
【中国vs韓国】山東泰山 撤退 本当の理由は政治的トラブル!【ACLE撤退】
試合数時間前にいきなりのACL Eliteからの撤退が発表された山東泰山。公式発表の裏にある本当の理由を調査してみました。そこには政治的なトラブルが絡んでいるようです。
公式発表と棄権の理由
AFCからの発表: アジアサッカー連盟(AFC)は2月19日、山東泰山が当日開催予定だったAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACL Elite)リーグステージ最終節の蔚山ヒュンダイ(韓国)戦に「出場する意思がない」ことをクラブ側が確認したため、同クラブを大会から撤退(棄権)扱いとする旨を公式発表しました。ACL Elite規定第5.2条に基づく措置で、今後この件はAFCの関係委員会に付託されるとしています。この発表は試合開始わずか数時間前という異例のタイミングでした。
クラブからの声明: 同日、山東泰山クラブも公式声明を発表し、「チーム内で複数の選手に深刻な体調不良(身体の深刻な不調)が発生した。医療チームの評価の結果、試合に出場できるチームを編成できないと判断したため、やむを得ず蔚山HD戦への出場を断念する」旨を説明しました。声明では「この決定を深く遺憾に思い、AFC、蔚山HD、ファンならびに社会の各方面に深くお詫びする」と謝罪も表明されています。つまり公式には、「選手の体調不良によってチームを組めない」という健康上の理由が棄権の直接原因として挙げられました。
体調不良以外の可能性(政治的騒動他)
公式の説明が「選手の体調不良」だった一方で、メディアやファンの間ではその裏に別の事情があるのではないかとの憶測が飛び交いました。AFCやクラブが健康問題以外の詳細を明かさなかったため、SNS上では複数の仮説が議論されています。
主な憶測は以下の通りです:
政治的トラブル説: 最も注目を集めたのは前節の韓国・光州FC戦での騒動との関連です。山東泰山が直前の第7節で光州FC(韓国)と対戦した際、一部の山東泰山サポーターが韓国側を挑発する政治的メッセージを発信しました。具体的には、光州で起きた歴史的事件(1980年の光州事件)に関与した元大統領・全斗煥や、北朝鮮の金日成といった人物の写真やプラカードをスタンドで掲げたとの報道があります。この行為は韓国側にとって極めて挑発的で侮辱的なものであり、光州FCは試合後に「クラブや光州市、さらには韓国全体への公然たる挑発だ」と強く抗議、AFCに提訴する構えを見せました。光州市政府も調査に乗り出し、「韓国国民に大きな傷を与えた行為だ」と非難しています。山東泰山クラブも事態を重く見て、「一部観客の無礼な行為は決してクラブやファンを代表するものではない。光州クラブとそのファンに深くお詫びする」と公式謝罪を発表しています。
6do.world
sportschosun.com
global.espn.com
こうした経緯から、韓国側サポーターの報復行為を懸念した可能性が指摘されました。実際、韓国の一部ファンの間では、報復として山東泰山との試合で「8964」(天安門事件)や「くまのプーさん」(中国国家主席を揶揄する隠語)など中国側が極度に嫌うメッセージを掲示する計画が囁かれていたといいます。試合当日に中国チームや観客がそれらの抗議プラカードを目にすれば、試合以上の政治問題に発展しかねません。このため、「中国当局またはクラブが政治的混乱を避けるため敢えて試合を放棄したのではないか」という見方が広まりました。実際、中国メディア関係者の孫雷氏は「今回の退赛(退場・棄権)は潜在的な危機を回避するための現実的な妥協だ」と述べており、スポーツ以外の要因への配慮があったことを示唆しています。
k.sina.com.cn
m.hupu.com現地トラブル説: 上記と関連しますが、「試合前夜に現地でトラブルが起きた可能性」も取り沙汰されました。具体的には「現地の人々が山東泰山の宿泊先ホテルを取り囲み、政治的なデモ行為を行った」という噂です。これは前節の挑発行為に怒った韓国側が直接抗議行動を起こしたという説で、仮に事実であれば選手の安全確保や試合の円滑な開催に重大な支障を来たすため、クラブが試合出場を断念した可能性が考えられます。global.espn.com
