【疎開日記2020#19】 ぬか喜び

4月23日(木)、疎開生活24日目。

疎開生活もあっという間に3週間が過ぎました。もう慣れたよね?結構楽しそうだよね?というお声をいただきますが…正直、慣れていません。というか、慣れたくないのかもしれません。


今まで、20年前の台湾留学や10年前の初めてのベトナム駐在で、まぁそれなりにいろいろな経験はしてきたわたしですが、今回はその中でも一番ヘタレです。

ここには書きませんでしたが、「サイゴン帰りたいー!」と大泣きすることが数回ありました。


疎開のストレスからか、些細なことで感情がはち切れます。娘も小さい体で必死に我慢しているので、ちょっとした事で怒ったり泣いたり。そして、娘が泣きながらポロッと「早く帰りたい」とこぼすと、わたしも我慢できなくなってしまいます。そうだね、そうだね、早く帰りたいね、と二人でわんわん泣きました。そんなことの繰り返し。

娘も明るく振る舞ってはいますが、歯軋りがひどく、うなされる系の寝言が続いています。せっかく掃除したエアコンですが、やはり臭いので3日目から使うのをやめました。ドア開けっ放し&扇風機全開で寝ているのですが、やはり暑いらしく、あせもの痒みもあってか熟睡できない様子。三人一部屋は暑いよね、やっぱり。

わたしはストレスで食いしばっている事が多いらしく、朝起きると眉間にくっきり縦じわが…いくら揉んでも取れなくなりました。顎が痛くて頭痛もひどいです。ますます目ヂカラが強くなりそう…。娘に白髪が増えたねとも言われました。早くグレーヘアになりたいので、これはkhong sao (問題なし!)ですが。

ただ、泣くのは全くダメだとは思っていません。むしろ溜め込んでしまうより、定期的に吐き出せている方がいいと思っています。泣くと免疫上がるっていうのも聞いたところだし。


そんな訳でブンタウ生活、4週目に入ったところです。

4月1日から始まった社会的隔離措置、ソフトロックダウンとでも言うべきでしょうか。感染リスクの高いホーチミンから人が出入りしないように、公共交通手段による旅客運搬が停止となり、検問所が置かれることとなりました。

ホーチミンから通勤していた夫は省を跨いでの出勤ができなくなると一大事、ということで慌てて疎開してきたのですが、実際のところ通勤での移動は許可されているらしいとか。

そして、15日までだったこの措置、ブンタウは早めにリスクの低い地域に分類され、町に活気が(若干ですが)戻ってきていたところです。まだマスク着用、10人以上の集まりなど禁止されていることも多く、タクシーも走っていませんが。

ホーチミンは22日まで延長となりましたが、新規感染者ゼロがもう何日も続いている状態。さらに延長となるか否か、昨日はその話題で持ちきりでした。

夕方、どうやらホーチミンは一段階措置が緩められるようだとニュースが流れた時は、おおお!ついに!と嬉しくなり、友達とLINEで喜びを分かち合いました。ホッとしながらも、今度はどこまで何が許可されるだろうかと、すぐに気は気じゃなくなりましたが。(ハノイなどの一部地域はまだリスクが高いと判断されています)


さて、そこで気になるのは、我が家がいつサイゴンへ戻れるのかという事!ホーチミンへの移動ができるようになれば帰れるはず!ついにこの疎開日記も終わりが見えてきたか!?と思い、朝からそわそわ。スーツケースを取り出してみたり、すぐに持ち帰れるように小物を整理してみたり。

規制が若干緩くなったとはいえ、まだ公共交通機関は制限がかかっている状態。タクシーもgrabも動いていません。会社の車で帰るしかないので、早くても週末だなとウキウキしながら、冷蔵庫の中身をどうやって空にしようかと算段するわたし。

サイゴンへ戻ったら、何しよう、何食べよう。夢は広がります。娘と二人でああだこうだ話に花が咲きます。

昨日の社会的隔離措置解除を受けて、夫がすぐにでもサイゴンへ帰る手筈を整えてくれるはず!なんせ、数日前に「もうやだよ、帰りたい」と娘と二人で愚痴ったばかりですから!


