[2024/06/07]ドル高がベトナム企業へ逆風|管理フロート制も限界へ
ベトナム1338日目です。
①ベトナムの企業はドル高で大きな影響を受ける
②ドル高で小規模企業や輸入業者が損失
③政府はドルの流通を管理するも追いつけず
動画(約2分)
ドル高がもたらす影響
ベトナムドンと米ドルの為替レートが上昇し、特にブラックマーケットでのドル価値の急騰がベトナム企業に大きな影響を与えています。2月中旬にはドン・ドル為替レートが25,000VNDを超え、その後も25,600〜25,700VNDの間で変動しています。この状況は多くのベトナム企業にとって厳しい試練となっています。
企業の対応策
バクザン省のコンポーネント製造会社の会長であるグエン・ドゥク・クオン氏は、為替レートの上昇に対処するためにドルを備蓄する必要があると述べています。輸出企業は米ドルで収益を上げ、ドンに換算して支払いを行うため、為替レートの変動が大きな影響を与えます。特に小規模輸入業者にとっては、ドル高が大きな損失をもたらしています。
為替レートの上昇とその影響
ビナカムグループのヴ・ズイ・ハイ氏は、為替レートの急騰が企業にとって頭痛の種となっていると述べています。ブラックマーケットでのドルの高値は、特に小規模企業にとって大きな負担となっています。グローバル市場でドルが安定している一方で、ベトナムのブラックマーケットではドル高が続いており、外貨への需要が強いことが示されています。
業界への影響
複数の産業がドル高の影響を受けています。飲料業界では、輸入原材料やプラスチックビーズのコストが上昇し、製造コストが3〜4%増加していますが、商品の消費が低迷しているため、販売価格の引き上げが難しい状況です。企業は国内市場での材料調達や海外出荷の強化を図り、損失を最小限に抑えようとしています。
カシューナッツ業界もまた、年間280万トンのカシューナッツの支払いを米ドルで行う必要があり、負担が増加しています。
為替管理フロート制の影響
ベトナムは管理フロート制を採用しており、自国通貨の変動幅を固定し、その範囲内で各国通貨が自由に取引される制度です。しかし、現在のドル・ドンレートはこの変動幅を超えており、企業にとってさらなる困難をもたらしています。
政府の対策
専門家は、ドルの流通を厳しく管理することで、銀行からブラックマーケットへのドルの流出を防ぎ、市場の供給と需要の均衡を保つことが必要だと提案しています。この対策により、ベトナム企業は為替レートの変動に対するリスクを軽減し、安定した経営を維持できると期待されています。
参照
Vietnam's businesses face dollar headwinds
https://tuoitrenews.vn/news/business/20240312/vietnam-s-businesses-face-dollar-headwinds/78726.html