【疎開日記2020#12】 新しい出逢い
4月9日、疎開生活10日目です。
好きな人がいる人は輝いているらしく、恋愛中の方が他の人にモテるという話を聞きます。また、失恋してすぐって、けっこうポンポンと次の相手が現れたりするものです。
何の話かというと、物件探しの話です。
100%気に入っていたわけではない物件なのに、いざ住もうと決心した途端、他の人に借りられるという軽い失恋を経験した我が家。
ですが、内見の話がまたまた飛び込んできました。
もう、引っ越さなくてもいいかなと、心が折れそうになっていたところですが、いやいや、それはダメだ!と気合を入れ直して他の部屋を見に行くことに。
一部屋目は今の臭い部屋の下の下の部屋。たぶん間取りは同じで、狭さも同じだと思われる部屋です。あまり期待もせずに見に行くと…
なんと子ども部屋がトムとジェリー。娘、喜ぶかと思いきや、全然乗り気でない様子。シャワーが例のトイレまで水浸しタイプだったせいで、初めから乗り気でない娘。
コンロがなく、電磁調理器一台だけだったので、これはご飯作れないなと早々にお断りを。
さて、次の一部屋。今度は隣の棟です。そっちの方が古いと聞いていたので、全く期待もせずに、もう今の部屋のままでいいやと半ばあきらめモードで、疲れたという娘を引きずるように連れて行きます。
入り口の前に鳩!時間になるとお米を撒く人がいるらしく、鳩がついばんでいます。わたしは鳩ちょっと苦手ですが、娘はこれで一気にテンションが上がりました。お母さん、茶色と白のハト可愛い!と。
上がっていくと、こちらの棟は床がピンク色で今の棟より明るい!おっ、わたしもテンション上がってきたぞ!
部屋の前に立つと、おおお!広いし明るい!
壁紙はこの際、気にしない!
ダイニングテーブルにベトナム語シール貼ってあるけど、これも気にしない!
娘よ、ここなら広いし、前の部屋よりきれいだよ。
さぞや乗り気だろうと娘に声をかけたのに、意外なことに娘は気に入らない様子。シャワールームもとてもきれいなのになぜ?と思っていると、娘がポツリと
シャワーに仕切りがない…やだ…
そう、きれいで広いけど、シャワーとトイレが繋がっているタイプのシャワールームでした。シャワーを浴びると床がビチョビチョになり、トイレも洗面もスリッパ なしでは入れないタイプ。娘はこれが嫌いです。
あんなに嫌がっていた臭い部屋なのに、ここより今住んでいる部屋の方がいいと言い出す始末。
なんか、もう、訳わかんなくなってきた…
とりあえず、不動産屋さんには夫と相談して連絡をしますと伝えました。こんなにきれいな部屋なのにどうして?不動産屋のお姉ちゃんが聞いてきます。娘があのシャワーを嫌がっていて…ベトナム人には全く理解できない感覚でしょう。はぁ?という顔をされました。
恐る恐るお姉ちゃんに確認します。今まで四部屋見ましたが、このマンションの普通のレベルってどの部屋ですか?すると、初めの日の二件目に見た部屋だと言います。あれか、ちょっと無理ですと即断ったあの部屋。とすると、今見た部屋は相当レベルが高い方になるはず。うーん、たぶんいくら探しても、この中であれ以上の物件はもう出ないだろうな。
水回りの気持ち悪さ、わたしにもわかるので、わかってしまうだけに無理やり娘を納得させるのも違う気がするし…。でも、わたし達がホーチミン へ帰った後、この部屋に住むことになる人のためには、新しいきれいな部屋を契約した方がいいはず。
いろいろな思いが頭の中を駆け巡ります。
大家さんは、もし契約するならテレビと洗濯機を新しく買ってくれると言っていたから、きっといい人に違いない。お願いすれば、扇風機とウォーターサーバーも買ってくれそうな気がする。部屋に突っ込みどころはもちろんあるけれど、ここはベトナム、突っ込みだしたらきりがない。考えれば考えるほど、引っ越した方がいいような気がしてきました。
とりあえず、電話で夫と相談。こちらの思いは全て伝えます。娘の思いもしっかり伝えました。あとは会社と夫の判断に任せることに。
明日は10日。本当ならホーチミン日本人学校の始業式のはずだった日。来週からはオンライン授業も始まるし、そろそろ落ち着きたい。この先、あと何週間か、もしかしたら数ヶ月滞在することになるかもしれないブンタウ生活を左右する住居問題。引っ越すか、引っ越さないのか、最後の決断を迫られています。
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