母として纏う、ハレの日の着物
先日、娘(7)と息子(5)の七五三でした。
七五三は数え歳でおこなうものだけれど、我が家は子どもたちの様子を見て満年齢ですることに。
夫の甥っ子たちが着た着物と袴を貸してもらって私が着付け。
着せ付け中、息子がなんども「おなかがくるしい」と言って脱ぎたがるので、 お腹まわりをかなりゆるく着せました。
なかなかにこだわりのつよい娘はどうしても着物を着たがらず、洋装に。桃割の髪に筥迫、しごき、あぁ(私の個人的な憧れです)、、、それでもじゅうぶんかわいかったから、いいのだけど。
お参りは地元の小さな小さな神社へ。
千歳飴は事前に榮太樓總本鋪さんのネットショップで購入しておきました。クラシックな袋がとてもすてきで、よく練って作られた飴もすごくおいしかったそう。
今回私が着た着物は母のお下がり(というか数年前まで母の箪笥でずっと眠っていた)淡い鴇色の付け下げに、アンティークの朱い波文様九寸名古屋帯、あとは無地の半襟、帯揚げ、帯締め。
子どもが主役の行事にあんまりギンギラの着物や草履で行きたくないので、入卒や七五三などは控え目な色柄の着物にちょっと華やかな帯を合わせるというのが今のところの私の好み(いえ、そもそもそんな立派な柄の着物というのを持っていないのですが)。
子どもの行事といえば色無地におめでたい柄の織りの帯みたいなコーデが主流だけれど、こんなかわいい帯もあったし、やっぱりちょっと自分らしい装いをしたくて。
リサイクルで買ったアンティークと思われるこの古い九寸名古屋帯、波の文様は「永遠」などを想わせる吉祥文様なのでお祝いの時にもぴったりなのです。しかしやはり若干派手なのであとのものはごく控え目にして私なりに引き算しました。
さらにこの日は雨だったので、雨用草履カバー『美人のつま先』を初おろし(草履は数年前に買ったエナメルレザーのもの)。雨草履を持っていないけどこれで完璧でした、美人のつま先は買って大正解。足袋も全然濡れなかったし、汚れなかった。
自分の支度に、こどもの支度にと、いそがしいのだけど、とくべつな日の着物というのはやっぱりいいものだなぁと思う。支度のためにそっと取り出して畳紙の紐をほどくときの、こころが浮き立つような感覚も毎回愉しい。
あとで写真を見返しても、「あぁ、あの日着物を着て行って本当によかった」と思う。柔らかものの着物のように、とろんと淡く、おぼろげにこころに残る、そういう思い出をつくるために着ているような一面もある、私にとってのハレの日の着物。
内祝いの紅白饅頭はいつも行くお気に入りの和菓子屋さんで購入。
当日もう朝から雨が降っていたのだけど、お店の奥さんが「雨は『幸せが振り込む』って言うからね」と、素敵な一言くださって、うれしい気持ちに。
茶の湯を知ってよかったなぁと思うのは、ほんとうに、お茶をいただくそのとき。ひとくち飲むとこころがすっと平らになり、たっぷり飲んで幸福なきもちになる。