ホーチミン市の繁華街、世界有数の高額賃料エリアに

【ホーチミン最大の商業地区で高止まりする賃料】
ホーチミン市1区のドンコイ通りは、世界で14番目に賃料が高い商業地区になっています。不動産コンサルティング会社クッシュマン&ウェイクフィールドの「世界のメインストリート2024」報告書によると、同地区の賃料は月間1平方メートルあたり330米ドルで、前年から6%下落したものの、依然としてバルセロナやダブリン、アムステルダム、クアラルンプールなどを上回っています。

【世界の賃料動向】
世界の商業地区賃料では、イタリアのミラノが1平方フィート当たり年間2,047米ドルで首位に立ちました。前年のトップだった米国ニューヨークは2位に後退し、ロンドンが3位に浮上しています。

【ハノイも高水準を維持】
ベトナムの首都ハノイでは、チャンティエン通りがアジア太平洋地域で18位にランクインしています。賃料は月間1平方メートルあたり300米ドルで、広州、ニューデリー、バンコクなどの主要都市を上回る水準を維持しています。

【変化の兆しと市場の課題】
経済環境の変化を受け、一部の店舗では賃料の引き下げや撤退の動きも見られます。スターバックスは月額賃料3万米ドルのホーチミン市1区ハントゥエン通り13番地の店舗から撤退し、YENすしもドンコイ通り店を閉鎖しました。

不動産情報サイト「バットドンサン」のグエン・クオック・アイン副CEOは、Eコマースの成長に伴い路面店への需要が減少傾向にあると指摘しています。特に高級ブランドは出店場所の選定をより慎重に行うようになり、ファッションブランドを中心にプレミアム立地から撤退する動きが出ています。

不動産大手サビルズホーチミン支店のチャン・ファム・フオン・クエン上級マネージャーは、ブランド各社が賑やかな中心部の通りで広い間口を持つ物件を求めており、特に他の高級ブランドが集積するエリアを好む傾向があると説明しています。

【まとめと所感】
不動産仲介業者はEコマースやビジネスチャネルの多角化のような言い方をしますが、ベトナム全域で不動産は一種の”投機材”となっています。資産保有者の間で取引をしつつ、賃料を上げ続ける動きをした結果、スターバックスやマクドナルドが一等地から撤退。次の入居者も決まっていません。

不動産の価値に対して価格を上げ続けているため、市場が何らかの理由で鈍化した場合には投資回収ができなくなり、バブルが弾ける雰囲気があります。賃貸用物件などへの投資はバブル崩壊まで待つのが良いのかもしれません。

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