公式発表への疑念: 体調不良そのものへの疑問も呈されました。蔚山での試合当日、山東泰山は前日まで通常通り公式練習や記者会見もこなしており、急病の兆候はなかったと伝えられています。蔚山クラブ関係者も「真冬に食中毒や体調不良で選手が続出するとは考えにくい」と首をかしげており、試合延期の要請を受けた時点で実際に体調を崩している選手はいなかったとも報じられました。このことから「体調不良説は信憑性に欠ける」とする声が多く、他の理由を隠すための口実ではないかと疑われています。sportschosun.com
このことから「体調不良説は信憑性に欠ける」とする声が多く、他の理由を隠すための口実ではないかと疑われています。global.espn.com財政・チーム内部問題説: 一部には、クラブの財政悪化やチーム内部の事情が影響したのではとの推測もあります。現在の中国サッカー界は経営難のクラブが多く、本大会に参加することで得られる賞金や配分金も貴重な収入源です。山東泰山はこの試合に引き分け以上で自力で決勝トーナメント進出が決まる好位置にいただけに、金銭的・競技的メリットを放棄してまで棄権するのは不自然とも指摘されました。そのため「よほど深刻な背景事情があるのではないか」という臆測に繋がっています。一部ファンは「クラブが何らかの不祥事を隠しているのでは?」「内部で対立や問題が起きたのでは?」といった疑いを示し、クラブに対し更なる情報開示を求める声も上がりました。ただし具体的な財政問題(遠征費用の捻出困難やボーナス未払いによるボイコット等)を示す確証は現時点でなく、これらはあくまでファンの憶測の域を出ていません。163.com
以上のように、「深刻な体調不良」という公式理由に対しては懐疑的な見方が大勢を占めています。特に前節の政治的騒動との関連を指摘する声が強く、実際クラブ関係者やメディア人も「純粋な競技理由ではない」ことを示唆しているため、健康問題以外の要因が棄権決定に影響した可能性は高いと見られています。
棄権に対する国内外の反応
中国国内の反応: ニュースが流れると中国国内のメディアとファンは騒然となりました。速報を伝えたメディアは「衝撃的なニュース」「異例の事態」と報じ、SNS上では瞬く間に関連話題がトレンド入りしました。多くのファンは驚きと失望、そして怒りを表明しています。公式発表に対しては「本気なのか?」「ふざけているのか?」と疑問や嘲笑が相次ぎ、「そんな理由では納得できない」「もっとまともな説明をしてほしい」と批判的な声が強く上がりました。スタジアムで観戦を予定していた一部中国人サポーターも現地入りしていたため(蔚山のスタジアムには既にアウェイの山東泰山ファンが集まっていたと報じられる)、試合中止の報に困惑と憤慨を隠せなかったようです。
中国のスポーツジャーナリストや専門家も次々にコメントを発表しました。著名記者の陳永氏は「山東泰山は韓国に来て記者会見も終えていた。棄権の理由はフットボールの範疇ではないことは明らかだ」と述べ、公式発表以外の要因があるとの見解を示しました。メディア人の李璇氏は「今回の件から中国サッカー界は教訓を得るべきだ。愚かで非常識な行為をする一部の観客を絶対に放置してはならない。ブラックリストに入れてでも断固排除すべきだ」と自身の微博(ウェイボー)で厳しく論じています。この発言は、前節で問題を起こした一部山東ファンへの怒りを反映したもので、「愚か者」「ゴミ」とまで痛烈に批判し、クラブやリーグは毅然と対処せよと訴える内容でした。
また孫雷氏は「クラブ、大会、スポンサー、ファンなどあらゆる面で悪いニュースだ。今回の妥協は将来に禍根を残すだろう。非常に残念で無念だ」とコメントし、棄権が中国サッカー界全体に与える負の影響を懸念しました。「非難よりもまず潜在リスクの回避を選んだ現実はより残念」とも述べており、事態を沈静化させるためにやむを得ず下した判断だったことに理解を示しつつも歯がゆさをにじませています。
中国サッカー協会(CFA)や政府当局者から公式な声明は出ていませんが、国内世論の大半はクラブ側に批判的です。「中国サッカーの恥」との声や、「国内リーグの評判を貶めた」「AFCから制裁を受ければ中国全体の信用問題」といった懸念も出ています。また、一連の騒動を引き起こした一部ファンへの非難が強く、ネット上では問題行為を特定した人物の処分を求める声も散見されます。
