あるベトナム人の正月準備
日本の正月は間もなくだが、旧暦(日本人にとっては「旧」だが、ベトナム人にとっては現役の暦である)で正月を祝うベトナムの正月はもう少し先である。
日本人が神社へ初詣に行くように、ベトナム人もお寺へ行く。
ベトナムのお寺には黄色の梅の花の木、そしてそこには赤いポチ袋がくくりつけられており、子供だけでなく大人もポチ袋をいただくことができる。
お寺でいただいたありがたいお守りとして一年大切に持っておくのだ。
普段は隙間もないほどバイクだらけの道も、正月はスッカラカンで見通しがいい。
お店もみんなお休みだ。
ただし、我が家のベトナム人(夫)は、正月が稼ぎどきなので忙しい。
日本の正月と違うなあと感じるベトナム正月の風物詩の一つに、「ベトナム人は正月に「書」を買う」というものがある。たくさんの人が正月に書を買い飾る。
日本の書道と違って、ベトナムの書道はイラストと文字が組み合わさったものが多い。色もカラフルなものが好まれる。
その「書」を書くのが夫の仕事だ。
正月は、人が集まる公園で店を開き、
すでに仕上げている作品や、その場でオーダーを受けて客好みの作品を仕上げる。
家中に画材が広げられ販売用の作品制作が始まると、我が家は「正月」を感じるのである。