【疎開日記2021】#13 遠方凝視訓練
6月25日(金) 疎開生活25日目
牛乳が買えない。
先週は近くのスーパーで一本だけ1Lのダラットミルクが買えたけれど、それ以外は500mlの小さいパックが二本ファミマで買えただけ。
牛乳の入荷日をチェックするため、毎日スーパーに通ってみたが、なんと今週は入荷がなかった。しかも、牛乳が置いてあった棚には違うものが並べられている。嫌な予感。まさか、もう入荷されないのか?
今日は金曜日なので、夕方ロッテマートまで行ってみよう。ロッテなら売っているはず。週末の朝くらい、ゆっくりコーヒーが飲みたい。
近所で買えるものがわかってきて、献立が立てやすくはなったものの、食べたい物が作れないもどかしさは日に日に増すばかり。
近所のスーパーは野菜の鮮度が悪い。特に葉物野菜。萎びていたり、一部溶けていたり。買う気が起きない。八百屋のような小さい店もあるのだが、そちらは清潔感がないので買うのを躊躇ってしまう。
根菜類も品切れが多いので、見かけたら即買い。
そうそう、ありがたいことにパン粉が入荷されていた。先週までは置いてなかった。今の分がなくなったら、またいつ入荷するかわからない。小さめの袋なので、とりあえず2袋ゲット。
あー、今日は無性にコロッケが食べたい。
せっかくパン粉をゲットしたけれど、ウスターソースがない。ホーチミンの家にはストックがあるのに、今回は持ってこなかったのだ。うっかりしていた。
今回は移動の車が小さく、最低限の荷物しか乗りそうになかったから、いろいろ持ってこられなかった。
醤油と砂糖と塩、オイスターソースはこっちで買える。味醂とコンソメ、鶏ガラスープの素とだしの素は持って来た。味噌は韓国味噌で代用。片栗粉の代わりはコーンスターチかタピオカ粉を使う。
食材が豊富ならそれだけでなんとかなるんだけれど、買えるものが限られてくると、似たような料理ばかりになってしまい、だんだん飽きてくる。
お好みソースも持ってくれば良かった。甜麺醤も豆鼓醤もなくても困らないけれど、あると料理の幅が広がって助かる。そういうちょっとした味付けの変化って大切だなとしみじみと思う。
ぐちぐち言っていても仕方がない。
週末には日本ショップへソースを探しに行こうかな。ブンタウにも日本の物を売っている店が二軒ほどある。そこでなければ仕方がない。
娘はオンライン授業が続いている。先生達が作ったビデオで学習を進めたり、zoomで授業やテストをしたり。とにかくずっとタブレットを見ている。
一時間終わるごとに軽い運動をさせたり、お茶を飲んだり、集中力が切れそうになるのを何とか誤魔化しながら、毎日頑張っている。
オンライン授業になって気づいたことをいくつかあげてみる。
1、毎日、教科書を声に出して読む音読の宿題があるのだが、はっきり発音できない部分が増えて来た。人と話さないからだろうか。舌の筋肉が弱っているのかもしれない。
娘の変化でハッとして自分も読んでみたら、滑舌がかなり悪くなっていた。引きこもり生活の弊害、喋らない生活。これはいかん!と、二人で時間を見つけては舌を動かす運動をしてみている。
2、やはり運動不足。ずっと座っているので、お尻の筋肉が落ちて来ている。子どものお尻は無条件にプリプリしているものだと思っていたが、動かないと大人同様垂れるのだ。弾力がなくなっていく子どものお尻。そして、お尻だけでなく、弱っていく背中。体幹もだ。
体力がなくては、ウィルスとの戦いには勝てない。ラジオ体操だけでなく、肩甲骨を動かす運動、お尻を鍛える運動を日課に取り入れた。動かしてみたら、自分も背中がバキバキで驚いた。
3、仕方がないのだが、スクリーンタイムが長いので、相当目が疲れる。授業を受けている娘はもちろん、iPadで調べ物をしたり、noteでこの日記を書いているわたしもそうだ。
実は視力検査で引っかかっていた娘。眼科に行かずじまいでブンタウに来てしまった。わたしは二十年以上前にレーシック手術を受けているが、最近視力が落ちて見えにくくなっていたところ。
