[002]「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」にアクセスできないというお話

第50回衆議院議員総選挙の投票日が近づいてきました。しかし私の手元にはまだ選挙公報の音訳版が届いていません。今回の総選挙は公示日から投票日までの期間が短く、さらにご存知の通り郵便物の配達に時間が掛かるようになったことで、果たして投票日までに間に合うのか、少し心配になっています。
そうなると頼りになってくるのがネットになるわけですが、ここ数年、国政選挙のたびに利用していた「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」へアクセスできなくなっていることに気づきました。このnote執筆時点でWebアドレス(https://kikoeru.yahoo.co.jp/)へ接続しても「サービス終了のお知らせ」というページにリダイレクトされるばかりで、ざっと検索した範囲では「聞こえる選挙」へアクセスできない原因は不明といった状況です。まあ、。これだけではサービスそのものが消滅したのかどうか判断はできないのですが、少なくとも2024年の衆院選では利用できない可能性は高そうです。
Yahoo! JAPANとDentsu Lab Tokyoなどによる「聞こえる選挙」は2017年の都議会選挙以降、国政選挙実施に合わせサービスを提供してきました。このサイトは、画像形式の候補者情報などスクリーンリーダーではアクセスしにくい情報をアクセシブルな形式で配信することにより、選挙における情報かくさを軽減することを目的としています。2022年参院選時のプレスリリースでは以下のように説明されています。
(引用ここから)
「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」をミッションに掲げるYahoo! JAPANは、「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」を通じて、視覚障がいの方が選挙情報を入手しやすい環境作りの一助となることを目指すとともに、将来的には、すべての人が苦労せず選挙情報を入手でき、「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」が必要ない世の中になることを願っています。
(引用ここまで)
では現状で選挙情報のアクセシビリティは改善されたのでしょうか?
相変わらずWebに掲載されている選挙公報は画像形式のPDFが中心ですし、多くのニュース系選挙情報Webサイトも決してアクセスしやすいとはいえません。視覚障害者が情報を得にくい状況に大きな改善はみられないのです。ではなぜ「聞こえる選挙」がサービスを提供しなくなったのか、その理由を知りたいところなのですが、Xを検索してみてもほとんど話題になっていないところを見るにもしかしたら終了は周知の事実だったりするのでしょうか?
まあYahoo!とはいえ営利企業ですから、何かしらの経営的判断があったのかもしれません。そうであるとすれば納得はするものの、いきなり放り出された視覚障害者には決してポジティブな印象は残さないのではと思います。今回の件は、一企業のサービスに頼ることによるリスクが露呈された格好となったわけですが、選挙情報を根本的にアクセシブルにするためには、結局のところ公職選挙法の改正が必要であるという事実を改めて認識させてくれるものでした。
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