韓国・国際的な反応: 一方、韓国や他国の反応も大きな関心を集めました。試合相手となるはずだった蔚山ヒュンダイは、試合当日に公式SNS(インスタグラム)で「山東泰山の大会放棄により本日の試合はキャンセルされた」と発表し、オンラインチケットは自動返金される旨を案内しました。蔚山側は突然の中止に困惑しつつも、「ファンの皆様にはご理解をお願いする」とコメントし、事態収拾に努めています。蔚山クラブ関係者からは非公式に「試合2時間前になって中国チームが健康上の理由で延期を求めてきたが、本当に体調不良者が出ているようには見えなかった」と疑問視する声も伝わっており、韓国側も公式理由には懐疑的なようです。
韓国メディアでは、「前代未聞のACL撤退劇」「健康理由という公式発表にも疑問噴出」と大きく報じられました。スポーツ朝鮮などは「山東vs蔚山の戦いが思わぬ政治問題に発展したのではないか?」との見出しで詳報し、前節の全斗煥写真事件と今回の棄権との関連性を分析しています。韓国のファンもSNS上で「中国側が政治的非難を恐れて逃げたのでは」「結局写真一枚で試合放棄とは呆れる」といった反応や、逆に「騒ぎが大きくなるよりマシだったのかもしれない」という声など、賛否様々な意見が出ています。
その他アジア地域や国際メディアもこのニュースを報道しました。ロイター通信は「試合当日の数時間前になっての突然の撤退」と速報し、山東泰山が公式サイトで発表した健康上の理由と謝罪コメントを紹介するとともに、AFCが本件を規律委員会に回す方針であることを伝えました。また、ESPNは「ACL Eliteに水を差す大混乱」と評し、今季から導入された新リーグ戦方式の大会における最初の大きな不手際だと論じています。特に山東泰山が勝ち点10を積み上げあと勝ち点1で自力突破という状況から、自ら大会を去る選択をしたことにスポーツ的観点からも驚きを示しました。この結果、同じ中国勢の上海申花(グループ順位で山東と競っていたクラブ)は不戦勝での決勝トーナメント進出が確定し、皮肉な形で恩恵を受けています。他方で大会全体の公平性にも影響が出ており、AFCは山東泰山関連の試合結果を無効扱いにするか、蔚山戦を3-0の不戦敗とするか等を含め、最終節の順位計算方法について議論を行う見込みです。韓国の浦項スティーラースなど一部クラブは当初、今回の決定が順位に与える影響に抗議の姿勢を見せたものの、最終的にはAFC裁定に従う意向を示しています(実際、浦項は山東戦の結果無効化に伴い繰り上がりでの敗退となりましたが、抗議は受け入れられませんでした)。
AFCおよび関係者の対応: AFCは公式発表以降詳細なコメントを出していませんが、今後規律委員会で審議の上、山東泰山に対し厳しい処分が科される可能性が高いです。中国のサッカー情報サイトによれば、ACL Eliteのリーグステージで撤退した場合、少なくとも5万ドルの罰金と、今後1シーズン以上のAFC主催大会出場禁止など複数の制裁が規定されているといいます。さらにAFCから支給された参加補助金の返還や、大会スポンサー・他クラブ・開催協会に生じた損害の賠償も求められる可能性があります。こうした処分が正式決定すれば、山東泰山のみならず中国クラブ全体にも大きな痛手となります。中国国内では「AFCを怒らせてしまった。このツケは将来W杯予選などで審判に跳ね返ってくるかもしれない」と懸念する声もあり、今回の事態が残す禍根の深さを指摘する意見も出ています。
SNS上のファンの意見
中国のSNS(微博/ウェイボーや虎撲BBSなど)でも今回の件は大炎上となり、ファンから様々な意見が投稿されています。主な反応をまとめると:
公式説明への不信感と怒り: 多くのファンはクラブの「体調不良」説明に納得しておらず、「冗談はやめてくれ」「自分で信じているのか?」「もっとマシな言い訳を考えろ」「そんな発表ならしない方がマシだ」といった辛辣なコメントが飛び交いました。試合を楽しみにしていたサポーターほど裏切られた思いが強く、怒り混じりの嘲笑や失望感が広がっています。また、「現地まで行ったサポーターの気持ちを考えてくれ」という指摘もあり、直前中止によるファンへの影響を無視したクラブの対応を非難する声も多数見られました。
