接客について先輩が教えてこなかったこと 番外編1 「僕はお客様のために一生懸命やります」


ふと気づいたんですけれど、僕が読んできたいくつかのトップシェフのインタビューとかサービスマンの本には「お客様のために」という言葉って、決してメインでは書かれていなかったんじゃないかと思ったんですよ。人によってはそもそも触れられてもいない。

「僕は自分の料理で多くの人を喜ばせたい!」
「自分のサービスでたくさんの人を幸せにしたい!」
「私の店でみんなに楽しんでもらいたい!」

そういう志を否定はしません。むしろ素晴らしいことだと思います。しかし、僕がどことなくそういう気持ちに常に胡散臭さを感じていることも、敢えて伝えていいでしょうか。

先日、ワインバーSiroccoさんとお話しする機会があって、その中で話したんですけれど、僕多分、「目の前のお客様のことを考えてした」接客ってあんまりないんですよね。

どういうことかというと、レストランって皆さんが思っているよりほとんどはルーティンの積み重ねです。「こうしたら喜ぶ人が多い」をたくさん蓄積していってそれを実行していった結果、喜んでいただけた、という気がするんですよ。

全然違う話のように見えるかもしれませんが、たとえば最近ちょっとTLから拝見したモテコンサル勝倉さんのこのnote。

あのですね、これに関する反響ツイートがいろいろとあって、「おっぱい見ないのは無理」「礼儀として見る」「女性からしたら見られたらすぐ分かる」とかみなさん言ってるんですけれど、そもそも勝倉さんもどこかで言っていたような気もするんですけれど、おっぱいを見てマイナスになることはあれプラスになることってないじゃないですか。

そんなこと、たぶんみんな知ってるんですよ。まさか「おっぱいを見ることによって女は自分に対して欲求が向けられていることに気づいて喜ぶんだ!」とか言いませんよね……。

なら見なきゃいい、になるわけです。すごく簡単なことを教えてくれている。でも実際に賛同するだけの人ばかりではない。まぁ話題がいくらかくだらない(ごめんなさい、勝倉さんがそこまで話題を下げてるんだろうとは思っていますが)ので乗りたくない気持ちもわかりますが、たぶん実践してくれる人があまりに少ないってのを女性目線から感じて発信しているんでしょうから……。

このレベルで、レストランでも「こうしたらいい」「こうするとダメ」みたいなのってたくさんあるんです。僕はたぶんそのうちの「こうしたらいい」をできる限りやってきて、「こうするとダメ」を減らしてきたんです。

ちょっと僕の過去の話を交えながら、じゃあどういうものが「みんなが喜ぶ接客」なのか、ちょっとだけ探ってみましょうか。

なお、レストランに夢を見たい人は、これ以上は読まないのをお勧めします。働いている人も、お客様も。夢を作るのは夢ではありません。そこにいるのはいつも現実的な人たちだったりします。

ちょっと黒くなりすぎましたね。では、どうぞ。

「あなたのために取り置いておきました!」

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