今の部屋からは小さな山が見える。緑は目にいいらしい。遠くに海も見える。そこで、思い出したのが遠方凝視訓練だ。
今は懐かしき昭和のあの頃。うちの地元の学校では遠方凝視訓練なるものが存在した。決まった時間になると「遠方凝視訓練の時間です。」と放送が入り、各々が席についたまま、窓の外を眺める。
遠くのものをじっと見ることで、目の緊張をほぐす効果があるのだとか。
何かじっと見る物を探していると、山の中腹に建物があり、そこに看板が出ているのを見つけた。見えそうで見えないちょうどいいレベル。娘とベランダに立ち、看板をじっと見つめていると、目の奥がじんじんするような不思議な感覚があり、看板の文字がくっきり見えてくる。これは面白い。
こうやって、毎日外を眺めていたら、心なしか目の疲れが減って来た気がする。
そして、遠方凝視訓練のおかげで見つけた楽しみが一つ。遠くのビルの屋上で、いつも寝ているおじさんを見つけたのだ。
覗き見しているようで申し訳ないので、あまりじっとは見ないが、「今日も寝ていたね」とおじさんの存在を確認するのが日課となった。おじさんもかなり目を凝らさないと見えないところにおり、看板を見て遠くがはっきり見えるようになった後じゃないと確認ができない。
そんなわけで、口を動かし、体を動かし、目の緊張をほぐす。オンライン授業を続けていく上で大切な三つのことをまとめてみた。
さて、我が家の牛乳問題。
金曜なので、夕飯後にお散歩を兼ねてロッテマートへ行ってみた。お目当ての牛乳は、と言うと…
すごく大きい売り場の中でたったこれだけ。
ホーチミンの近所のスーパーでももっと売り場は広かったのに。やはりブンタウでは買う人が少ないと言うことか。
たくさん買いたいけれど冷蔵庫はもうパンパン。しかも、配送状態、保管状態が信用ならないベトナムでは消費期限内であろうが、未開封であろうが関係なしに、牛乳が腐ってドロドロになていることもしばしば。いっぱい買って悲しい思いをするのはごめんだ。
とりあえず三本で我慢。コーンスープを作るとあっという間に一本なくなるけれど、今回は仕方がない。また買いに来よう。
牛乳の近くのヨーグルト売り場は、びっくりするほどの種類のヨーグルトが売られていると言うのに。
ヨーグルトと言えば、最近買ったヨーグルト。
左はSữa Chua Nếp Cẩm、甘くした黒い餅米とヨーグルトを一緒に食べるというデザート。これは前から好きで買っていたのだが、今回買ったのは右のSữa Chua Trân Châu、タピオカ入りヨーグルトだ。
フローズンヨーグルトにタピオカをかけるというデザートが流行り出したのは去年ぐらいだっただろうか。今や街の至る所に店舗がある定場デザートとなっている。ついにビナミルクがそれを真似て売り出したのだ。
ヨーグルトの酸っぱさと黒糖タピオカの甘さが混ざって何とも言えない。
次から次によく考えるものだなと思う。
ロッテマートに話を戻すと、錦鯉ぬいぐるみが増えていた。人気があるのか?
今日の日記は食材が不足している不満ばかりになってしまったけれど、デリバリーでそれなりに楽しんでもいる。
日本人がやっている和食屋は見つからないし、ホーチミンに比べたら洋食も選択肢は本当に少ない。けれど、少ない中で美味しい物を探すのも楽しい。
ブンタウと言えばDAVIDピザが有名だけれど、他にも美味しいピザ屋がいくつかある。これはLUCAという店の物。
今週は他にもコムタムやサーシウ(チャーシュー)も頼んでみた。チャーハンはどこの店も大抵美味しいので助かる。
意外といけたのが、コムガー屋のトンカツ。肉は薄いし、ソースはやや甘かったけれど、揚げ物食べたい欲が満たされてよかった。
明日は土曜日。今度は何をしようか。
できる中で楽しみを見つけるのも、ブンタウ暮らしの楽しみの一つ。ポリアンナを見習って、よかった探しで乗り切ろう!
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