたけど路線変更して俳優を目指したという話は徹子の部屋で何度か聞いた覚えがありますw。最近はガッツリ海外に拠点を移したのか、アチラの作品中心に出演されてますよね。

これまたゴジラドラマの「モナーク」で観たばかり。しかし今回は石堂の為の役作りなのか?話し方が気になって仕方ないw。なんだろう?なんだかちょっと語尾が上がる感じに喋るんですよね。ギリギリ声が裏返りそうで裏返らない。普段の平さんはそんな話し方しないわけで、たぶん役作りなんだろうなぁ。微妙にオネエっぽく聞こえなくもないギリギリを攻めてる感じが気になって気になって、それが面白くて、彼が話し出すと妙に注目?注耳?しちゃいますwww。ただシリアスに演技してるだけだったら本当にスイマセンなんですけどね(;^_^A。
追記:改めて観直したら、そこまでクセのある話し方でもなかったかも(;^_^A。でもいつもの平さんの話し方とは時代言葉抜きにしてもちょっと違うなとはやはり思います。

あとは吉井長門役の倉悠貴くん。彼を初めて知ったのはドラマ版「his〜恋するつもりなんてなかった〜」で、映画版は同性愛という関係に真っすぐ向き合った社会派っぽい作品だったけど、ドラマはもうちょっとBLよりで、その中でちょっと少年から青年移行期のまだ中性っぽさが残る役だった記憶。当時見たインスタの写真でも性別不祥ユニセックスな雰囲気のものが結構あって、そういう路線で行くのかな?と思っていたら、朝ドラの「おちょやん」では杉咲花ちゃんの弟役で結構雄々しい感じ。その後もイメージや性別の定型に縛られない感じでいろんな役をやってる印象。

そして今回の長門役では、勇ましくもあり、若さゆえの危うさと真っすぐさもあり、長門という役回りをしっかり演じている。本当にカメレオン俳優というか、普段は透明なのに役になると急にスッと色が付くかのような変貌加減。不思議な魅力でつい目が惹き付けられる、おもしろい役者さんだなと思う。

現場でも真田さんと一緒に食事に行ったり、急に腕立てを命じられて一生懸命やっていたとか、凄く可愛がられている(しごかれてる?w)ようで、どんどん経験積んで多くのことを吸収していって欲しいですね。伸び盛り!!

宇佐美藤役の穂志もえかさん。過去の作品見ると観ていたドラマもあるけど、申し訳ないけど全く知らなかった女優さん。まだ十代ぐらいなのかと思ったら28歳でキャリアも結構ある方だった😲。

そんな穂志さん演じる藤様の4話での行動が海外勢には非常に受けていて、お気に入りキャラだと宣言する人が続出。従順で大人しそうなのに実は芯があって気も強いって感じのギャップがウケてるんでしょうかね?ブラックソーンとの絡みでの藤様の目線の演技だけでも絶妙で面白くて、私もファンになりましたw。

1話ぐらいの時はそこまで大きな役ではなく、再登場はないのかと思っていたけど、結構重要で面白い役回り。今後どう動いていくのか楽しみです。


あと落葉の方役の二階堂ふみさん。まだ出番が殆どなかったのでこれからの活躍に期待。でも予告映像の中でのちょっと不気味さ漂う感じとかは凄くイイ。正統な恋愛ドラマしてる彼女には申し訳ないけど全然興味ないのだけど(;^_^A、ああいう腹にイチモツ持ってる感じの悪い顔、いいですよね~w。悪女顔って訳でもないんだけど、なんだろう妖気漂わせるのが上手いのかな?


ということで、Rotten Tomatoで今の所、
批評家評は99%、オーディエンス評は93%と高評価。

私も1~4話見た分には星評価で☆9.5~☆9.8ぐらいでしょうか。

切り上げて☆10でもイイんですけどね。ただちょっとグロいシーンが時々あるので、少しだけマイナスに。ああいうシーンを無くせとは思わないし、あってイイんですけど…ちょっとそういうグロいの見せれば喜ぶ層というのがいて、そこに変にアピールしてるような気がしないでもないので…。アメリカでの無差別銃殺傷事件や猟奇サイコパス事件する人物達に、真剣で首飛ばしたい欲みたいなのを植え付けちゃわないか、ちょと心配だったりするんですよね。考え過ぎかな…。

でもとにかくおススメです。このまま行けば、ある意味歴史に残る作品になるのは確実。このドラマのこと、その中の名シーンがミーム化して今後のエンタメ界で頻出することも十分予想される。ハリポタやロード・オブ・ザ・リングのように皆が知ってて当然と言う基礎知識化する気がします。いま観ておいて損はない。いや観ておかないと今後話についていけなくなるぐらいかもしれない。
限定シリーズなので全10話で完結(人気だからとズルズル延ばすことはしない)。観始めるハードルも高くない。是非リアルタイムで「SHŌGUN」体験しましょう!!



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