ソムリエ・バーテンダー険悪説から思う酒場の新しいカタチ。仲が悪いのは理解しようとしていないんじゃない?
どっちもお酒のプロなんだから、壁なんて作らないで共同体を作った方が業界的にも地域的にもいいと思う。
ワインは熟成でまるくなり
カクテルは技術でまるくする。
まるくおさまるのが一番です。
こんにちは、鵜沼です。
ボクはソムリエをしています。
普通はどこかのお店にいたり、ワインバーなどを経営しているのが多くみられるソムリエですが、割と珍しいフリーランスです。
自主開催はもちろん、飲食店さんと組んでワイン会をしたり、ワインのコーディネートもします。
お客さまから呼ばれて記念日のパーティーなんかでサービスをしたり、イベントのお手伝いをしますし、変わったところでは個人宅のワインの棚卸しなんかをするときもありました。
ワインにかかわることでボクが出来ることは大体なんでもやります。
ソムリエ界の隙間で生きてる感じ。
そんなボクですが、ソムリエとしての基本は、食事中やお客さまが御所望になるワインを選ぶのがお仕事です。
バーテンダーの方とたまにお話する時にする話は
「ソムリエとバーテンダーって仲悪いよね~」って話。
結構あるんですよね。
激しく喧嘩するわけでもないんだけど相容れない感じ。
ほら、理解できないことは受け入れられないっていうアレです。
一般の方からするとどちらも【お酒のプロ】なのにね。
だから何が違うんだろうって考えてみました。
バーテンダーはお客様の好みに合わせて色々なお酒を使って色々な味を作る。
どちらかと言えば0を1にする芸術家やコックみたいなお仕事。
一方ソムリエはお客様の食事や好みに合わせて開けてみるまでどんな様子なのかわからないワインを選んで提供する。
どちらかと言えばコーディネーター的なお仕事。
食事とワインの組み合わせで新しい味わいを生み出すように1と1を足して3や5にしたり
食事とワインがある空間を「思い出に残る楽しい時間にする」ような1と1を足して、大きな1にすることも仕事です。
**色々な学者がいるように、同じお酒の仕事でもスタンスが違うんです。 **
**バーテンダーは主に食前や食後のお酒や飲み物の提供が多く、知識と技術で形を作る職人という感じ。 **
もちろん食後なのでシングルモルトなどのウイスキーなんかにも精通します。
科学者のように〇〇+〇〇=カクテルという考え。
なので空気に触れると変化していく醸造酒(ワインや日本酒など)よりは、カクテルを作る時に味の変化がほとんどない蒸留酒(ジンやラムやウイスキーなど)の方が得意かもしれません。
**ソムリエは主にワインを扱い、食前、食中、食後で飲むお酒や飲み物の提供がメインです。 **
もちろんお酒のプロとして受験する時に日本酒や焼酎、ビール、リキュール類の勉強もします。
組み合わせて作り出す科学者というよりは、生物学者のように色々な要素を調べ傾向を練り生態を探るという方がソムリエに似ていると思います。
そんなお酒のプロ(学者)同士なんですがお互いに色々な思いがあるみたいです。
バーテンダー側
・ワインの味がボトルによって違うというところが気に入らない。
・ただ栓を抜いて出すだけなのにずいぶん偉そうだ。
・小難しくワインを語る意味がわからない。
ソムリエ側
・ただ分量を量って混ぜて出すだけじゃん。
・ボトルをくるくる回して見せ物なだけで繊細な味も何もない。
・協会の資格も簡単に取れる。
などなど…。
あ、別に仲を悪くさせようと煽ってるわけじゃないですよ
こういう偏見を持ってる方もいらっしゃるって事です。
でも結局サービス業には変わりないんだし、お客様にとってはどうでも良い事なんですよね。
お客さまは
【お酒を楽しめる場所と空間を楽しみたいだけ】
なんだから。
もっとお互いを認め合って尊敬し合えば、お客様に極上で素敵な時間を提供出来ると思うんです。
例えばホテルならレストランで食事をしながらワインを楽しんで、その余韻をさらにバーラウンジで高めてもらうとか
地域でもお互いのお店とそこにいる人を紹介しあって同じような事が出来ると思うんです。
そうすればお客様も喜んで下さるし、お互いの利益や地域の利益にも繋がる。
どっちもお酒のプロなんだから、壁なんて作らないで共同体を作った方が業界にとっても、地域にとってもいいと思う。
僕はバーテンダーの方は凄いなって思ってます。
例えばお酒を混ぜる事(=ステアっていうんですけど)
この単純そうに見える作業だってたくさん練習するし、色んな形のある氷の解け具合で味を調整するとかなんて信じられないです。
フレア(昔トムクルーズ主演の映画「カクテル」のような…って知ってるかな。)の技術だって相当な練習が必要だし、何より視覚でお客様を楽しませる事が出来る。
資格を取る事より経験と訓練が大変なんですよね。
ソムリエも同じです。資格を取るのも難しいけど取ってからは「知らない」と言えないんです。
どんどん新しいワインが輸入され
どんどん新しいワイナリーが出来ていく
だから学び続けなければならないんです。
たくさんのワインを研究して傾向と対策を学び、お客様に最高の状態でワインを提供する。
どちらも色々大変なんです。
視点が違うだけでプロとして簡単な事なんてないんです。
バーテンダーとソムリエがわかりあえてたくさんの出会いを大切にして、お酒を通した輪が広がれば良いですね。
元号が令和になりました。
令和に対する願望というか印象は、国民の心や人柄がまあるくなっていくような気がします。
昔は色々あったかもしれないけど、お互いのいいところを認めあって、足りないところは補いあって
新しいモノやコト、新しい時代を生み出し、編集していきたいですね。
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