163.com憶測と陰謀論: SNS上では公式発表の裏に何があるのかについて激しい議論が交わされました。特に多かったのが前述の光州戦での不祥事絡みの陰謀論です。「例の写真事件が原因で韓国側が8964やプーさんで報復準備→中国側が慌てて試合を回避したのでは」といった推察が飛び交い、一部ユーザーは「もし韓国で天安門の写真なんか出されたら、中国では放送停止にしてもネットで一瞬で拡散する。だから逃げたのだろう」と具体的な推理を展開しました。逆に「試合やれば良かったのに。韓国側が写真を出すなら中継をカットすれば?」と疑問を呈する声もありましたが、それに対して「今の時代、仮に中国で放送しなくても海外経由で映像は拡散してしまう」と返信が付き、政治的に不都合な映像が世界中に共有されるリスクに言及する議論も見られました。このように、クラブが政治的圧力や国際的な面子を考慮して撤退を選んだという見方はSNS上で大いに盛り上がり、公式説明への疑念を強める結果となっています。m.hupu.com
「抽象球迷」への非難: 中国のサッカーファンコミュニティでは、今回の混乱を引き起こした一部の心ないファン(光州戦で挑発行為をした山東泰山サポーターグループ)に対する非難も集中しました。彼らはネットスラングで「抽象球迷」(※シュールなネットミーム文化を愛好し過激な応援をする一部ファン層)とも揶揄されており、「バカな観客のせいでクラブが大損害を被った」「ゴミみたいなファンにクラブが振り回された」という怒りの投稿が相次ぎました。実際、李璇氏のような有識者も「愚かでゴミなファンにとんだ災難を招かれたものだ」と述べており、良識ある大多数のファンは問題行動を起こした少数のサポーターに憤慨しています。このため「今後ああいった連中はスタジアム出禁にすべき」「厳罰に処せよ」といった書き込みも目立ちました。クラブに対しても「なぜ事前にあのような横断幕や写真の持ち込みを止められなかったのか」という管理責任を問う声があり、応援席の統制不足への批判も上がっています。
m.hupu.com自虐と嘆き: 一部ファンは「結局いつも割を食うのは真面目な選手とファンだ」と嘆き、今回プレーできなかった選手たちや応援に駆け付けた善良なファンを気遣う声もありました。また、「山東泰山は近年トラブル続きで呪われているのか」と半ば自虐的に語る向きや、「中国サッカー界のイメージダウンは避けられない。これではますますW杯予選も心配だ」と中国サッカー全体の将来を憂える投稿も見られました。「恥を知れ」「中國足球丢人!(中国サッカーの恥だ)」といった感情的な書き込みも散見され、国際舞台での不名誉な出来事に対するファンの失望感もうかがえます。163.com
m.hupu.com一部同情論: 少数派ながら「選手の健康が最優先なのは確かだ」「無理して出場して万一大事になっても仕方ない」というクラブの判断に理解を示す意見もありました。。これらは公式発表通りに本当に健康上の緊急事態だった可能性を考慮した意見ですが、「そうだとしてもエリート大会で棄権はプロ失格」「タイミングが不自然」と他のユーザーに反論される場面も見られ、全体としては擁護論は少ない印象です。
総じて、中国SNS上ではクラブへの批判と問題サポーターへの怒り、そして憶測が渦巻いています。公式説明を鵜呑みにする声はほとんどなく、ファンの多くは「真相は別にある」と考えている状況です。その「真相」として有力視される政治的要因については、半ば共通認識のように語られており、今回の棄権が単なる体調不良ではなく国際政治リスクとイメージ悪化を避けるための苦渋の選択だったという見方が中国国内ファンの主流となっています。一方で、「いかなる理由にせよ大会を投げ出した事実は消えない」として、クラブと中国サッカー界への失望を表明する声も後を絶ちません。今回の件はファンの信頼を大きく損ない、今後クラブが信頼回復するには相当の努力が必要といえるでしょう。
今後AFCから正式な裁定と追加情報が出る可能性もあるため、引き続き動向に注視が必要です。
いいなと思ったら応援しよう!
