愛して、安心していた場所

私が愛して、安心していた場所
昔住んでいた家の付近をたまたま通った
あの日々の私がまだそこに居る気がした

もうあなたはそこには居ない
もう私もそこには居ない
それでも鮮明に憶えている
人生で初めて生活に色が付いた日々だったから

はじめてあなたに出逢った時
一目惚れとかではなく、これからあなたに恋をするだろうと思ってしまった
誰にでも綺麗に笑うのに、悲しい目をする人だった
その目が何を見てきて、そうなったのか、そうなってしまったのか、知りたかった

何を捨てても怖くないと思った程の恋だった
あなたが居てくれるなら
その他のすべてのことは本当にどうでもよかった
今思えば危ないなと思うけど、あの時の私はそのくらいおかしくなる程恋をしてた
彼が私の前から居なくなろうとした時
私のこれからの人生に、彼が居なくなるならもういらないやと思って、死のうとした
ほら、私は自分の命すら捨てることも怖くなかった。

恋が愛に変わり、愛し愛されに変わり
安心が安定になり私達は暮らしていた
君は絵になるね。と言われたのが悲しかった
そんな事を言う人じゃなかったのに、そんな事を言わせてしまった
その時の彼の目は、また悲しい目をしていた
よくあるだろう喧嘩をし、笑い、ご飯を食べ、寝て、たまに遊びに行く暮らし
何か大きなことがあった訳じゃなかった
これから先の未来を考えた時に、私の隣にあなたが居るのが想像できなかった
一度崩れていくと、戻せなくて、申し訳なくて、私は、私達は2人でいることを諦めた
最後の最後に言われた「恥ずかしくて認められなかったけど、俺は君のことが好きだったんだね」
が、あなたらしくて、でももうお互いにどうにもならなかった

愛して、同じように愛されること
私の特別で、あなたの特別になること
お互いがそうなるまでに簡単だった訳じゃない
それでもその大恋愛に私達は幕を閉じた

きっと私の走馬灯にあなたは出てくると思う
苦しくて、辛くて、壊れて、散々愛した
久々によく見ていた道を通ってあの日々を、あなたをを思い出したよ
だからって悲しく縋っている訳じゃない
あんな気持ちを、あんな日々をくれてありがとう
私は元気では無いけど、私らしく生きてるよ
どうか体に気をつけて、なるべく幸せに生きていてね

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