が、いっこうに夫から連絡はありません。午後、確認の電話を入れると…


ホーチミン市の情報を調べてるんだけど、正式にどこまで解除か発表されてないから、まだ帰れない。検問所もあるみたいだし。


…ぬか喜び。

まだ帰れないのか…。


途端に身体中のやる気というやる気が抜けていきました。冷蔵庫の中には冷凍した鶏むねと豆腐くらいしかないけど、買い物へ行くのも億劫です。

お店は週末から徐々に開き始めているので、もう全部デリっちゃおう。


デリバリーアプリを見ると、社会的隔離措置中の3倍くらいの店が開いています。嬉々としてお店を探すわたし。やっぱりブンタウだからアレでしょ!アレ!バインコット!

有名なバインコットの店はバインコットしかないようです。そんなに詳しくないので、Foodyのコメント欄を頼りに探します。

バインコットの他にチャーハンとか焼きそばもある店発見!と思ったら、ホーチミン にも支店がある店でした。いつも行ってるとこじゃん…。

それでも、今日はバインコットに決めたんだ!シーフードチャーハンと揚げ春巻きと海鮮焼きそばも一緒に頼んじゃえ!大盤振る舞いだ!マンゴージュースとザボンジュースもついでにいっちゃえ!と、勢いに任せてポチッと注文完了。


夫が帰ってくる頃に合わせてオーダーし、一階の入り口付近で待つことにしました。

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外には椅子があり、机ではいつでも中国将棋ができるようになっています。横に小さなブランコもあります。ブランコと言っても遊具というより椅子っぽいあまり揺れないタイプの物です。子どもではなくおじさんに占領されていることも多いので、空いている時はラッキーです。

下へ降りると、ブランコはコーヒー片手のおじさんが座っており、娘は使えず。今日はラッキーじゃない日だと娘が呟きました。

そこにデリバリードライバーから連絡が!早口で言ってる事がわからない。外国人だからわからないと伝えると電話は切れました。

数分後、メッセージが。

all: noodles, spring rolls, rice


…ん?

続けてもう一つ

over: noodles, spring rolls, rice


…これは、麺も春巻きも米もないと言うことか!?

だったら、オーダー受けるなよー!バインコットしかないじゃん!だったら別の店で頼むからいいよ。…アンラッキーデー。


仕方がないのでキャンセルして、バインコットしかないけれど、安くて評判のいい近い店にオーダーし直しました。

夕飯がバインコットだけになっちまった…。


いつもはシャワーを浴びてから夕飯ですが、バインコットは熱いうちに!先に食べることに。

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悔しいので、スペシャルのエビ2個入りバインコットを注文。それでも、バインコットは安い!さすがブンタウ!美味しい!

夫はビール、娘は桃ジュース、わたしは頭痛がひどいので常温の水ですが、バインコットを堪能しました。

脂っこいので、冷蔵庫にあった豆腐もやっこで食べました。


お腹は膨れたけれど、なんだか物足りないので、シャワーの前に夜のお散歩。コープの中はKFCだけでなく、ロッテリアもオープンしていました。

…となると、アレしかない!

娘にデザートのソフトクリーム!夫と半分こですが。


はぁ、まだ帰れないのか…。凹みそうな気持ちを必死で堪えて、ソフトクリームに喜ぶ無邪気な娘を見て笑います。


帰り道、そろりそろりと動くタクシーを発見!タクシー復活したの?それなら、明日からブンタウ市内を移動できるようになる?

そう、ここはベトナム。明日になれば、また違う情報が出てくるかもしれない!連休明けにはホーチミン学校が始まるとの情報もあるしその頃には帰れるはず!

ってあと1週間か…長いな。

#ベトナム疎開日記






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