門下生作品講評【No.5】
◉川崎教室 薄衣律子さん
「My life didn’t please me,so I created my life. coco chanel」
薄墨(淡墨)を表現のひとつとして選択する時、
まず薄墨を作る所からやりますが、
必ず「水から先」です。
水に、墨(墨汁)を筆先につけて少しずつ足していきます。
そして試し書きをしながら、調節していきます。
(墨に水を足してもいつまでも黒いです!
私のオススメは「青墨」です。
その名の通り、少し青みがかった薄墨になります。
(猫のロシアンブルーのような色です)
私が普段使っている、開明の青墨です。
(ボトルが汚れてる…)
さて、今回の律子さんの作品は
青墨ではなく
同じく開明の「茶墨」です。
私が青墨をオススメしたら、
律子さんは「どうせなら、同じ開明の
茶墨と赤墨も買っちゃいました〜!」と。笑
写真ではわかりにくいですが、
確かに茶色がかった薄墨です。
これでまず先に模様を作りました。
模様は、ペタペタ「版画技法」です。
左側の細い線は、確か箒で書いてました。
この真ん中の、ゼブラ柄がなかなか出せないんですよね。
律子さんのは綺麗に出てます。
これも模様が出来上がった段階で
「先生、ここに文字を入れたいのですが…」と。
紙をくるくると回して、
どこに重い部分があると落ち着くか、を
探ります。
やはり、上、左側、にあると落ち着く。
なのでこの位置に置きます。
あとは、
この綺麗な模様が活きるためには
文字は小さく、アルファベットで
淡々と置いていく。コロンと可愛く。
律子さんが探して見つけた英文を書き終えたあと、
「あ!ココシャネルって書いてない!
どこに書こう?」
英文のど真ん中にちょうど白く窪みがあったので、
「そこにはまるような小ささで書いてね!」と。
落款も、その下に。
全体的に薄めの作品になりました。
これはこれで爽やかで良いと思います。
次は、茶墨と青墨の2色でやってみるのも
いいかもしれませんね。
2023.06.17@神奈川県川崎