接客について先輩が教えてこなかったこと その3 お客様に何もさせるな
今日はまず、具体的にその場をイメージしてほしい二つの話から始めます。できればさらっと読み飛ばさずに、自分のイメージできる店内やスタッフ、環境で構わないので一つの動画を再現するような気持ちで一つ一つの言葉を読んでください。その方がこの後の展開を楽しく読んでいただけると思います。
一つ目。ある日、私がスタッフとして入っていたカフェで後輩がこんなことをしました。
あるお客様がコーヒーを注文されました。小一時間かけてそのコーヒーを飲み終えると、その方は別のドリンクをさらにご注文なさいました。
彼が対応をしていて、私は横で見ていました。
テーブルには飲み終えたコーヒーカップ。そこに彼は完成したドリンクを手に持っていきました。
お客様の目の前にあるコーヒーカップのそばに彼がドリンクを置く。彼は一言二言話した後、空のカップを手にとってその場を去りました。それを見ていた僕は戻ってきた彼に「あー、あれは(よくない)…」と言いかけて「いや、お客様が帰られてから後で言うよ」と伝えました。
☆
全く別の話で、こんなことがありました。
僕がレストランに勤務していたときの話。お客様(2名様)にグラスワインを頼まれて、テーブルにワインを注いだグラスを持っていったときのことです。
テーブルには食べ終わった前菜のお皿があります。僕は両手に二つのグラスを持っています。お客様は食べ終わったお皿を自分で定位置から少しずらしていたので、僕は邪魔にならなさそうなテーブルの端にグラスを一度置いて、二人分の空いた前菜のお皿を取り左手にまとめて持った後、右手で先ほど置いたワイングラスをお客様が手に取りやすいだろう位置にテーブルの上でずらしました。
バックヤードに帰ろうとすると、店長が僕に言いました。
「なんてサービスしてるんだお前は」
テーブルはあなたの作業場ではない
訳も分からず僕は店長にくってかかりました。
「何がいけないって言うんですか!?」
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