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メニューは売れるサービスマン:売上を上げるのは"飲む理由"と"選ぶ楽しさ"

売れるメニュー

「当店にメニューはございません。お客さまに合わせて決めさせていただきます。」というようなお店以外、基本メニューはあって当たり前です。ですが、メニューひとつ、もっと言うと言葉ひとつ、作り方ひとつで売上は変わるのです。

長い文章は誰も読まないという幻

ボクがまだ旅館に勤務している頃、実際に体験した話です。
それまではメニュー名と写真が載っただけのオーソドックスなドリンクメニューでした。

「モノを売るな!体験を売れ!」という考え方【エクスペリエンス・マーケティング】に出会い、その考え方を元に新しいメニューを作るときに「お客さまがそのお酒を飲む理由」を訴求しました。

こんな時に飲んでほしいとシチュエーションを書いたり、商品説明を詳しく書いたり、月や季節毎の限定ドリンクやそこでしか飲めないラインナップにしたり、旅行のシチュエーションごとにおすすめするお客さまを想定したり、普段接客をする上でお客さまに説明していることをメニューに付け加えました。

そうしたメニューを和食レストランで試し、ビュッフェ会場に転用し、宴会場やお部屋食のメニューにも反映しました。そうすると今まで動きの鈍かった単価の高いお酒が出るようになったのです。

その結果全会場でドリンクの客単価も100円ほど上がり、もちろん全体の売上も上がりました。年間20万人訪れる旅館でしたので2千万円の売上UPです。月毎のおすすめのメニューは作ったものの、それ以外のメニューのラインナップは変えていません。メニューに飲む理由を付け加えただけです。なので印刷代も変わりません。

よく「長い文章は誰も読まない」と言われますが、このメニューにも長い文章でお客さまに届けたい想いを書きました。担当の上司からも「こんな長い説明誰も読まんぞ」とステレオタイプに言われました。

でも結果、お客さまとはその長い文章からコミュニケーションが生まれご注文もいただきましたし、単価の高いお酒も売れました。結果が物語っているのです。「長い文章は誰も読まない」というのは幻でした。

読むか読まないかは、興味があるかないか
もっと言うと、興味を引くか引かないか

飲む理由を伝える

同じメニューを作るのでも、メニューひとつ、言葉ひとつ、作り方ひとつで売上は変わることがご理解いただけたでしょうか?もうひとつボクの体験談をお伝えします。

飲料部の部長をしている頃、旅館の増築に伴い既存のビュッフェレストランと同規模(200席ぐらい)の新しいビュッフェレストランをオープンさせるということになりました。

オープンして数ヶ月した頃支配人から相談がありました。「既存のビュッフェほどドリンクの客単価が上がらない…」と。飲料部の部長とは言え、各会場の売上と責任は支配人と現場のMGにありました。

会場に赴きドリンクメニューを見た瞬間「やっぱり…」と思いました。
ドリンク名と価格、それとメーカーが出す情報しか書かれていなかったのです。

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