よくわからない理由で湯シャン系男児(4歳)になっちまった経緯を長々と語りたい

(※タイトルに反して、育児ノウハウ、オーガニック等のオシャレな要素は一切出てきません)

あれは息子が誕生して2ヶ月経ってない頃だったろうか。里帰り出産した私は、関西の超田舎にある実家で、常時白目&産後ウツ半死状態で育児をしていた。いや、半分どころか3分の2は確実に死んでいた。

息子の便秘が続いていた。泣く・飲む・出すしか芸のない生命体の、貴重な技の一つが封じられているのは大変気がかりだった。とはいえ私自身も気軽に外に出られる状態でもない。

ここで少し話は変わる。病院の選択肢が常に少ない田舎で、小児科だけを標ぼうした個人病院が実家近くに出来たのは、私が高校生の頃であった。それまでは遠くの総合病院か、大人と同じ内科で診てもらっていたのだから画期的。最新の予約システムも導入されており、今では常識になっている湿潤療法を20年以上も前から採用していた(当時は民間療法とかインチキ臭いと言われていた)。

その小児科、いまだに現役(2021年現在)。ド田舎にあってLINEでの夜間相談窓口をいち早く行ったり、コロナ対策の初動も相当早かったようだ。まあ4文字程度に言い換えると「変な医者」なのである。

さて、数日経ったが息子の便秘は改善される様子はない。意を決して母と私、息子とで小児科へ向かった。そう、目的は便秘の解消のみ!(←ここ重要)

そして診察室に入って30秒後、なぜか私だけが診察の椅子に座り、母と息子は隣の処置室へ浣腸するために連れていかれた。息子がギャー!と泣く声が聞こえてくる。

医者:「処置してる間にね、初めて来たお母さんには全員にお話しさせてもらってるんですよ」

と、プリント数枚を手渡され、そこには洗剤や石鹸を使うことの弊害が書かれていた…ように思う。おそらく多分。あまりにシュールすぎて思考が停止していたため、書かれていた内容も、医者の台詞もさほど正確ではないことをご了承いただきたい。ただ、嘘を書いてはいない。

医者:「ほら、僕も体を洗う時にずっとせっけんは使ってません。手を触ってごらんなさい!フワフワでシミ一つもないでしょう?赤ちゃんにも洗剤やシャンプーは必要ないんですよ。」

と、初対面の知らんオッサンの手を握らされた。確かにシミもなくフワフワだが、何かすごい展開になってきたぞ。

医者:「ブツブツが出ても洗うんじゃなくて、たっぷりのワセリンで保湿しておけばいいですから。ワセリンを出しておきますね。」

私:「あの…便秘で来たんですが……。」

医者:「それは隣で処置してますからね!(今後の対処方法を話す)」

赤ちゃんのブツブツで来る人が多いのだろうか。ワセリン保湿は湿潤療法の一環なのだろうか。この医者は親を洗剤に殺されたのだろうか。ワセリン会社の株でも買ったのだろうか。ぼんやりした頭に浮かんだ疑問を尋ねてみた。

私:「……じゃあ先生は…頭もシャンプーを使わないんですか?」

医者:「…いえ、頭はさすがに使ってますね~。思春期以降はやはり難しいです(テヘペロ)」

使ってるんかよ!このオッサン何いうてんねん!もうええわ!何やわからんけど、お前の言う事聞いたるわ!


そんな訳で、息子はそれ以降、湯シャンボーイになったのである……!!


4歳になった現在も、頭は週に一回程度石けん等で洗うが、ベビーソープ的なものは家にない。顔に至ってはお湯で流すか、濡らした布で拭く程度。生まれてすぐに始めたからなのか、頭皮も無臭で脂ぎった様子もなく、乳児湿疹も出ず、お肌プルプル。

そこの小児科で半強制的に出されたワセリンは砂場用バケツかよ、という容器と量で、使い切るのに2年くらいかかった。ワセリンしか処方されなかった息子は、便秘とはまるで無縁の生活をしている。意味が分からない。




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