中国からの輸入品がベトナムの環境を汚染
ベトナムのEC市場は目覚ましい成長を遂げています。2024年1-9月期のEC売上は前年同期比で37.66%増加し、第3四半期のオンラインショッピング総額は84.75兆ドン(33億ドル)に達しました。この成長率は、ベトナムの経済成長率を大きく上回っています。
中国製品の価格破壊
中国製品の低価格攻勢が、ベトナム市場に大きな影響を与えています。ECプラットフォームTemuでは、帽子が7万ドン(2.8ドル)で販売されており、これは通常価格12-25万ドン(4.7-9.9ドル)の半額以下です。同様に、靴も30万ドン(11.9ドル)と、ベトナム国内価格の半額程度で提供されています。Shopee、TikTok、Sheinなども低価格の中国製品を取り扱っていますが、Temuは30%の紹介手数料やアプリダウンロード報酬など、独自の販売促進策で売上を伸ばしています。
環境への影響
EC市場の急成長は、深刻な環境問題を引き起こしています。2023年には、ベトナムのEC市場で33.2万トンの包装材が使用され、そのうち17.1万トンがプラスチック包装材でした。スマートフォンケースや水筒、靴、アパレル製品など、分解に数百年かかる商品が人気を集めており、その多くがリサイクルされずに環境中に廃棄されています。
専門家からの警鐘
専門家たちは、この状況に警鐘を鳴らしています。ベトナムエコフレンドリー製品製造協会は、早急な対策がないとベトナムが廃棄物処理場になりかねないと警告しています。また、ホーチミン市繊維衣服刺繍協会は、原産地不明の低価格ファッション製品による環境汚染や健康被害のリスクを指摘しています。EC専門家からも、低価格商品の品質の低さと早期廃棄のリスクについて懸念の声が上がっています。