「弱い人」
風邪をひいてる最中に本格的な梅雨になり、治ってきたなと思ったら昨日ものすごい頭痛と嘔吐に襲われた。我慢できないくらい苦しかったのでびっくりして、何か悪いものでも食べたか…?と思いながら病院に行ったら、偏頭痛であると。もともと頭痛もちではあったが、これまでは我慢して活動できる程度であったので、「リアルガチ偏頭痛ってこんなにつらいんだ…」と衝撃だった。もらった薬ですぐに緩和したけど。
体調不良はしんどい。死にそうな、非力な気持ちになる。
だがそんなとき同時に思い出すのが、朝日新聞のお悩み相談に昔載っていたやりとりで、「私は体が弱く毎日のように吐き気や頭痛に苛まれて本当につらい。でも私がこんなに苦しいことは周りには全然伝わらない。妊娠している人がみんなからいたわられているのを見ると、憎らしく思ってしまう」という悩みに対し、作家の車谷長吉さんが答える「人は孤独で人生は苦しいものです。それは自分一人で抱えて生きて死ななければならない、誰かに理解されたいなんて期待してはいけない。ただ、自分よりつらい思いをしている人のために何かしてあげよう、と思って生きていくしかない」。
熱がある時、、頭が痛い時、吐き気が止まらない時、「自分は何でこんなに弱いんだろう」と無力感でいっぱいになり涙が出る。しかし私はこれが常態なのではないし、薬を飲めば楽にもなる。確かに自分より体力が優れている人はたくさんいる。だが、もっと遥かに重い症状と付き合いながら生きている人もまた、数えきれないほどいるのだ。彼らは何もなしえない弱者で敗北者か?そんなことない。自分の欲望が強いから、飛躍したいと願い、輝いている人を追いかけなくてはと思い、でもそんなに頑張れなくて挫折する。でも何かを創って、存在感を放って、世の中に声を上げていく権利は「強い人」にしかないわけじゃない。
私の体があんまり頑丈でなく、しょっちゅう具合が悪くなるのは、苦しんでいる人の苦しみを少しでも想像できるようにするためだ。そのチャンスと想像力を授かったことに感謝する。
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