なぜ南部弁の声調はゆるくなるのか
ベトナム語を学ぶ上で難しく感じる要素の一つに、地域によって大きく異なる声調が存在することが挙げられます。北部の声調は鮮明でリズミカルに感じる一方、南部の声調は柔らかく、ゆったりとした感じがします。そこで、本記事では「なぜ南部弁の声調はゆるくなるのか」について、私の経験と観察をもとに考察します。
北部弁と南部弁の声調の特徴
北部の声調は音の上昇や下降の高低差がはっきりしており、リズミカルで断片的な音を出します。これはまるで尖った山を形作るように、一つ一つの単語にポイントがついています。
一方、南部の声調は音の上昇や下降がゆるやかで、柔らかい音を出します。これはトゲがなく、波打つような丸い山を形作るイメージに近いです。
南部弁では特に、問う声調(ả)と倒れる声調(ã)が混同される現象が起こります。つまり倒れる声調(ã)での声帯を閉じる際の緊張(「っ」を入れる感覚)が弱まり、同じ音が下がって上がる問う声調(ả)と混同されやすくなります。
南部の人々は北部弁を耳障りでうるさいと感じ、北部の人々は南部弁をあいまいで聞き取りにくいと文句を言うことがあります。それぞれの言語の特性を理解しているからこそ、このような批判が生まれるのが興味深いですね。
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