リライト

 ENBUの講師の市井さん、友人たちの助言を踏まえ脚本を書き直している。時間がかかる。書き始めたらある程度進むが、冷静に読み直し、自分で批評するのに時間が要る。それぞれ作品を準備しているクラスメイトたちも全く同じことを言っているが、何が面白いのか全然わからなくなる。

 自分は、台詞を書くのは比較的得意だと自負しているのだが、自分でまあまあ好きな台詞が書けてしまうとそれで少し満足してしまう。だが全体を見ると薄味で、閉じている。今はそう感じる。繰り返し指摘されているのは、登場人物がぶつかっていないし、だからもがいてもいないということ。指摘を受けて、どうしようかと考えていると、自ずと自分という人間を顧みることになる。人とぶつかることを避け、頭でいろいろ考えて、本を読んで映画を見て、人間のことは好きだと思っているけど、話して観察して、言葉を書いて…結局私は自己完結な生き方をしているのではないか、と思う。

 「今どきの子はみんなそう」なのかもしれないが。

 でも映画を撮って、人間について表現していくのだから、そういう壁を壊していきたい。

 また、脚本を書くときには、見せるものを全て「情報」として整理しなければならないので難しい。情念だけで書き進むと退屈な暴力になってしまう。脚本に限ったことではないが、考えては原点に立ち戻り…を繰り返して、鍛錬していくしかない。

 最近は弱い方に傾きそうな時、韓国の音楽を聴くと気合が入る。こんなに近くで、こんなに強い音楽や映画や文学が生み出されている。無気力になっている場合ではない。自分は弱いと決めつけたくもない。

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