ベトナムで狂犬病|1月から7月までで死者56人
ベトナム1,400日目です。狂犬病で死亡という話は日本人では聞かない話になってきました。ベトナムでは未だに狂犬病が原因で死亡した例があります。
①ベトナムで狂犬病が発生
②7月までに56人死亡
③北部では少ない
動画(約3分)
狂犬病の現状
ベトナムでは今年の1月から7月までに、狂犬病により29の省と都市で56人が死亡しました。これは前年同期比で45%の増加を示しています。
死亡者が多い地域は、ダクラク省とザライ省(中央高原)、ビンツアン省とゲアン省(中部海岸)、ベンチェ省、ロンアン省、タイニン省(南部)です。
狂犬病は麻疹やCOVID-19などの感染症に次いで人間の死因となっています。
狂犬病の原因と予防
狂犬病は致命的なウイルス性人獣共通感染症であり、治療法はありませんが、ワクチン接種で予防できます。主な死因は、犬や猫に噛まれたり引っかかれたりした後、すぐにワクチン接種を受けなかったことにあります。
疫学調査によると、多くの狂犬病患者は、自分の飼い犬が狂犬病ではないと思い込んでワクチンを接種せず、一部は伝統的な治療法に頼っていました。また、子供たちが犬に噛まれたことを親に知らせなかったために予防治療を受けられなかったケースもあります。
政府の対策と提案
ベトナム保健省は、犬の狂犬病ワクチン接種率が現在58%であることを発表しましたが、この数値は不正確である可能性があり、実際の犬の数が不明です。一部の省では、犬のワクチン接種率が30%以下であり、狂犬病の抑制と予防に大きな課題となっています。
保健省は、犬や猫の飼い主が狂犬病ワクチンを接種しない場合や、ペットを自由に放し飼いにする場合に罰則を設けることを提案しています。また、伝統的な治療法を用いる治療者に対する罰則も検討されています。
狂犬病予防の重要性
毎年ベトナムでは、犬が約50万人を噛んでおり、予防治療費は約2兆ドン(約79.5百万米ドル)に達しています。予防には、ペットの適切な管理とワクチン接種が欠かせません。住民に対しては、犬に噛まれた場合はすぐに医療機関でワクチンを接種するように啓発することが求められます。
取りうる対策
ワクチン接種の徹底:ペットの飼い主に対して、定期的な狂犬病ワクチン接種を義務付け、未接種の場合には罰則を設ける。
啓発活動の強化:狂犬病の危険性と予防策について、広報活動を通じて住民に周知する。
伝統治療の規制:狂犬病治療に関する誤情報を排除し、正規の医療機関での治療を推奨する。
動物管理の強化:ペットの飼育環境や行動に対する監視を強化し、放し飼いを禁止する。
参照
56 people die of rabies in Vietnam in January-July
https://tuoitrenews.vn/news/society/20240730/56-people-die-of-rabies-in-vietnam-in-januaryjuly/81201.html